カネタク牧場in25周年RPTQ

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Ⅰ.数ヶ月前、とある中年がRPTQ参加権利を獲得した。

事の始まりは2018年3月18日にまで遡る。

驚異的なPPTQトップ8率を誇りながらも、要所でのミスが目立ち(※1)あと一歩及ばないことが多い吉田。しかし今日の彼は違っていた。シールドラウンド1位抜けの勢いそのままに決勝ラウンドを制覇、ついに悲願のPPTQ突破を果たし勝鬨の声をあげた。

さて、吉田が権利獲得したのは25周年記念プロツアーのRPTQなのであるが、実はフォーマットが「3人チームスタンダード」なのである。味方のチームメイトの能力が文字通り結果に直結する。強く、それだけではなく共に楽しくチームプレイができる仲間が必要だ。

吉田は熟考の末、カネタク牧場メンバーであり確かなプレイングスキルを持つ松原、同じくカネタク牧場所属でMTGに並々ならぬ情熱を燃やす長谷川をパートナーに任命した。


(※1) 吉田はPPTQ決勝戦において、優先権パスしてステップ跨ぎさえすれば勝利の盤面で投了したことがある。

Ⅱ.新時代の新しい顔ぶれ。

ここで今回RPTQに参加するメンバーを簡単に紹介しておこう。

「シベリアの猪」吉田

直近の主な戦績:

・PPTQ マジック25周年プロツアー 突破

・第7回ドラフトマニア 準優勝

惜しくも王者のタイトルにはあと一歩届かなかったものの、ドラフトマニアで渡辺雄也・井川良彦らを破った活躍は記憶に新しい。若かりし頃のトップ力は鳴りを潜めている感があるものの、代わりに得た老練な判断力でドラフト・シールドを中心に活躍している。どちらかというとスタンダードは苦手とする吉田だが、此度のRPTQをどのように切り抜けていくのか。

余談ではあるが根っからのギャンブラーでもある吉田はパック勝負が大好き。よく友人の宗田と人目を憚らず勝負に興じている。

「最もプロツアーに近い男」長谷川

直近の主な戦績:

・RPTQ イクサランの相克 出場

・Limited PTQ Preliminary イクサランの相克 突破

牧場随一のやりこみ勢である長谷川。実は彼は牧場初期メンバーである松原の小学校時代の同級生である。松原が吉田とともに茨城のPPTQに遠征した際に偶然の再開を果たし、それ以来カネタク牧場に参加している。

また、その日長谷川はたった2回目のPPTQ参加にも関わらずトップ8入りを果たしており、当時から才能の片鱗を伺わせていた。最近はエターナルにも手を出し始めているようで、いよいよもってMTGの沼にドップリ浸かってきた様子である。発言の節々からガチ勢感が溢れる彼の活躍に期待したい。

松原(弱)

直近の主な戦績:

・第7回ドラフトマニア 初日4-2敗退

・5月クラン内ランキング 1位

プロツアーにはあまり興味がない松原だが、真面目にスタンやってくれそうな人が他にいないという理由でメンバーに選出された。その人当たりの良さでチームの精神的支柱としての役割を担う。

プリコネガチ勢でもある松原は、『吉田彰布♂』というプレイヤー名を引っさげてランドソル内で存在感を放っている。重課金税を抑えてクランバトルで見事チーム内1位に輝くなど、ゲーム全般に対するセンスをいかんなく発揮している。ちなみに3位の『アキノブ』は筆者のアカウントである。

Ⅲ.権利獲得すること自体は簡単だ。RPTQに参加することの方が難しい場合もある。

今回のチームRPTQであるが、とある事情で開催前から物議を醸しだしていた。

国内で開催されたPPTQの優勝者は177名。国内のシルバー以下のプロポイント所有者は49名。合計226チームの参加権利所有者がいるのだが・・・


RPTQ東京大会:定員 111チーム

RPTQ大阪大会:定員 96チーム


定員の合計は207チーム。そう、枠が足りないのである。これにより「権利を持っているにも関わらずRPTQに出られない」プレイヤーが続出。彼らの叫びは主にTwitter上でこだましていた。

