西浄断彩―さいじょう だんさい
街に現れた猟奇殺人の犯人。まだ学生でありながら異常な才能を発揮する。
・登場 「魔法使いと吸血鬼」「セルリアンブルー」
・所属 「無所属」
・本質 「断絶・結合」
・好きなこと 殺人
・備考 禁忌指定
LSDをある魔術師から渡され、その特殊な効能によって精神超越を起こし、能力者として目覚めた。元来から自身に存在する殺人衝動を抑えきれず、二十人以上の人を殺害してまわる。
死体を解体し、自身に結合する異常な能力を有している彼は、殺しては腕を、脚を、胴体を切り、自分の肉体と置換していった。
青咲巴、盲杖桜陽と接敵した際の彼は、顔すら本人のものではない。
高校三年。青咲巴とは一個上の先輩にあたる。二年次には陸上競技部に所属しており、短距離選手として活躍。朝日烈火とも面識があった。
【求めていた理解者】
新人類の感応に苦しんでいた彼は、いつからか強い殺人衝動を持つようになる。そんな中、校内ですれ違った青咲巴の心情を読み取った彼は、同じように苦しむ彼に深く共感し、精神超越後は同じように殺人鬼の道を歩ませようとする。が――――。
【悪に墜ちた純粋なる新人類】
彼は元々、生まれたときから新人類である。しかしその特殊な感受性から、人の心を読み続けた結果、本心と嘘の境界が崩壊して、疑心暗鬼になった。他人の悪感情を取り込み続けた結果、彼の思想は歪み、強い殺意を覚えるようになった。
【矛盾した世界の辻褄合わせ】
青咲紡稀のいた世界では発生しなかった事件であり、ネオン・ハートレスの登場、西浄の引き起こした大量殺人は、未来から人間がやってきた(=青咲紡稀)ことに対して、矛盾を生み出した世界がカウンターとして発生させた事象である。よって、青咲紡稀や協力者である星影総悟、幻影という組織は事件に対し、迅速に対応することができなかった。
こういった辻褄合わせは様々な場面で微小ながら発生しており、倉井戸香夜が偽吸血鬼に更なる改良を施したのもこの影響である。多数が認識できる辻褄合わせの影響はこの解体殺人が最も大きなものだ。
【そして、二十年後】
「呪詛返しの魔術師と百奇夜行」では彼の残した呪いが再び巴の前に立ちはだかることになる。
筋力・★★★☆☆ 魔力・★★☆☆☆ 魔力出力・★★★★☆ 耐久・★★★★☆ 特殊・★★★★☆
総合評価・★★★★☆
魔術師と出会う前から異常性は垣間見えていたが、精神超越後は極めて好戦的な人間になる。
まず、痛みに対する常識すっかり欠如している。
自分の能力を発揮するためには、人を殺し、その肉体を自分と置換する必要があり、到底常人にはできない行為である。体を切り離すときは、相応の痛みに襲われるし、自分が自分でなくなる。しかし彼にそんな倫理観はなかった。痛みを苦とせず、他者の肉体と一体になる事を喜々として作業を行う。そうして体を解体し続けた結果、もうそこに、西浄断彩本来の肉体は存在しなくなった。
【新人類(アナザーワン)】
・【過剰反応・第六感】
生まれたときからあった、第六感。新人類の中でも特に人の心を読むことに特化した彼の感覚は性格を歪ませる原因となった。
・【魔術殺し(中→下)】
一部魔術を無効化する。殺人を繰り返し、同化を行い続けた結果、効力は弱まった。
・【水晶化】
肉体を一部変質させ、身体能力を向上させる。
・【能力複製】
相手の魔術、異能力を複製する。複製した物の性能自体は高くないが、相手の武器を量産できるのは強み。
・【撃熱機構】
右腕から発生させる高濃度魔力のビーム。触れれば体は高熱で燃やし、焦される。並みの人間であれば一撃で致命傷となる。
・【解体】
他者の肉体を拒否反応諸々関係なく自身のものと一体化できる。
・【肉体蘇生(特)】
魔力残量にかかわらず体を再生させる。完全に殺すための方法は不明。
【その他能力】
・独自魔術(下)
作品登場人物からの一言。
青咲巴・「ぶっ○す!」
倉井戸蒼・「もっと早くに○ぬべき」
香夜・「二人とも殺意がすごいね」