カネタク牧場MC上陸
# 身内ネタです。特有の悪ノリを含みますがご容赦ください。
# ライターのクォリティには期待しないで下さい。
【はじめに】
本記事は、カネタク牧場にスポンサードされている田澤雅之選手をフィーチャーした記事となっております。田澤選手のことを知らない人が読んでもあまり面白くないと思うのでご注意ください。(1)牧場からスポンサードを受けるまでの顛末(2)旅路でのあれこれ(3)MCⅣのテキストカバレージ、の3部構成となっております。
Ⅰ.田澤雅之実質スポンサード選手化計画
2019年3月24日、スタンダードで開催されたMF京都。カネタク牧場からは5人のメンバーが参加していた。
ショニポンした他の牧場勢が宿に残って桃太郎電鉄に興じる一方、一人2日目へと駒を進めていた田澤は見事に13-2という好成績を記録し、念願のMC出場権をその手中に収めた。
MCバルセロナ行きの切符を手に入れた田澤だったが、今度はバルセロナ行きの切符を手に入れる必要がある。MtGは得意でもお金を貯めるという技能にはやや苦手意識のある田澤、トロンを売り払うほどに困窮していた。
だがそれも致し方のないことではあった。我々MtGプレイヤーにとって、最も資金を必要とする要素はカードでも大会参加費でもなく、遠征費である。実際、プロツアー参加権利を得ても旅費の問題で参加を断念するプレイヤーは国内外でかなりの数に上る。
松原の一言を発端に、田澤を実質スポンサードプロ化する計画が発足した。
カネタク牧場は企業でもなんでもないただのドラフトコミュニティなので、クラウドファンディング形式の形でスポンサー契約料を収集した。スポンサードを受ける代わりに田澤には「チームTシャツを着て大会に参加し、牧場の名を広く世に知らしめる」という使命が課せられた。支援者の募集とともに牧場Tシャツの製作が急ピッチで進む。
Tシャツのデザインは様々な案を検討した結果、GP静岡2017で1-4ドロップした吉田を正面にあしらったデザインが採用された。また、カンパについてもそれなりの支援者が集まり、Hareruya Hopesの年収ほどではないにしろ田澤に少しばかりの支度金を渡すことができた。
そして6/2日、田澤はカネタク牧場と正式に契約書を交わし、実質スポンサード選手となった。その際の契約選手インタビューはこちらからご覧いただける。
Ⅱ.アトランタ(バルセロナ)
※ アトランタとはMTG用語で、交通関連のトラブルでPT出場に失敗することを指す。
その後、GP台北参加・転職・引越しなどで自身の財布に更なるダメージを加えながら、田澤はMC参加への準備を着々と進めた。《黄泉からの橋》禁止後のモダンでバーンを中心に調整を進めていた田澤は、MCの直前に開催されたモダン神予選で9位というなかなかの成績を収めていた。直近のモダンチャレンジでもバーンが2,3位に輝くなど、マークされさえなければMCにおいてバーンが正解となる見込みは十分にあった。
そして7月23日。カネタク牧場メンバーの暖かい声援を背に、田澤はバルセロナへと旅立った。
日本からオランダへ約9400kmの移動を終えて一息つく田澤に対し、要らぬフラグを立てる阿部。
オランダはアムステルダムからバルセロナまでは残り1200km。無料じゃないラウンジに突っ込んでアドを吸われたりしながら旅路を楽しんでいた田澤だったが、不運にも「あの事件」に遭遇してしまう。
スキポール空港の給油システムの電源系統に不具合が発生し、全体で最終的に180ものフライトがキャンセルとなった大事件である。田澤のスキポール発バルセロナ着の便も欠航となり、旅程に突如として暗雲が立ち込める。田澤と同様のルートでMCへ参加を計画していたプレイヤーは多く、MtG関連タイムラインは阿鼻叫喚の渦に飲み込まれた。
ここからのリカバリには田澤もメチャメチャ苦労したのだが、この部分の詳細は田澤本人の手記でご覧頂きたい(近日公開予定)。
Ⅲ.ゼロ回戦突破の果てに
Day1
壮絶な0開戦を闘い抜いた田澤は、ついにMC会場へと到達した。
ミシックチャンピオンシップDay1では、モダンホライゾンドラフト3回戦ののちモダン5回戦が行われる。
カネタク牧場メンバー内でのドラフト戦績は平均よりやや下くらいではあるが、モダンホライゾンは比較的得意な田澤。殺意のある生物やスペルが多く序中盤からリーサルを狙える赤を得意としており、練習段階では「赤決め打ち」にかなり近いピック戦略で好成績を残していた。