俺もそう思う。

我らが牧場メンバーはこの危機をいち早く察知、15,000円を生贄に大会参加資格を無事獲得していた。だいたい7,000円くらいする貴族の教主プロモを5,000円で買えたのなら実質アドと自分たちを慰めつつ、3人はデッキ構築に取り組むのであった。


Ⅳ.俺たちの心の熱さが、表面に出てくることがあるのだ。

無事0回戦を突破した牧場メンバーは、専用のLINEグループを作りデッキ調整を行っていた。

お互いの強みを考慮した緻密な役割分担の結果、まず初期案で吉田は青白コントロール、長谷川は赤単、松原は黒単を使うこととなった。以前に伝承の塔コントロールを使ってGPで惜敗(1-4)した吉田だが、学習していないのかあえてコントロールを選択したようだ。

フィールドワークに余念がない長谷川を中心に、調整自体は割と真面目にやり込んだ牧場メンバー。RPTQ1週間前のチームスタンダード大会でも準優勝というまずまずの成績を残した。しかし、この成果に満足する長谷川ではなかった。

最後の最後まで入念に候補となるデッキを検討し続ける牧場メンバー。大会での成果を加味してデッキ変更を検討しているようだ。最後の調整会は土曜に開催される運びとなった。

調整用の赤黒デッキとスパーリング用の赤単プロキシデッキで相性差やサイドボードの検討を行う長谷川と松原。この日長谷川は複数の候補デッキを用意しており、僭越ながら筆者も緑黒コンストリクターを使って調整スパーリングの相手を担当させて頂いた。

グランプリ千葉16の前日にモミールベーシックを回しまくっていた山本賢太郎をリスペクトし、あえてバトルボンドをプレイする牧場メンバー。やるべきことはすべてやった、あとは天命を待つのみと言わんばかりだ。最終的に牧場メンバーは以下の3つのレシピを作り上げた。

吉田は当初の予定通り青白コントロールを選択。

プレイの選択肢が増えるという問題点を抱える奔流の機械巨人を不採用とし、選択肢が少ない吉田に優しい青白となっている。さすがは吉田、以前の失敗から着実に学び成長を続けているようだ。

残念ながら土曜の調整会において、このデッキは緑系デッキに対しサイド後の勝率が低いという問題点が判明している。果たして吉田は自身のプレイスキルでデッキの弱点をカバーすることができるか。

長谷川は言わずと知れた環境最強デッキ、赤黒を選択。

赤にしては異常に肉厚で場持ちのいい4~5マナ生物、アドが取れて除去もできるプレインズウォーカー、すべてのタフ1生物の人権を奪った禁止候補筆頭ゴブリンなどを採用した、文句なしのTier1デッキである。

非常にプレイングの難しく乗り手の手腕が問われるこのデッキを託された長谷川、その重荷に耐えて勝利を掴んでくれることを期待したい。

松原は自分の半身ともいえる黒を棄て緑単色デッキを選択。

そりゃ1-5とかしたら黒単を捨てたくもなるよね。複数のパターンから3Tガルタをキャストできる構成で「割のいい運ゲー」を仕掛けていく構えだ。どちらかといえば回すのが簡単な部類に入るデッキではあるが、松原ならではのプレイングセンスでデッキの真価を引き出してくれることだろう。

