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付加体試料サンプリング@房総半島

2023年5月末のJpGUの後に付加体の堆積岩試料を取るために房総半島の先端まで行ってきました。房総半島には新第三紀に付加したとても新しい付加体が見られます。房総の岩石は高知の四万十帯とはうってかわり岩石がとても生っぽくてとても付加体だとは思えなかったです。 サンプリングには現岡﨑研メンバーだけでなく旧岡﨑研メンバーと京大別府の澤山さんも参加してくれました。

オマーン調査2023

2023年の2月後半から3月前半にかけてオマーンへ調査に行ってきました。片山さんについて行って人生初(もしくは進級論文以来?)の本格地質調査を経験。オフィオライトのマントル、モホ遷移層、はんれい岩、シート状岩脈群、玄武岩まで徒歩で海洋プレートの層構造を縦断しました。気温も高く日陰もほぼなく厳しい調査で痩せると思いきやオマーンの食事がおいしくて太って帰ってきました。。。

写真下の川底に露出しているのはオフィオライト下層の蛇紋岩に炭酸塩の脈が大量に入った露頭。上に厚く積もった堆積岩が川によって大きく削られていてグランドキャニオンみたいでした。その蛇紋岩中の炭酸塩の脈の数や長さや方向や厚さを調査しました。

オマーン-ちきゅうで測定を一緒にしていたオマーンの方がオマーンの資源エネルギー省の役人だったらしく調査の挨拶で役所を訪れた際に数年ぶりに再会しました。知り合いですごく助かった。。。

巡検B2022@室戸岬

広島大学の学部2年生の授業(巡検B)で室戸岬に行ってきました。付加体の砂泥互層をドローンで上から撮ると綺麗でした。海底に積もった堆積物が沈み込み帯で付加して地表に露出しているとは不思議ですね。

海洋地殻ーマントル 遷移帯@オマーン

海洋プレートの化石”オフィオライト”が大規模に露出している中東のオマーンへ、国際会議参加のため行ってきました (1/11/2020-1/16/2020)。発表は(笑い的な意味で)人生で一番受けたが時間を大幅オーバーして反省。写真は会議後の巡検で行った場所で、上から海洋地殻のはんれい岩、遷移帯のダナイト(ほぼカンラン石)、マントル 部であるハルツバージャイト(カンラン石+斜方輝石)が連続で露出しています。写真で見ると表面の風化が激しくよくわかりませんが、近くで見ると岩相の違いが見えます。掘削コアがいかに新鮮かを実感しました。出発直前に中東情勢が悪化したり、滞在中に国王が崩御されたり、大雨で道路が冠水したりしましたが、特に混乱はなく楽しめました。巡検では未舗装路をひたすら走り川を越え冒険気分でした。オマーンはいい国です。治安もいいです。世界中の研究者が研究フィールドとして調査している理由がわかりました。

Griggs型固体圧変形試験機@JAMSTECコア研→Hiroshima University

現在調整中の新しいGriggs型試験機。下の写真のBrown大の試験機を元にモダンにアップデート。うまくいけば沈み込み帯プレート境界型地震発生域の下限やスロー地震発生域のような高温高圧高間隙水圧環境を再現した変形実験が可能。JAMSTECコア研時代に製作し、広島大学へ持ってきました(協力していただいた皆さま大変ありがとうございました)。

ICDP Oman DP 掘削現場@オマーン

ICDP Oman Drilling Project Phase 2のコア掘削に参加するために、オマーンへ行ってきました(12/1/2017–12/16/2017)。

2019夏にまたちきゅうでコア解析も行いました。写真は掘削サイトCM2を山上から撮った写真です。掘削では掘削サイトへ続く道を作るところから始めたとか。。。でも道はないのに掘削現場周辺には古代(?)の銅精錬の残渣(スラグ?)のようなものが散らばっていて歴史を感じました。

ヘリデッキ@ちきゅう

ICDP Oman Drilling Project Phase 1のコア記載に参加するために、2017年7月15日から8月31日まで(停泊中の)地球深部探査船「ちきゅう」に乗船しました。

