フルート自励音の研究
フルート自励音の研究
フルートの楽音も自励現象だが、その発生機構は未解明であった。そこで無駄時間を伴う正帰還の自励モデルをフルートにも当て嵌めた。唄口を通過する呼気噴流は唄口エッジに衝突するまでに、開口部の粒子速度に影響されて噴流の軌跡が変化する。呼気噴流は音速より遅いので、唄口を通過する間に何度も粒子速度の影響を受け、衝突時には偏差が生じ、これが無駄時間を伴う呼気流入量となる。以上のダランベールの解を用いた時刻歴解析で、自励現象を定性的には説明できていた。今年度は、実験と対比して定量性を確認し、さらに伝達行列を用いた周波数解析でも自励現象モデルの妥当性を確認する。