壁面蠕動を利用した流体輸送
壁面蠕動を利用した流体輸送
壁面蠕動ポンプの解析
MEMSの世界では壁面を振動させて内部の液体を輸送しようとする研究がおこなわれている。波動を専門とする立場からは、壁面の振動を定在波にするか、進行波にするか、進行波にする場合、壁の進行波速度と液体の波の伝搬速度との比率をどうするかは、コインシデンス現象との類推で興味のあるところである。当然だが、管路壁に定在波振動を与えても、波は生じるが液体は輸送されない。
セルオートマトン(CA) で、壁面振動と波の関係を検討した。波は一様管路では直進するが、断面積が変化する場所があると必ずそこで一部の波が反射する。壁が蠕動することは、波からすると進行方向の面積が時々刻々変わることを意味する。進む先の面積が常に一定、すなわち壁の蠕動運動の進行速度と波の伝搬速度が一致すると、一様管を進むことになり反射が存在しない。後退波は常に反射が起こり進行波に変わると、その先は反射せずに進むことになる。このような原理から、コインシデンス速度で波を大きくなり、体積速度で見ると流れも存在する。以上を計算と実験で比較している。完全には合わないまま、ペンディングとなっている。