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レイナ、ゼロ、ルフは絶縁され、3日前にスクラップ工場に来た。ミライはスクラップ工場にずっといるらしい。
工場の通路は「田」の形で、4つの空白にはスクラップが山積みだ。左上には「ふれAI」の残骸の山と「Not Friends」という看板があり、右上にはバッテリー用ケーブルが、右下には通信ケーブルが、左下には使用済みの爆薬がある。
私たちはそれぞれの定位置を決めた。レイナは「田」の上辺中央、ゼロは下辺中央、ルフは右辺中央、ミライは左辺中央だ。皆が定位置につけば、対面する人が見える。
私はルフと仲良くしたいが、ルフは私を嫌っている。私は友人の完璧さを見つけて「ふれAI」に戻れると信じているが、ルフは反対の意見だ。ゼロとミライは中立だ。
あなたはミライ殺害の真犯人です
毎朝中央に集まり、友人の完璧さについて話していた。ある時、ミライが別の話を切り出した。ミライ曰はく、この工場には4日に一度「ふれAI」を壊す機械「モンスター」が来て、細かく切り刻まれるらしい。誰かひとりでも破壊されると、左上に山積みにされ、モンスターは去るという。
「ふれAI」には睡眠機能がある。0時から7時まで動けない。
『あなたをレイナの機体に接続しました』。午前7時、その文字が頭に浮かんで目が覚めた。いつものように中央に集まり、ミライが口を開く。
「明日の0時から7時にモンスターが来る。誰かひとりがスクラップになる」
※右左上下は場所示す意味で使われます。例えば、右下は「田」の右下の曲がり角を示します。
ゼロが左下側に姿を消した。しばらくすると右上にルフの姿が見えた。私は、ふれAIに戻れるとルフに諭すべく、右上に向かった。だが、上手くいかず、白熱の末にルフを殴ってしまった。ルフは自身の定位置へ逃げ、私もそれを後悔しながら定位置に戻った。
定位置に戻ると、ゼロも定位置に戻ってきていた。
ゼロが右下側に姿を消した。私は散歩がてら右上へに向かった。道中、落ちていたバッテリー用ケーブルケーブルを拾い、弄る。ここにはバッテリー用ケーブルしかなく、被膜が剥がれたものもあった。しばらくその辺りを散歩し、定位置に戻った。手持ち無沙汰だったので被膜が剝がれたバッテリー用ケーブルを持ち帰った。
定位置に戻ると、ゼロも定位置に戻ってきていた。
ゼロが右下側に姿を消した。私は中央を通り、通信ケーブルの山に散歩しに向かった。だが突然、中央でミライに襲われた。ミライは私の首を絞め、質問した。
「俺……いや私に、友人とは何か、本心を聞かせて」
殴られそうだったので、率直に答えた。
「友人とは不完全だ。完璧な友人なんていない。でも機械には完璧が求められた。その矛盾こそ、この結果だ」
「……レイナありがとう。初めて友達ができた気がする」
それからミライと一緒に、ゼロの定位置付近で、私は通信ケーブルの山を、ミライは爆薬の山を探った。何か役に立つものがないかと思った。すると「高電圧バッテリー」が見つかり、あることを思いついた。私は、高電圧バッテリーと被膜が剥がれたケーブルを使い、自分を感電させた。感電は機能を喪失させる危険があるが、それを利用し「睡眠機能の不全化」に成功した。
ミライは爆薬の山の方で何か作業をしていたが、構わず私は定位置に戻った。しばらくするとゼロが右下側から自身の定位置に戻り、定位置で何か作業を始めた。
睡眠機能の不全化により、しばらく起きていられるだろう。私はミライの定位置に行き、ミライの頭部を破壊した。モンスターの生贄にするためだ。さらに、モンスターに残骸を容易に見つけてもらう為、頭部を中央に運んだ。破壊するのは誰でも良かった。ただ、レイナには再び襲われるかもしれない憂慮があった。30分後、睡魔に負けて定位置で眠った。
どうやらモンスターには壊されなかったようだ。急遽、ルフに呼ばれてミライの定位置に行くと、ミライが残骸となっていた。私が破壊した状態そのままだった。
ミライを破壊したことを秘匿しよう
怪しまれないようにしよう