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左の写真のゾイドが「コマンドウルフ」である。
へリック共和国のゾイドで、モチーフはオオカミ型
ヘルキャットと違って直球のモチーフである。
プラモとしては大型ゼンマイ駆動で平成基準では中型ゾイドに分類される。(昭和基準でも中型)
最高速度210km/h
武装(平成基準)
エレクトロンバイトファング(牙
50mm対ゾイド2連装ビーム砲
スモークディスチャージャー
また、爪のことをストライククローと呼ぶとき※もある。
※なぜかコマンドウルフACにはストライククローの記述がある。
ZAC2042年にロールアウト
中央大陸戦争後期のゾイドで共和国初の高速戦闘ゾイドとして有名。
平成のイメージやゾイド全体のイメージで、主役側のゾイドは4つ足で高速ゾイドが多いというイメージだが、実は最初は帝国が高速ゾイドを開発し大きな戦果を挙げていた。その中でも中央大陸戦争中期にゼネバス帝国が開発した「サーベルタイガー」に共和国は大きく苦しめられていた。
その経緯もあって、共和国でも高速ゾイドの開発をすることになる。そして開発されたのが「コマンドウルフ」である。
コマンドウルフは対サーベルタイガーを意識して開発されたゾイドであるが、実際はサーベルタイガーほどのパワーは持っていない。それでも当時の200km/h以上の速度をもつゾイドでは大きめで高い戦闘力を持っていたといわれている。
さらに、サーベルタイガーよりも個体数が多いため、量産が効くのが特徴、1体では勝てなくとも3体くらいでチームを組んでサーベルタイガーを追い詰める戦いもあったらしい。
実際には、少し後の同い年にロールアウトした「シールドライガー」が登場したことで、サーベルタイガー相手はシールドライガーに譲り、そのシールドライガーのサポート役が主な役目になっていったようである。
シールドライガーとはどの時代・世界でも共闘する黄金コンビである。
ビーム砲のビークルはゾイドあるあるのむき出しコックピットだったり、敵に頭を近づける探索はどう見てもにおいをかいでいる犬にしか見えないとかツッコんではいけない。
開発経緯的にサーベルタイガーやシールドライガーとどうしても比べたくなるが、その2体は高速ゾイドでの戦闘力を突き詰めているのに対し、探索、分析、追跡などのいぶし銀的な活躍が得意なのが特徴。
高速戦闘隊で数や装備を生かして、敵を探索、発見した敵の追跡、倒した敵の分析を一手に担っていた。どの時代も高速戦闘隊の中核だったということは間違いないだろう。
索敵のような任務をしていたというが、そういった装備ってなくね?と思われがちだが、背中のビーム砲は分離して小型ビークルとして利用でき、索敵範囲を増やすことが可能。また、頭に電子機器があるのか、敵の残骸や敵の落としたパーツなどに頭を近づけることでその敵を分析、位置を把握する能力を持っていた。
その上、パイロットを選ばない扱いやすさとどんな相手にも勇敢に戦える性格をしているため、多くのゾイド乗りに愛されたといわれている。性格が優秀なゾイドとしては「ディバイソン」や「アイアンコング」に埋もれがちだが、コマンドウルフも戦闘ゾイドとして理想的だったといえるだろう。
高速ゾイドで探索が得意、さらにまあまあ強くて数もいるという長所からあらゆる戦場で共和国の主力ゾイドとして活躍したようである。戦闘以外なら暗黒大陸戦争でも活躍したと思われる。
公式ではあんまり比較はされないが、帝国で一番ポジションが近いゾイドは「ヘルキャット」だと思われる。戦闘力ではコマンドウルフが、隠密性能ではヘルキャットが上といったところか。
戦闘力では勝てないセイバータイガー相手にも、闘争心をたぎらせていたことも。
ちなみに「閃光師団」編成については、少し改造するだけで「ライガーゼロ」を支えていたという話と、支えられないから「シャドーフォックス」が作られたという話がある。公式はコマンドの扱いをどうしたいのだろうか?
