小池研究室では、造血システムと自律神経系を中心に、加齢に伴う細胞・臓器間ネットワークの変化と、その制御による機能回復を研究しています。さらに、ヒトiPS細胞や初代細胞から構築する多細胞オルガノイドを用いて、加齢の仕組みを再現・理解し、新たな介入法の開発につなげることを目指します。
造血幹細胞は、生涯にわたって血液・免疫細胞を供給し、造血システムを支える細胞です。加齢に伴ってその性質や分化のバランスが変化し、免疫機能の低下や血液疾患の発症リスクの増加につながります。
小池研究室では、造血幹細胞そのものに加え、周囲の細胞や分子から構成される「ニッチ」に注目しています。加齢した造血幹細胞の状態を規定する細胞間相互作用を明らかにし、ニッチの制御による機能回復の可能性を検証します。さらに、このようなニッチ環境をオルガノイド技術によって再構築し、加齢造血制御の新たな研究基盤の確立を進めています。
自律神経は全身の臓器に分布し、身体の状態や環境の変化に応じて臓器機能を調節しています。加齢に伴ってこの神経制御が変化すると、個々の臓器だけでなく、神経・血管・免疫系によって構成される全身のネットワークにも影響が及ぶ可能性があります。
小池研究室では、特に交感神経に注目し、加齢に伴う神経の構造・機能変化が、肝臓、骨格筋、骨髄などの組織にどのような影響を及ぼすかを研究しています。神経・血管・免疫細胞の相互作用を明らかにし、臓器機能の維持・回復につながる制御機構の解明を目指します。
加齢に伴う自律神経の変化が、複数の臓器機能に及ぼす影響を解析します。
ヒトの加齢は、一つの細胞だけで完結する現象ではなく、上皮、間質、血管、免疫、神経など、複数の細胞の状態変化と相互作用が重なって進行します。こうした過程をヒトの組織で継続的に観察し、実験的に操作することは容易ではありません。
小池研究室では、ヒトiPS細胞や初代細胞から、複数の細胞・組織要素を含む多細胞オルガノイドや、異なる組織を組み合わせたモデルを構築し、加齢に伴う細胞状態、組織構造、細胞間・組織間コミュニケーションの変化を再現・解析します。加齢を駆動する機構を明らかにするとともに、候補因子や介入法が組織機能に与える影響を評価できる研究基盤の確立を目指します。