近所に住んでいる孫のKくんは、3歳を過ぎた頃からとてもおしゃべりになって、いろいろなことを話してくれます。自分の言葉で自分の考えたことを話す、という感じの彼の話を聞くのはとても面白いので、隙あらばインタビューを試みています。
最近、味噌作りを体験してきたという情報を得たので、さっそく聞いてみることにしました。
最初の質問は「どうやって作ったの?」。それに対する答えは「みんなとつくったの」でした。
パパとお兄ちゃんと一緒に「味噌作り体験」というイベントに参加したので、「みんなと作った」ということが印象に残ったのでしょう。なるほどと思っていると、さらに「お兄ちゃんはちょっと休憩」という情報も教えてくれました。1年生になるお兄ちゃんはママが大好きで、ママと一緒じゃないのが悲しくて味噌作りには参加しなかったということも、しっかり教えてくれます。弟は兄をよく見ていることも感じさせられました。
次の質問は「お味噌って、何で作ったの?」。材料や感触のことを話してくれるかなという期待を込めた質問だったのですが、「うーんとねえ」と少し思い出しながら答えてくれたのが「なんかわからないやつと、それとわからないやつと、もう一個わからないやつをまぜた」でした。
「わからないやつ!」を連発するKくんの答えを聞いて、私は大笑いしてしまいました。味噌作りの材料と言えば、煮大豆と煮汁・塩・米麹の3種類が一般的ですが、それらはKくんにしてみれば全部「なんかわからないやつ」だったのでしょう。「わからないやつ」という呼称を3回言っているので、味噌作りには3種類のものが登場したことがわかります。ある意味で、彼の回答はとても正確なのです。おもしろいと思いませんか。
大人になると「わからない」ではなく「わかる」ことを増やしていこうと努力します。そして「わかる」状態になったことで安心します。でも3歳のKくんは、堂々と「わからないやつ!」と言い切ります。胸を張って「なんかわからないやつと、それとわからないやつと、もう一個わからないやつ」と表現します。「わからないやつ」と言う言葉の言い方を変えることで、確実にそれぞれを表しているKくんを見て、すごいなぁと思ったのでした。
私たちの周りには「わからないやつ」がいっぱい。大人でもそうなんだから、子どもだったらもっと「わからないもの」だらけではないでしょうか。だから大変!なのではなくて、だから面白い!んでしょうね。
「なんだこれ?」と思いながら出会い、かかわる経験を重ねながら、それが何ものなのかということがだんだんわかっていく。そのために時間がたっぷりあるといいと思います。子どもたちが毎日たくさんの「なんかわからないやつ」と出会って、いろいろに感じる、そんな時間がたっぷりあることで、その子の言葉もゆっくり育つ、そんな風に思う私です。