音響放射インピーダンス(音響則)
音響放射インピーダンス(音響則)
剛体ピストンの音響放射インピーダンス
放射インピーダンスの虚数部の意味は、テキストを読んでも、人に聞いても納得できない状況が会社時代20年以上続いた。実部は伝搬する波であり、こちらは問題ない。京大に異動してじっくり物を考える時間が取れるようになったので、取りあえず1次元音響管路を考えてみた。2ページに示すように、この場合、虚数部は明らかに反射に起因する定在波である。3次元の閉空間でも反射に伴う定在波と理解できる。3次元の開空間では、反射波は存在しないので定在波を使った説明は出来ない。で、思いついたのが3ページの図である。平面波から球面波に切り替わる接続面では、接続面上の全ての点が点音源となり、球面波が形成される。接続面上のある点で観測される音は、その点が放射した音と、他の点から伝わった音との和である。その点が放射した音は位相遅れ無しの実部を意味し、他の点から伝わる音は伝搬距離に応じた位相遅れを伴うことになる。自分以外の全ての点からの音の和が虚数部と解釈できる。他の点から伝わっている波なので、その点からの新たな伝搬を考える必要はなく、伝わらない波、すなわちエバネッセント波と言える。こう解釈して納得しているが、ここは「乞うご意見」である。