コケの大きな楽しみに、同定がある。しかし、これが思いのほか難かしい。屋外の作業では、コケの特徴をおのおの区別できるまで覚えていなければ、大きくて重い図鑑を野原に持って行かなければならない。しかも、この図鑑は、お値段が高い。汚れを気にすると、気安く頁を開くことなんて、とてもできない。装丁も、直ぐに壊れてしまう。
『コケ図鑑均茶庵バージョン』をタブレット上で動かすことで、屋外での図鑑の心配は、一応なくなった。
但し、タブレット上で動かすには、メモリー量が多くなりすぎて、スピードに不満が出る。そこで、屋内作業用には完全データを搭載したPC版を、屋外用には一種につき写真・図版各1~2枚に限ったタブレット版を作った。
均茶庵は、全ての種に固有の整理番号を付けた。PCやタブレットで検索する時に、表示が図鑑の並びに一致するようにした。あるいは、一属を検索すると、その属の全ての種が、順に表示されるようにするためだ。
整理番号の3つの数字は、平凡社の『属が記載されている頁(の近く)』『属の番号』『種の番号(番号が無い場合には、適宜51から数字を付けた)』を表す。ビールを飲みながら番号付けの作業したので、『頁』についてはちょっと怪しい。それで、『(頁の近く)』と書いた。今更直せない。
例: 132.5.01 Orthotrichum consobrinum
132 平凡社の131頁 .5 Orthotrichum属 .01 consobrinum 種