PetrSochurek、Lee Shi Tian、難波 直也といった実績と実力を兼ね備えたプレイヤーたちが集うドラフトポッドで、田澤は1-1《否定の力》から軽量レンジの青赤ドローをまとめ上げた。
[1日目 ドラフト3ラウンド]
vs Kale Orrmons 2-1
vs Petr Schurek 1-2
vs Kristof Prinz 2-1
総合成績 2-1
「忍術解決後からダメージ解決までに優先権が発生することを知らない」「1/3接死に2/3二段攻撃で突っ込む」など怪しいプレイングが目立つ田澤であったが、自身と相性の良いデッキに助けられ、強豪ひしめくPod22で2-1という奇跡の好成績を残した。
Day1は残すところモダン5ラウンド、2勝を達成すれば2日目への扉が開かれる。
トロンを売り払ったので持ってるモダンデッキがバーンしかないため田澤はバーンを選択。BIG MAGIC OPEN ベスト4に入った際にも使用していた、田澤にとって歴戦の相棒ともいえるデッキだ。
バーンとしては比較的オーソドックスな構成。ルールのため正確なサイドボード枚数が記載されていたいことに注意されたい。(教えてくださった高尾翔太選手、ありがとうございました。)
[1日目 モダン5ラウンド]
vs Rei Sato 2-1
vs Erich Hellauer 2-1
vs Simone Giovannetti 1-2
vs Daniel Fournier 2-1
vs Sergio Garcia Gonzalez 0-2
総合成績 5-3
Magic Pro League所属の佐藤レイを打ち破る快挙で田澤はモダンラウンドを3-2で切り抜け、2日目に望みを繋いだ。モダンを得意とする田澤にとってはやや不満の残る戦績だったようだが、それでもミシックチャンピオンシップDay1突破は快挙である。Day2でも持ち前の思い切りの良さで頑張って貰いたい。
公式カバレージのルーキー特集に登場する、かなり疲労の色が濃い表情を浮かべた田澤。カネタク牧場の名が広く世に知れ渡った瞬間でもある。ちなみにこっちは大人しめのデザインのTシャツである。
Day2
Day1と同様、モダンホライゾンドラフトへと臨む田澤。
《煙の覆い》3枚だが最初から回避能力を持っている《幻影の忍者》しか忍者がいない、クリーチャー依存スペルは多いが、クリーチャー枚数は少ない・・・と絶妙に噛みあわないドラフトデッキを作り上げた。控えめに言っても0-3を覚悟する必要があるデッキだが・・・
[2日目 ドラフト3ラウンド]
vs Mattia Rizzi 0-2
vs Eduardo Rodrigez 2-0
vs Piotr Glogowski 1-2
総合成績 6-5
田澤は何とかこれを1-2にまとめ上げ、5-0縛りながらもMC参加権利チェインに望みを繋げた。
[2日目 モダン5ラウンド]
Samuel Black 1-2
Johan Prinzell 2-1
Michael Cochran 2-1
Alter Sadovnic Moran 2-0
Matti Kuisma 1-2
総合成績 9-7
しかし、プロの壁は厚かった。初日に佐藤レイを撃破という快挙を成し遂げはしたものの、Petr Schurek、Piotr Glogowski、Samuel Blackといったほかのトッププロには順当に敗北。総合成績9−7、122位で初めてのMCを終えた。
Ⅳ.最後に
今回、田澤は初のMC参加で勝ち越しという望外の好成績を残した。
のちに田澤は「メタに合わせた構築をせずに慣れた75枚を使ってしまったことで1勝を失った」と語った。デッキ構築にせよプレイングにせよ、まだまだ発展途上の田澤。2回目3回目のMC出場に向けて決意を新たにした模様だ。
しかし、何といっても最大の決戦は0回戦であった。もちろん田澤本人の努力の成果ではあるが、見ず知らずの田澤に対し救いの手を差し伸べてくれた細川プロの存在が非常に大きかった試合だったことは間違いない。細川プロがいなければ、田澤は確実にアトランタしていたであろう。牧場一同、いや、田澤の友人一同、細川プロに心よりの感謝を申し上げたい。
最後に、牧場ではチームTシャツの販売を行っている。田澤が着用した牧場Tシャツに興味がおありの方は、お気軽に広報担当(fountainofwizdom@gmail.com)までご連絡頂きたい。