惑星Zi大異変後、多くのゾイドが絶滅する中、コマンドウルフは数を残しており、引き続き運用された。最初は装備の変更は特になかったが、いつも通りシールドライガーのサポート役として活躍した。また、西方大陸戦争初期の共和国の撤退戦でしんがりを務め、多くの共和国兵士を救ったといわれている。そういう意味ではコマンドウルフがいなかったら、共和国は負けていたかもしれない。
帝国もその厄介さは認めており、西方大陸戦争の撤退戦で戦ったコマンドウルフを何機も鹵獲しており、そのまま帝国軍が使用したりもしたほどである。また、研究することで帝国の高速ゾイド開発も発展したといわれている。
第二次暗黒大陸戦争時は流石に力不足かと思われたが、AC装備型のコマンドウルフが共和国が新設した特殊部隊「閃光師団」(レイフォース)に編成されており、どの時代も活躍したといえるだろう。
惑星Zi大異変後の改造パターンとして「閃光師団」でも活躍したコマンドウルフACが有名。
長距離砲で火力を上げつつ、ウイングとブースターで最高速度は据え置きで運動性能を向上させている。(なぜかファンブック2巻ではAUになっている、アタックユニットの直訳か?)
また、共和国軍ではないが、あの「アーバイン」の愛機であるコマンドウルフAS※が有名だろう。背中のロングレンジライフルは大型ゾイドも倒せるほか、様々な改造で通常機をはるかに超えた反応速度を発揮するとのこと。
ちなみに、このロングレンジライフルはもとはゴジュラス用に開発され失敗作として破棄されていたものを調整して装備したものと言われている。(ゴジュラスのどこに装備しても似合わない気がするが…)
※アーバインの頭文字はAではなくIなのでアーバインスペシャルの略ならISになるのだが、公式にはAS、IS、IRVINE、アーバイン仕様など正式には定まっていない感じなので、ここではカードゲームとかで使われていたAS表記にしておきます。ちなみに、ASはアーティラリースペシャル の略?という説があるらしいです。
全編通して「強い」というより「頼りになる」といった印象だった。
アニメ「ゾイド(初代)」でも登場。
通常コマンドはあんまり登場しない※ものの、レギュラーキャラの「アーバイン」の愛機としてコマンドウルフASがほぼ毎回登場していた。
アーバインのポジションがそもそも主人公の「バン」の兄貴分なのでそのアーバインが乗るコマンドウルフも頼れる味方として活躍している。特殊装備の多弾頭追尾ミサイルを装備してセイバータイガーに一矢報いた回もあった。
※再度見たら、一話に敵役で出てました。登場回数はともかく、目立っていないことはなかったです。
が、「ジェノブレイカー」登場回で再起不能になってしまい、その後、意識を「ライトニングサイクス」に移すことでバトンタッチとなった。
ライトニングサイクス覚醒回はゾイド屈指の名シーンである。
初代はアーバイン機の印象が強いが、実はバンの父ちゃんの愛機もコマンドウルフだったことが、終盤で判明する。父ちゃんが愛機とともに命を懸けて帝国の大部隊を止めるシーンは感動ものである。
通常機もいるのに、アニメに合わせ専用カラーで発売したのは当初はコマンドウルフASだけだった。(だいぶ年月が経ち、フューザーズが放送されたときにはアニメ仕様ゾイドが結構でました。)
アニメ「スラッシュゼロ」でも登場。
主人公「ビット」が所属するチーム、「チームブリッツ」の仲間「バラッド」の愛機としてコマンドウルフACが登場した。
のちに「シャドーフォックス」に乗り換えるまで活躍している。
さらにアニメ「フューザーズ」でも登場。
主人公「RD」が所属するチーム、「チームマッハストーム」の兄貴分「マスクマン」の愛機として登場している。
流石に登場はすれど、噛ませ役的な扱いが多かったのだが、アニメ中盤で「レオストライカー」とZiユニゾンを行うことで「コマンドストライカー」へとパワーアップを果たすことに。あくまでフューザーズ上での話だが、ケーニッヒウルフやロードゲイルより強いと思われる。
そのまま最後まで戦い抜いたため、初のアニメで最後まで戦い抜いたコマンドウルフとなった(Ziユニゾンは戦闘時に合体するので、元のコマンドウルフは残っている)
