エレベータロープ非接触ダンパの開発
エレベータロープ非接触ダンパの開発
新潟中越地震で長周期地震動が発生し,東京でエレベータロープが共振して壁に引っ掛かり,復旧まで日数を要したことがある.研究を始める前に,学会の場で国内の4大エレベータメーカの振動技術者にロープの損失係数を問い合わせたところ,押しなべておよそ1/10000と言われたので,その前提でロープ端部付近に非接触の減衰付与装置を設計した.結果は稀にみる大失敗に終わった.その原因を特定すべく,関大に移ってからも原因を研究していたが「 損失係数1/10000なんてあり得ない」と開発初期段階で見抜けなかった自分の不明を恥じている.1自由度系で同じ損失係数を考えると共振倍率は1万である.基礎変位振幅を10mmとすると質点の最大振幅は100mとなる.あり得ない前提で設計目標を決めてしまったことが失敗の原因である。続きは関大のところで示す。