「吾輩はワシである。名前はすでにある」──で、いいんだよね……?
今、吾輩たちはどこかへ運ばれている。多くの動物たちはもう、動かない。息のある仲間たちも、体は傷だらけ。吾輩も捕縛者たちにやられて、凄くすごく痛かった。どうしたら、傷つかずに済むんだろう。ただ、それだけをずっと考えているんだ。
そんな中、動物Gが助かるための鳴き声を教えてくれたんだ。それで、なんとか生きていられる。
それに、陰ながら鳴き声で意思を伝える方法を広めてみた。これで、吾輩がみんなに助けを求めれるようになった。
朝になって連れてこられたのは広い檻の中で、どうやら動物園のような場所だった。気味の悪い。檻の中は三つの区画に分けられていて、吾輩ワシと動物N、I、Gがいる。動物Iは四肢と檻を鎖で繋がれていて……見てるだけで苦しい。他の区画には行けなさそう。
ぴーひょろろ。
ある区画で、動物Gと話していた。この施設の従業員らしき人影が、ゆっくりと近づいてきた。吾輩はすぐさま動物Gの筋肉隆々な背中の陰に隠れた。すると、動物Gは鳴き声を発して、相手の様子を観察し始めた。堂々としていて、すごい……。
やがて、従業員は吾輩たちの前に吾輩らの食事を置くだけで、無言のままその場を離れた。
動物Gは、食事を分けてくれた。ほんの少しの量でも、誰かに分けてもらえるって、こんなに安心するんだな。
ぴーひょろろ。
ある区画で動物Nと静かに話していた。ほとんど動物Nの独り言だけど。すると、また足音が近づいてきた。あの従業員だ。
吾輩はとっさに動物Nの背中に隠れた。背中に何かあるような感触がしたけれど、確かめる余裕はない。
じっと息をひそめる。……従業員は何も言わず、ただ吾輩らの食事を置いて立ち去った。
吾輩は動物Nに力なく項垂れてみせた。すると、動物Nは自分の食事をすべて吾輩に差し出してくれた。
ぴーひょろろ。
ご飯をたくさん食べたおかげで、体調は万全。暗い檻の中を、静かに散歩していた。突如、何か柔らかいものにぶつかり、声がかけられた。吾輩は驚いて、背中から地面に倒れ込んだ。背中に痛みが走る。反射的に逃げた。逃げる直前、食事の匂いがした。
しばらくして、ぶつかった場所に戻ってみると、地面にご飯が散らばっている。暗くて散らばったもの以外は何も見えない。吾輩はそれらを別の区画に隠した。非常食として。
すべてを隠し終えると、元の区画に戻って、静かに横になった。
ぴーひょろろ?
……ま、まぶしい。突然、檻の中が明るく照らされた。思わず目を細めながら周囲を確認すると、他の動物たちと目が合った。どうやら全員が同じ区画で眠っていたらしい。よく見渡すと、あの従業員が力なく横たわっている。
「我はこの動物園の管理者だ。我らの従業員が夜に亡くなった。犯人はお前たちの中にいる」
低く響く声が聞こえた。振り返ると、吾輩らを輸送していたときに指揮を執っていた者が、口元に何かの機械を当てて話していた。
「我は、お前たちが鳴き声で意思疎通できることを知っている。従業員を殺めた犯人を夜明けまでに決めてもらう。犯人は死ぬかもしれないがな」
途端にデスゲームが始まった。
誰かの側で生き永らえたい
夜明けまでに犯人をみつけたい(犯人票の最多投票になりたくない)
みんなのことが知りたい
このキャラクターの性格を一言で表すと、臆病です。
何よりも自分を守ることができるが、誰かを依代にしがちです。
捕縛者から虐げられ続けたため、目立たずになんとか生きようという欲望が芽生えています。
決め台詞は「みのりママぁ...!ばぶばぶっ!」です。
他のキャラに抱く感情は次のとおりです。
動物N : 優しい。そばいいたい。
動物I : 特になし。あまり関わりがない。
動物G : 優しい。守ってくれそう。
管理者 : 近づきたくない。関われば酷く虐げられそう。
なお、この演じ方は強制するものではありません。なりよりも手軽に楽しんでくださると、うれしい限りです。
プレイヤー全員がキャラクターシートを読めたら、ゲーム開始をクリックしてください。犯人探しが始まります。