――それは、覗き込むほどただ空を見上げつづける、「観測」の為の世界。
不摂生の天文学者と空から落ちてきた宇宙植物人の話。或いはロボットと弾圧された音楽の話。
「1000 years later...」
とある話から、千年の月日が経った。
世界は大きく変貌を遂げる。機械が人々の生活を担う重要な存在となっていた。
我々が観測した別の生命惑星と同レベルの科学技術を兼ね備えた上で、更にそれを超えたものも存在する。
自動転送システム、AIロボット、バーチャルネットワーク等々。
これからの未来は、どこへ向かうのか。
「Blue Planet」
青の星。大戦を経て、昔の面影をみせない程になっている。
通称アストライア。人間、ロボットが主に住まう。
「War is end?」
大戦は終わった。
しかし、「何故」あの時、大戦が起きてしまったのか。「理由」を突き詰めることで、大戦を二度と起こさないようにしている。
人々はその「理由」に固執。未来など誰も見据えていないように見える。
「SAFE」
青の星、全てを統括する中枢機関、それが「セイフ」
様々な規制をかけたり、安定をはかる。
ロボットを管理し、利用しているのも彼らによるもの。「ロボット政治掌握政策(仮称)」
ロボットが民衆の手に渡らないように、というのもあるが、
人間が政治を行うよりロボットに政治をさせたほうが、管理しやすい可能性を得た。
人々の安全を守る為に。戦争など、起きぬように。
「No singing」
大戦の「理由」だとされているのが、音楽。
現在、セイフはこれを禁じている。
他にも娯楽的なものは一切認められていない。
「No descavary」
かつて発展の為に、セイフは宇宙開発を行なってきた。
しかし、ある時ふたつの未来を算出してしまう。
1.研究心をそそられるような内容(セイフによって伏せられている)
2.しかしそれによって、戦争が起きかねない
故にセイフは、宇宙開発を強制的に取りやめ、禁止する。
「Green Planet」
とある「記憶」から成長した、植物に覆われる星。
通称グリミディア。
しかし、その意思が弱まってきているのか、星は枯れ始めている。
今や酸性の雨が降り注ぎ、生命は住めそうにない。
「Gremidear」
グリミディア。緑の星に住まう、光合成をする生命体。名前はその星の名前からつけられた。
全体的に緑色であり、人間より耳が細長く、頭から植物を生やしている。コンセント状の尻尾を持つ。
今現存しているのは、もしかしたら一人しかいないのかもしれない。
まだない
テルヌモント
天文学者。
「見つからない星を捜している」らしい。空を見上げていることが多い。
全く心の内が読めない。カップラーメンがすき。不摂生。
滅多に呼ばないが、イフィエンドの事をイフと呼ぶ。アスクロイブの事をアスクと呼ぶ。
「何か僕に問題でも? ……なら早めに帰ってもらおうか」
「見つからない……見つけられない、何故だ……何故なのか……?」
イフィエンド
グリミディアの少女。
ある日空から宇宙船ごと落ちてくる。
なんでも、「故郷を救う為」だとか。
芯はまっすぐ。きまじめ。普段は堅苦しいが、少し少女っぽいところも。
現在テルヌモントの家に同居中。彼をテンモンと呼ぶ。彼に振り回されている。
『おい、散々だ。我が何故こんな事をしなければならない!?』
『ああもうテンモン黙っててくれ! 頭が痛い!』
アスクロイブ
テルヌモントの学友。かつて、彼と共同で研究していた事がある。彼をテルと呼ぶ。
少しずれた性格の持ち主。関心が様々な方向に向き、ひたすら研究に没頭してしまうタイプ。
ロボット(機械)関係の博士でもある。
現在、セイフの「ロボット政治掌握政策(仮名)」により、軟禁状態に近い。
それでも尚、ポールを使ってテルヌモントと交信している。
「あ、はは……ごめん、次こそは成功させるから!」
「ポール……これを、この結果を彼に伝えてくれ」
ポール
(Pole-21a)
アスクロイブ博士が作り出した、意識を持つAIロボット。割と人間味も兼ね備えている。
『博士、今日はどんなコトバを、教えてくれるの?』
『アスクロイブ博士からの伝言。伝えました』
ミュシィ
うたに憧れる少女。その理由は。
イフィエンドと出会ってからは、友人というより姉妹のような関係。
頑固ではある。テルヌモントをテル博士、イフィエンドをイフィーちゃんと呼ぶ。
「イフィーちゃん、私に、おうたうたってー!」
「そうね、私も考えてみよっかなー。未来の事」