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タイトルは「セイバータイガー」についてですが、初登場時の名前は「サーベルタイガー」という名前で、セイバータイガーは平成になってからの名前になっています。もちろん、違いがあるから名前は変わっているのですが、ここでは最初の基本情報はまとめて、次にサーベルタイガーの詳細を、最後にセイバータイガーの詳細の解説をさせていただきます。(写真は諸事情でサーベルタイガー解説の際もセイバータイガーを使っている場合があるのであしからず)
左の写真のゾイドが「サーベルタイガー」である。
ゼネバス帝国のゾイドで、モチーフはトラ型
おそらく実在したサーベルタイガーもモチーフだと思われる。
プラモとしてはモーター駆動で昭和基準では大型ゾイドに分類される。
平成時は「セイバータイガー」に改名しており、平成基準では中型扱いとなっている。
最高速度200km/h(セイバータイガーは240km/h)
武装(ほぼ同じなので平成のセイバータイガー基準)
キラーサーベル×2(牙
ストライククロー×4(爪
AEZ20mmビームガン×2
対ゾイド30mm2連装ビーム砲
地対地ミサイルポッド
複合センサーユニット
小口径対ゾイドレーザー機銃
対ゾイド3連衝撃砲
TEZ20mmリニアレーザーガン×2
赤外線レーザーサーチャー
などの多彩な武装を持つ。
武器が多いのはサーベルタイガー(セイバータイガー)の特徴のひとつである。
ZAC2036年にロールアウト
中央大陸戦争中期のゾイドで大型では初の高速戦闘用ゾイドである。当時200km/hを誇る最高速度は脅威だった。
200km/hを誇る最高速度というのは、最初に聞くとすごく見えるが、実はその速度を出せるゾイドは結構いたりする。実際、帝国ゾイドだけでもモルガ、ゲーター、ヘルキャットあたりは最高速度200km/hを出すことができた。
が、当時最高速度200km/h以上出せるゾイドは軒並み小型、中型ゾイドばかりであった。これにより、どうしても大型ゾイド相手にはパワー不足が響き、速いゾイド=非力が定説だったのである。
もちろん、サーベルタイガーも速度を重視していない従来の大型ゾイドと比べるとパワーは若干劣るものの、大型でありながら、攻撃を華麗に回避し、その速度で一気に距離を詰めてくる戦闘を行い、その攻撃力はゴジュラス相手でも戦うことができる高速ゾイドというのは、共和国には未知の恐怖だったといえるだろう。
写真はセイバータイガーだが、シルエットはサーベルタイガーもほぼ同じである。
昭和バトルストーリーでは、サーベルタイガーを駆って空戦ゾイドも倒せるエースパイロットもいたらしい。
このサーベルタイガーの登場で、高速戦闘ゾイドという括りが無視できないものとなり、高速戦闘ゾイドを開発していなかった共和国軍は、サーベルタイガーに対抗する手段を持っていなかったため、一時期は一方的にやられていたといわれている。
実際、共和国軍には、「サーベルタイガーに遭遇した部隊は、ただちに空軍に援護を求めて撤退せよ」という命令を出したといわれている。これは、共和国軍が同じ土俵でサーベルタイガーに勝てるゾイドがいないと明言したようなものだろう。
余談だが、空軍に任せて撤退しろの命令があったと考えると、空戦ゾイドには普通に負けていたと思われる。まあ、わからなくもないものの、アニメやゲームのイメージで考えるとプテラスとかに勝てないのは変な感じがする。
ロールアウト後、上記の戦い方で一時期は天下を取っていたのだが、この無敵時代もそんなに長くはなく、この後共和国が開発した「ウルトラザウルス」にはパワー不足故に倒すことができず、そのウルトラザウルスの影響で一度帝国は撤退する羽目にあってしまう。
さらに、共和国軍もコマンドウルフ、シールドライガーなどの高速戦闘ゾイドを開発したことで、同じ戦い方でも苦戦するようになっていった。特に、シールドライガーはサーベルタイガーを意識したゾイドだったため、1対1では勝てないことが多かったようである。
中央大陸戦争中期の終わり頃から後期では、運動性能と火力を強化した「グレートサーベル」という改造パターンも登場、高速戦闘部隊の最前線で常に活躍したといわれている。
グレートサーベル。スラスター的なものは増設していないので、どうやって速度を維持、上昇しているかは謎。
ゼネバス帝国最後のゾイド、ライジャー。空力研究だけで320km/hも出せる恐ろしいゾイドである。
大まかな歴史だけ見ているとあまり知られていないが、大型高速ゾイドとしての後継機も何機か存在する。
ゼネバス帝国ではより空力を徹底研究して作られたライオン型ゾイド「ライジャー」を開発しており、
ゼネバス帝国を吸収した暗黒軍もドーベルマン型ゾイド「ジークドーベル」やパンサー型ゾイド「デスキャット」など開発しており、高速ゾイドの開発は常に行っていたようである。
ゾイドの歴史を仕切りなおした。
コンセプトアートシリーズにも登場。
