定常流を利用した多孔板の吸音
先に話した多孔板の速度2乗形減衰は大音圧を前提にする.定常流に微小音圧が乗った場合にも速度2乗形の減衰は生じる.自動車や列車などの自走する機械で,動圧の定常流を利用して多孔板を吸音材に利用できないか取り組んだ.基礎実験では多孔板を通過する定常流を流すことで目論見通りの吸音率が得られるが,大きさを持った多孔板で全面に一様な定常流を発生させることは難しいようで,計算した消音量が得られず,中断となった.