平成から元号が変わってはや数十年。科学技術は発達し、今よりちょっとデジタル化も進む。世の表舞台からはとっくに消え失せた、超常現象。街の発展と反比例するように、衰退の一途を辿っているかと思いきや。
住民が寝静まる夜に、怪物たちは跋扈していた。天河七楽はひょんな事からこの世ならざる者と出逢い、その世界に足を踏み入れることとなる。出逢った以上、殺される。怪異の獲物となった天河を救ったのは魔術師を自称する螺旋巴だった。
以後、彼は魔術師の弟子となり、人知れず怪物退治を始めることとなる。
カクヨムにて掲載中の作品、「魔法使いと吸血鬼」より約二十数年後。「魔法使いシリーズ」という同じ世界観の元、同じ街を舞台に描く、怪奇現代ファンタジー。
仲間の岩座守鷹彦と共に、夜の校舎へと侵入した天河七楽。騒音問題を解決するため、音の出所を探るが、それは常に移動していて――。
物語の最初を飾る、怪異事件。その名は、マンティス事件。
岩座守が昏睡状態になった。事を重大と捉えた螺旋巴は、天河にある指令を出す。
「岩座守鷹彦の夢の中へ潜り、彼を現実へと連れ戻す」
しかし、事はそう単純ではなく――。
天河七楽が巴の元で働く前の話。
彼は、職場のコンビニで首が捻れた変死体の話を聞く。
これは天河七楽のはじまりの物語。
天河七楽の友人、春風秋冬から相談された怪しげな宗教。
信仰する者達の共通点は、鋼戸天井崩落事故の被害者家族で……。
怪異が絡んでいる宗教だと睨んだ螺旋巴は、独自に調査を開始する。
(「魔法使いシリーズ/番外記録」にて掲載中)
岩座守鷹彦を超常の世界へと引き込んだ元凶から再び襲撃される鷹彦と巴の二人。
魔眼の力を用いたその圧倒的な力に為す術もなく倒れ――。
報復のために鷹は再び羽を広げる。
雲雀朧と岩座守鷹彦の因縁には決着がついたものの、残された影響は大きい。
花鳥琥珀は夢魔としての異常性を解放され暴走をはじめた。