地球人の技術提供により、初めてビーム兵器を搭載したゾイドとなっていた。
見た目はほとんど変わらず。全体的に黒色多めである。
共和国側の訓練上級で、小隊長として登場したりする。
PSゲームの「ZOIDS メカ生体の遺伝子」でももちろん登場。
高速ゾイドの特徴を生かし、移動力と回避力の高さが特徴。
武器も豊富だったが、レッドホーンと同じで、武器が多すぎてパーツがあまり付けられない(ぶっちゃけ1個)ことが弱点。
とにかく初の大型高速戦闘ゾイドの印象が強く、共和国の仮想敵としてもよく名前が挙がることから、常に共和国を苦しめてきたことは間違いないだろう。
が、同じコンセプトの共和国の後発機にはどうしても押されていくこととなった。サーベルタイガーも強化はされたりしたのだが、「大型だけど速い」と「重くなっても装備を充実」の兼ね合いがうまくいかず、改造ゾイドを多く作りがちな帝国軍でもあまり目立った改造パターンは存在しなかった。
故に惑星Zi大異変後も再開発はされたのだが…
見た目は変わらないのに、40km/hも速くなっている。技術の進歩がすごすぎる。
惑星Zi大異変後
多くのゾイドが絶滅する中、サーベルタイガーは数を残しており、ゼネバス帝国を吸収したガイロス帝国が主力機として再生産を行った。
が、他のゾイドと違い、今までの高速戦闘ゾイドのデータを掛け合わせ大幅に強化されて再生産をすることになる。特に最高速度はグレートサーベルのデータを取り入れ、なんと240km/hを出せるように強化された。
大幅に強化されたサーベルタイガーは新たな名前を付けられることとなる。そう「セイバータイガー」の誕生だった。
シールドライガーに迫る速度を手に入れたことで、シールドライガーとの戦力差はほぼ互角になったといわれている。シールドの有無で防御力は劣るが、火器の数で火力はセイバーが上回っている。
西方大陸戦争初期では、高速戦闘部隊の隊長機として配備され、「オリンポス山」占拠部隊の最前線で活躍した。実際に共和国軍で唯一占拠に向かっていた高速戦闘部隊を発見したのもセイバータイガーであった。
共和国軍の高速戦闘部隊との戦闘はその速さ、火力を生かし、コマンドウルフを何機も倒している。隊長機のシールドライガーとの因縁の戦いでは、頭部にクローを叩きこむなどあと一歩まで追い詰めた。
しかし、惑星Zi大異変後大幅に強化されていたシールドライガーのEシールドの前にたじろいでしまい、その隙を突かれ敗北してしまった。とはいえ、その間にオリンポス山占拠には成功しており、作戦は成功させたといえるだろう。
強化されても最高速度はシールドライガーに劣っているが、セイバー最大の長所は火器を出したままで高速戦闘できることである。
その後、通常型の大きな活躍は見られなかったが、シュバルツ中佐のセイバータイガーSS、皇帝専用機のゴールドタイガーなどが登場しており、どの時代も活躍したといえるだろう。
上記の2機の詳しい活躍については次の「改造バリエーション」から説明します。
惑星Zi大異変後の改造パターンとして
かつてのグレートサーベルのアサルトユニットを再設計・装備したセイバータイガーATが有名。
かつてのグレートサーベルにちなみグレートセイバーと呼ばれるタイプもあるが、ATとの区別は不明である。
元のセイバーがグレートサーベルを超えているといわれていたため、AT装備はサーベルより3段階くらい強くなってそうである。
より速度を出せるライトニングサイクス登場後もシュバルツはセイバータイガーを愛用していた。なんだかんだ、ゾイドとの絆をとるタイプなのだろう。
また、シュバルツ中佐が搭乗したセイバータイガーSSも有名。
シュバルツはアイアンコングも愛機だったが、戦場に速く駆け付ける際はセイバータイガーに搭乗したといわれている。シュバルツ大好きガトリング砲ももちろん装備している。
ファンブック4巻では一時的に同盟を結んだ共和国のハーマン大尉とともにシュバルツがこのセイバータイガーで戦闘している、しかし、見えない謎の敵の奇襲によりセイバータイガーは大破、シュバルツも大怪我を負うことになった。
他にも、皇帝専用機のゴールドタイガーも登場した。通常機の1.5倍の戦闘力があるらしく、おそらくセイバータイガー中最強だと思われる。
ファンブック4巻では、ガイロス帝国へ反旗を翻し、新しい帝国「ネオゼネバス帝国」を立ち上げたプロイツェンに対し、ガイロス帝国の皇帝としてルドルフが決闘を申し込み使用したのがこのセイバータイガーだった。
ゾイド乗りとしての経験がほぼないルドルフが乗ったにしては想像を超えた強さを出したらしいのだが、いかんせんプロイツェンが乗っているのはまさかのデスザウラーだったため、その性能の高さがわからないままボロボロにされてしまっている。
余談だが、名前は変わっているもののゼネバス帝国の名機であるゾイドをガイロス帝国の皇帝専用機として使うのはちょっとモヤっとする気がする。セイバータイガーに改名したからいいのだろうか?