上記がコマンドストライカー。合体前は青いコマンドウルフである。
さらにさらにアニメ「ジェネシス」にも登場。
流石にレギュラーメンバーではなかったようである。
このことから、平成ゾイドアニメでは皆勤賞な上に待遇もいいという花形ゾイドだったと言えるだろう。
お馴染みのゾイドなのでいろんな漫画にも登場するが、ここは初代の漫画でもある「機獣新世紀ゾイド」での活躍を紹介。
2~4話目くらいにかつてのバンの父ちゃんのゾイドとして登場し、ジークが合体、バンが搭乗してレイヴンのサーベルタイガーと戦った。最後は、全エネルギーを使う最後の技「ラグナレクファング」を放ち、サーベルタイガーと相打ちしてしまった。(もちろんバンとジークは無事です)
余談だが、この話はアニメで父ちゃんが出てくるよりだいぶ前の話なので、このころから父ちゃんの愛機の設定は「コマンドウルフ」だったことがわかる。アニメでも言っているが、バンの相棒ジークの名前は父ちゃんのコマンドウルフの名前を取ったものである。
ゾイドの歴史を仕切りなおした。
コンセプトアートシリーズにも登場。
共和国のエース部隊「トラップ遊撃隊」の隊長機として活躍した。見た目は通常というよりアーバイン仕様に近いデザインだった。
カラーリングは緑だが、これはトラップ遊撃隊としてのカラーなのか、通常のカラーなのかは不明である。
コンセプトアートの企画の一つ、「ゾイドオリジナル」にも登場。
試作型だが威力はすごいレールガンを搭載したコマンドウルフレールガンカスタムが登場している。(コマンドウルフRGCと呼ばれている)このレールガンは発射体制に入ると動けなくなるものの威力は、なんと改造ジェノザウラー「ジェノリッター」を倒せるほどの威力があるといわれている。実際、直撃はしなかったものの、ジェノリッターを半壊に持ち込んでいる。
ホントに余談だが、このコマンドが発表された当時、「タイトルに電磁砲と入る超能力アニメ」第二期が放送されていたため、乗っかったのでは?とか言われていた。
ゾイド界隈では、サッカーで日本がドイツに勝つくらいの大事件だと思う。
この時のストーリーでトラップ遊撃隊の隊長、ザッパ隊長も登場したのだが、彼のコマンドはジェノリッターと対等に戦えるほか、Web版では、レールガンをくらわせた後とはいえ、なんとジェノリッターを倒すという大活躍を見せた。
従来のバトルストーリーやアニメのイメージでは、コマンドウルフが何機いてもジェノザウラーには勝てないイメージだったので、世界観が違うとはいえものすごい大金星である。
PSゲームの「ZOIDS メカ生体の遺伝子」でももちろん登場。
隠密性能設定を生かしているのか何故かステルス機能があったりする。ちなみに使う際はアニメのイメージを一旦忘れ、射撃か格闘のどちらかに割り切ったほうが使いやすくなる。
赤いコマンドウルフは帝国が鹵獲したタイプである。
プラモがゼンマイ駆動なのは最初に言ったとおりだが、コマンドウルフは首を上げるか下げるかで歩行速度を変えられるという独自のギミックがあった。
首を下げることと連動してギアが増え歩く速度が遅くなる。これにより、下を向いてゆっくり歩きながらにおいをかいで敵を探す、見つけたら首を上げて全速力で走る。みたいな遊びができた。
ゼンマイでこのギミックはすごいと思う。
※ここからツキアカリの主観が入ります!
全媒体を考慮しても、全ゾイド中一二を争うほど扱いが良いゾイドである。実際ほとんどのアニメに出て、そこそこ目立つゾイドはコマンドウルフだけだと思う。
ただ、どのアニメでも主役を張ったわけではないので、サブキャラの域を出ないのがつらいところ。意図したものではないと思うが、良くも悪くも主役を支えるサポート役が向いているというべきか。今回紹介できていない改造パターンも結構あり、公式にもファンにも愛されているゾイド、それがコマンドウルフといえるだろう。
ちなみに、全体的な主役を張ったことは確かにないが、ゾイドカードゲームの漫画「コマンダーテル」の一話だけなら、完全に主役のような扱いでした。気になるなら、古本屋で探してほしい。
※参考資料:ゾイド公式ファンブック1~4など