ちきゅうオマーンプロジェクト日本語ページに乗船レポートを掲載していただきました(https://www.mantledrilling.org 日記1 日記2)。

2018年にも再度乗船し、コア解析を行いました。








Griggs型固体圧変形試験機@Brown University

Griggsという人が開発した試験機なのでGriggs型と呼ばれる岩石変形試験機。約50年前に作られた古い試験機だけど未だ現役。割と簡単かつ安全に安定して高温・高圧(1200˚C, 20000気圧くらい)が再現できるのでアイデアと少しの改良で最先端の研究ができる(と信じています)。ブラウン大学にはほぼ同型の試験機が3台ありますが、そのうちの一台を4年間愛用。ポスドク時代のボスの一人のTerry TullisはGriggsの元学生で、Griggsの強烈なエピソードをたくさん教えてくれました。







固体圧変形試験機の試料アセンブリ

固体圧試験機の低温用(~900˚C)の試料アセンブリ。工作です。センスと経験の差が出ます。写真左の銅の円盤が直径25mm。



汗見川沿いにある緑簾石青色片岩(高知県)

ここも地質的には三波川変成帯に属している。いわゆる三波川変成帯本体。もともとは海底で噴出した玄武岩質の枕状溶岩が地下20kmくらいまで沈みこんで変成作用を受けた後に地表まで上昇してきたものと言われているが実は諸説あるらしい。藍閃石片岩と緑閃石片岩が青と緑の縞模様を作っている。三波川変成帯は地温勾配が大きかった(暖かい沈み込み帯だった)らしく基本的には緑色片岩が主で、青色片岩が出ても緑簾石青色片岩である。冷たい沈み込み帯(今の東北日本など)の地下の海洋地殻はこれらの岩石ではなくローソン石青色片岩でできているはずである(化学組成は同じだが、鉱物組み合わせが異なる)。

フランシスカン帯タルク露頭(アメリカカリフォルニア州)

フランシスカン帯も日本の三波川変成帯同様に海溝から一度沈みこんだ岩石が地下の高温高圧で変成作用を被った後に上昇してきた付加体に相当する。ここでは泥岩(海洋性堆積物:写真右上の黒い部分)と蛇紋岩(含水したマントル物質:写真左下の緑の部分)が接している境界で化学反応が起こりタルク(写真ではオレンジだけど本当は白い。化粧品とかベビーパウダーとかに入っている)が形成されている。まさにHirauchi et al., (2012, Geology: 写真に写っているのが筆頭著者の平内さん)が実験で再現したそのままである。タルクの日本語名は滑石、ここの露頭は雨の日にめちゃくちゃ滑るので危険です。




ガス圧式高温高圧変形透水試験機@広島大学

海外ではPaterson型のガス圧式高温高圧変形試験機が購入できるが(もう製作されていないので購入できなくなったとのこと)、日本では高圧ガス保安法によってガス圧試験機が実質輸入ができないので修士の指導教官であった嶋本さんが基本設計をして日本の法律に通るようにして作った試験機(実際の製造は(株)プレテック)。でも自分が実際に使い始めたのは博士課程に進学して片山研に移って以降。D論のために最初にやった仕事はこの試験機のサビ取りを片山さんと一緒にやったことだった。Paterson型に比べて色々なことができて拡張性にも優れる反面ちょっと使いにくい。そこらへんに設計者の性格(哲学?)があらわれている。一応尊敬の念もこめてShimamoto型ガス圧変形試験機と呼びたいところではある。







ガス圧試験機のアセンブリ周辺

現状では最大圧力200MPa(2000気圧), 最大温度800˚C程度。ガス圧使って温度・圧力を上げる時は爆発しないかドキドキします。






Wallace Creek, San Andreas Fault(アメリカ、カリフォルニア州)

サンアンドレアス断層。もともとまっすぐだった川が地震時の断層運動によってクランク状に曲がってしまっている。サンアンドレアス断層はプレート境界に存在するトランスフォーム断層である。写真の左側は太平洋プレートで写真の右側は北アメリカプレートで川がプレート境界。