吸音音場のBEM解析(1989-1990)
吸音音場のBEM解析(1989-1990)
吸音材を含む吸音音場の解析では、吸音材表面をインピーダンス境界条件とみなして音響インピーダンスを与えることが一般的であった。しかし乗用車車室の前席のように吸音材の背後に鋼板が裏打ちされない条件ではインピーダンス条件を適用することは困難で、吸音材も音波が伝搬する一つの媒質と考えて、多媒質問題として解く必要があった。前述のImproved two-cavity法で実験同定した複素密度と複素音速を使って境界要素法で吸音音場を解析した。
最初に直方体状の吸音材を空中に保持した2媒質の音場を境界要素法で解析し、実験と比較したが、共鳴周波数のピーク値も含めて、極めて良好な一致を得た。
次に吸音材を仕切り壁のようにした3媒質音場も計算したが、この場合も計算と実験は極めて良好に一致した。
米国Kentucky大に留学した時の2番目の研究成果である。