言いたいことはいろいろあるが、とにかく相手が悪すぎた。
OPのワンカットより。OPに出ているということは、CGも早い段階で作られていたっぽい。
アニメ「ゾイド(初代)」でも登場。
主人公バンのライバル「レイヴン」の最初の愛機として登場しており、バンのシールドライガーに初黒星を付けるという強さを見せつけている。
その後も、再戦したバン相手に、ジークが意識を失うくらいボコボコにしたり、メタ装備を付けてきたアーバインのコマンドウルフも圧倒するなどの活躍を見せるが、連戦のダメージもあってか、3度目のバンとの戦いで引き分け、4度目の戦いでついに倒されてしまった。
また、中盤に入るくらいに登場した盗賊「スティンガー」の所有するゾイドとして登場。少しピンクがかった色をしている。シールドライガーをジークが繭を作って修復中の時に来たため、大ピンチに陥るが、繭が解けパワーアップした「ブレードライガー」の前に倒されてしまった。
さらにさらに、帝国軍三騎士仕様とか皇帝専用機「ロイヤルセイバー」など、いろんなセイバータイガーが登場した。ちなみに、通常カラーはレイヴン機のみで、他のセイバーは違う色をしている。
そのため、通常カラーはアニメではかなり珍しい色となっている。
アニメ「スラッシュゼロ」でも登場。
チーム・ブリッツと戦った相手「チーム・タイガーズ」が使用しており、1話目では結構強かったのだが、再登場するたびにギャグ的な扱いにされていった。カラーリングは黄色。
ちなみに、アメリカでは初代より先にスラッシュゼロを放送したため、日本では通常販売はされなかったタイガースカラーのセイバータイガーが売られてた。逆に通常カラーは珍しかったらしい。
さらに、アニメ「フューザーズ」でも登場。
周りの色に溶け込み姿を消せる「セイバータイガーホロテック」として登場しており、なんか自分の強さを誇示したいパイロットがその能力を生かしてゾイドの通り魔事件を起こしていた。
奇襲することでZiユニゾンしたゾイドを倒すなど意外に強く、チーム・マッハストームのシグマの愛機「ボルドガルド」を再起不能にしたのもこのゾイドである。が、シグマの新たな愛機「レオストライカー」と姿を消す対策のペイント弾をくらい敗北した。
どうでもいいかもしれないが、なぜ姿を消せるゾイドが結構いる中、本来は姿を消せないセイバータイガーが姿を消す能力を持って登場したのかは謎である。(シャドーフォックスあたりでよかったのでは?)
消えていないときはタイガースカラーと同じ黄色色だったらしい。
初代の漫画でもある「機獣新世紀ゾイド」にも登場。(サーベルタイガーだったかもしれない…)
最初はレイヴンがバンの村にけしかけた野良ゾイドであり、大きさもありバンが合体しているジークを苦戦させた。
何とか倒したバンだったが、倒したはずのセイバーにシャドーが合体、レイヴンも乗り込み大幅にパワーアップして再度戦うことに。最終的にはバンの父ちゃんのコマンドウルフと相打ちすることになった。
漫画では初のオーガノイド合体をしたゾイドである他、シャドーが合体するとジークより大幅にパワーアップするが、そのゾイドは死ぬという特性や、それを躊躇なく行うレイヴンの冷酷さの犠牲になるという印象に残る活躍だった。
PSゲームの「ZOIDS メカ生体の遺伝子」では、惑星Zi大異変前のため登場しなかったが、「ZOIDS2 へリック共和国VSガイロス帝国」にはもちろん登場した。
ゲームシステムが変更されたおかげで、武装の数はサーベルタイガーでありながら、パーツが4つまで付けられるようになったため、相対的に強くなっている。
ちなみに、サーベルタイガーからセイバータイガーに改名した本当の理由は、プラモ販売時するための商標登録の都合で名前が使えなくなったかららしい。あまりにも生々しい理由である。
とはいえ、そこを逆手にとって名前が変わるくらい強化されたという設定はそれはそれでおいしいため、結果的にはよかったのかもしれない。(ちなみに、グレートサーベルだと商標の問題はなかったりする。)
※ここからツキアカリの主観がメッチャ入ります!
どの媒体でも高速ゾイドの代表格といった扱いが多い。
また、アイアンコングみたいな分かりやすく強いというゾイドではないはずが、意外にもアニメの出番が多いのが印象的。
アニメの出番が多い理由としては、主役ゾイドが共和国製のライオン型ゾイドが多い中、その敵ゾイドを登場させる際に、同サイズの前作主役を張っていない4足歩行ゾイドの条件を満たしているのがセイバータイガーだけだからだと思われる。
ただ、アニメに出れるのはいいが、出てしまうとシールドを張れないシールドライガーみたいな扱いが多いのは残念ではある。火器の多さによる火力の高さとかはあまり語られないため、これを機に知ってもらえればと思う。
バトルストーリーでは帝国軍の代表高速ゾイドということもあり、高速ゾイドの操縦システムにはセイバータイガーのものを流用しているらしい。
※参考資料:ゾイド公式ファンブック1~4、ゾイドコンセプトアート1~4、など