おばあちゃん、孫の登園に付き添う
息子からSOSの連絡があり、孫を保育園へ送る手伝いをすることになりました。その保育園は、かつて息子たちが通っていた園で、私は親として10年以上通いました。
懐かしさに包まれながら到着すると、そこにはかつてとは全く違う景色が広がっていました。
暗証番号を押して玄関扉を開錠。中に入るとカードで打刻。
かつては、一覧表に登園した時刻を書いていました。時が流れたなあと感慨に耽っている私をそのままにして、孫はどんどん保育室へと向かっていきます。
後を追いかけると、壁に飾られている作品を指さして「これはお祭りの時のだよ」などと、遊んだ時のことを教えてくれます。
保育室に到着する前に扉があって、そこでは「ここは、大人が開けるところだよ」と説明してくれました。
園の中のことを知っているのは自分、だからおばあちゃんに教えてあげなくちゃ、と思っているようで、どこか誇らしげな孫の顔を見つめてしまいました。
扉の上の方についている鍵を解錠し、扉を開ければ到着です。
我が子と一緒に通っていた時とは、ずいぶん様変わりした保育園でしたが、最後に到着した保育室で「おはよう!」と待っていてくれた先生の笑顔は、昔も今も変わらないものでした。
出勤途中に聞こえてきた話し声から
ある朝のこと、ふっと聞こえてきた親子の会話に心がほっこり温かくなったことがありました。
職場へ向かう道をうつむきがちに歩いていたときのことです。穏やかな話し声が聞こえて顔をあげました。見ると、3歳くらいのおにいちゃんを肩車して、1歳くらいの妹さんをベビーカーに乗せているお父さんが見えました。
聞こえてきたのは、「おにいちゃんをみれば、あんしんするとおもうよ」と、語りかけるお父さんの優しい声でした。
そのように話しかけられて、おにいちゃんがちょっと照れながら「そうかなあ」と言うと、
「そうだよ。おにいちゃんが楽しく遊んでいれば、保育園っていいところだなぁって思うんだよ」とお父さんは話しました。
きょうだいで同じ保育園に通っているのでしょうか。もしかしたら妹さんが「保育園に行きたくない!」と言い出して、それを励ます言葉だったのかもしれません。また、もしかしたらおにいちゃんの方が「行きたくない!」と言い出したので、それをなだめる言葉だったのかもしれません。
いずれにしても、もしかしたら危機的な場面だったのかもしれませんが、
肩車をしつつベビーカーを押しているお父さんからは、悲壮感は全く感じられず、穏やかな空気が流れていました。
「おにいちゃんをみれば、安心すると思うよ」という言葉のあたたかさに包まれて、うれしい朝になりました。
朝は一日の始まり。その時に交わされる言葉たちが、一日に彩りや温かさ、元気を与えるように思えます。
朝、大事にしていきましょうね!