スパーリングでは青白系、赤系デッキに対してなかなかの高勝率をたたき出していたこのデッキで、松原はチームの稼ぎ頭となることができるか。

Ⅴ.どの大冒険にも最初の一歩がある。

瞬く間に時は流れ、2018年6月10日、ついに当日。

「もうMTG強いやつしかMTGやってない」と評されるほどに成熟したトーナメントシーン。RPTQ参加者も往年の名選手から期待の新鋭まで豪華な顔ぶれが揃っている。ジョニーのお店にスポンサードを受けている高尾翔太、BIG MAGIC ELDERの浅原晃、BIGsの松原(強)など・・・この中で2チームしかプロツアーに行けないとか、MTGまじ苦行である。津村健志や瀧村和幸などのトッププロがプロツアーをチェインしたことで不参加となっているのがせめてもの救いか。

いつも通りといえばいつも通りなのだが、プレーオフ進出には5-0-2または6-1が必要、2敗は目ナシという非常に厳しい条件となっている。準プロプレイヤーがひしめく本大会では正直無理ゲーなので、パックが貰える4-3あたりを目指して頑張ってもらいたい。

さて、今回は総試合数が多く全試合の詳細な展開を記載するのは面倒冗長であるため、カバレージは要約のみでお送りしたい。

第一回戦

いきなりRPTQの洗礼を受ける牧場メンバー。

吉田は1戦目を落としてしまったのが痛く、もともとサイド後は不利と分かっていた緑黒にうまく対策カードを使われて2連敗を喫した。松原は運ゲーで良い出目を二回引けて辛くも勝利。長谷川は土地事故とマリガンという不運に見舞われ、実力を発揮できなかった形だ。

既に戦意喪失気味の吉田。ドラフトに逃避しようと試みている。

しかしまだ彼らの戦いは終わっていない。背水の陣を強いられた牧場メンバーの快進撃が、これから始まる。

第二回戦

まあ大方の予想通り光速で0-2した牧場メンバー。知ってた。

それ以降

その後も思い出作りで大会を続けた牧場メンバーだが、6戦目の引き分けで賞品の目がなくなったところで相手にトスしてドロップ。

以降、ダイジェスト。

第二試合で自分が負けて暇になった松原、おもむろにプリコネを始める。

当然電子機器の利用は禁止なので対戦相手に注意され、潔白を証明するために「以降一切チームメイトにアドバイスしない」という条件を課されるハメになったのであった。

普段では考えられないようなミスを繰り返す牧場メンバー。

これがRPTQの魔力か。

第五回戦で浅原=ゼウス=晃と対戦する長谷川。ちなみに試合は負け。

試合前にみんなで握手してもらいました。いい思い出になった。

Ⅵ.これは私の長年の夢みたいなものね。

夢は叶わぬ故に夢。こうして牧場メンバーの戦いは終わった。

吉田の2-3-1という戦績には、格上相手にまったく勝てない彼の特徴が色濃く表れているといえるだろう。

松原は何とか3-3にまとめあげ、傭兵としての面目を保った。環境最強の赤系デッキと4回当たっていることを考えると、上々の成果といえるだろう。

赤黒を駆った長谷川も同じく3-3。全体的に大型クリーチャーの引きに恵まれなかったが、繊細なプレイングで何とか勝率50%をキープした。


RPTQの壁は厚く、惜しくもなんともない敗北を喫した牧場メンバー。しかし彼らの戦いはまだ続く。そのうち長谷川あたりがひょっこりPTに出場して牧場を賑わしてくれるかもしれない。彼らの今後の活躍に期待しよう。


最後にはなるが、カネタク牧場は毎週~隔週でドラフト卓を立てている。主な活動拠点はバトロコ高田馬場だ。もしこのカバレージでカネタク牧場に興味を持った奇特なプレイヤーがいたら、ぜひ声をかけてもらいたい(※2)。支配者階級が新人をすぐボコボコにして心を折ってしまうため、カネタク牧場では常に新しいメンバーを募集している。


(※2) もし本当に連絡取りたいという方がおられましたら カネタク牧場広報担当 アベ (fountainofwizdom@gmail.com) までご連絡をお願いいたします。この記事に関する苦情等も受け付けております。