第9回 地域・産学連携推進室、COCにインタビュー!

前回の「大学で働く人に聞いてみた!」企画で、入試室にインタビューをさせていただきました。

今回は地域・産学連携推進室とCOC(「ふじのくに」みらい共育センター)にインタビュー!

地域や企業と連携活動を行い、お仕事をなさっている職員の方々。

さっそく覗いてみましょう!✨

地域・産学連携推進室

今回は産学官連携活動の総括を行っている、地域・産学連携推進の室長である澤井さんにお話を伺いました。

1.県大のホームページによると、地域・産学連携推進室の業務は以下の通りと掲載されていますが、これ以外にも行っている業務はありますか?

【地域・産学連携推進室業務内容】(県大ホームページより)

産学連携(外部資金の受入など・特許の許諾)、科学研究費補助金・グローバルCOE補助金・厚生労働科学研究費補助金などのとりまとめ

地域・産学連携推進室では、大学と企業をつなぐ仕事をしています。ホームページの記載と重なりますが、「県大の研究を活かして商品をつくりたい」というお話を企業からいただき、企業のニーズに合う先生がいるのか、共同研究等ができないか調整するなどの業務をしています。また、その研究が発明となった場合には、特許の申請をし、その技術を企業に使ってもらうなど、企業とより深く連携した活動も行っています。また、日本学術振興会の科学研究費助成事業に係る事務なども行っています。さらに、先生方の研究を企業にPRするための冊子「産学官連携研究シーズ集」という冊子を制作し、企業に配布するなど、大学側のシーズと企業側のニーズとのマッチングを図る活動も行っています。 

2.地域・産学連携推進室での地域と産学の組織構成を教えていただきたいです。

当室は、「地域貢献」を行う職員と、「産学連携」を行う職員とに分かれています。「地域貢献」は、地域貢献コーディネーターである小山さんが県内自治体などと連携した地域貢献活動を行っています。また、「産学連携」は、私が、産学官連携コーディネーターを始めとする職員とともに、企業との連携活動等を行っています。


3.業務内容が多岐にわたると思いますが、どれくらいの数の担当がございますか。 

1でお話ししたような業務をどう数えるかにもよるのですが、50を超える業務を担当しています。


4.新型コロナウイルス感染症の影響でこれまでの業務と変化はございましたか。

あまり大きな変化はなかったと思います。ただ、例えば、食品製造業は、コロナ禍による巣ごもり需要が高まり、当室がお手伝いさせていただく機会が増えたように思います。他方、企業の方と会う活動は、オンラインにシフトしたり、数が減ったりしてしまいました。オンラインですと、言葉にできない部分での、相手の方とのコミュニケーションがとりづらいこともあり難しい面がありました。


5.どのような問い合わせがございますか。

やはり、企業との窓口になっているので、企業からの相談が多いです。詳しいことは説明できませんが、「県大の研究を企業の商品開発に活かしたい」という相談が多いと思います。また、県内企業だけでなく、県外企業の方からもたくさんのお問合せをいただいています。


6.科目等履修生や研究生、社会人聴講生の講座はどのようにして決められますか。

基本的には、こうした講座は、広報・企画室が担当しています。当室が担当しているものでは、

「知的財産管理入門」と、健康食イノベーション推進事業による健康イノベーション教育プログラムがあります。


7.学生が地域・産学連携推進室と関わっていることは何かございますか。

「産学連携」では、学生というよりは、教員と関わる機会がほとんどだと思います。ただ、6で紹介した「知的財産管理入門」という事業は、特許や商標などの知的財産権の基本的な知識を学ぶ講座で、ここでは学生と関わることがあります。(この講座は、社会人聴講生の受講も可能です)


8.「健康食イノベーション推進事業」について詳しく教えていただきたいです。

これは、内閣府の地方創生推進交付金というものがあり、静岡県から補助金等の交付を受けて行っている事業です。わかりやすくいうと、「健康食でイノベーションを起こそう!」という取り組みです。静岡県は、野菜や果物、水産物が豊富で、食品加工にかかわる企業も多いので、地元静岡の食材を使って、新しいビジネスモデルを創出することを目的にしています。この「健康食イノベーション推進事業」のうち、本学が関わっている事業は、「機能性開発プラットフォームの強化」、「データヘルス・リビングラボ静岡の構築」、「健康イノベーション教育プログラムの実施」の3つに分けられます。「機能性開発プラットフォームの強化」では、農水産物及び加工食品に含まれる機能性及び素材に関するデーターベースを構築したり、「データヘルス・リビングラボ静岡の構築」では、健康や食、生活習慣等に関するヘルスデータをビックデータにまとめ、それらのデータを活用し、ひとり一人に対応できる健康支援の在り方を作り出す仕組みづくりしています。また、「健康イノベーション教育プログラム」は、「しずおか学」の一部としてシラバスに組み込まれている授業で、県大の学生はもちろん、社会人聴講生も受講することができます。


健康食イノベーション推進事業 詳しくはこちらから


一言メモ

平成30年までは、COC事業(詳しくは「ふじのくにみらい」共有センター1へ)で、静岡市地域福祉共生センター「みなくる」という施設での活動があり、地域の方とご縁があったので、それらをベースに協力を頂いております。


9.K-commuのウェブサイトを通して広報したいことはございますか。

健康イノベーション教育プログラム」を下半期に開講します。社会人聴講生向けには、「ビジネス・IT実践スキルアップ講座」としてPRしています。6科目を全て修了すると認定書をもらうことができますので、興味のある方は、ぜひ履修してください。 


10.最後に、学生へのメッセージをお願いいたします。

地域・産学連携推進室の取組の一つに、「コミュニティ・フェロー」の認定というものがあります。大学生活の中で、ゼミやサークル活動などで優秀な実績を残した学生を認定する制度ですが、皆さんが将来社会人として実社会に出た時に、ゼミ活動等の県立大学での経験を活かして地域社会の発展に貢献し、そしていつの日か、皆さんが講師になって自分の経験を県立大学に還元し、次の世代の学生がそれを引き継いでいくというサイクルができることで、県立大学の良さが将来にわたって循環していくようになることを願っています。自分自身の経験から言えば、大学の勉強だけでなく、サークル活動等に一生懸命取り組むことで、大学生活を充実させてほしいと思います。


地域・産学連携推進室の職員のお二人

    左から)澤井さん、小山さん

澤井さんへのインタビューの様子

※感染症対策を徹底して行いました

「ふじのくに」みらい共育センター

地域連携コーディネーターの小山さんにお話を伺いました。

地域・産学連携推進室とは別に、地域貢献等に携わっている「ふじのくに」みらい共育センターがあります。地域と関わりたいけどどうすればいいんだろうと悩む学生は、是非草薙キャンパス看護学部棟4階にある「ふじのくに」みらい共育センターに行ってみてください!


1.「ふじのくに」みらい共育センターとは何ですか。

「ふじのくに」みらい共育センター(以下、COCセンター)は、地域と関わる全てのことに対応しています。COCセンターとは、平成26年度(2014年)に文部科学省の「地(知)の拠点整備事業(大学COC:Center of Community事業)」に採択され、地域貢献活動を行う拠点として創設されたセンターのことです。 平成26年度~30年度の5年間にわたって地域に関する様々な活動を行い、現在も、大学のセンターとして活動を続けています。

【インタビュアーの一言メモ】

県大には健康支援センターや男女共同参画推進センター等の付属機関がありますが、その付属機関の中にCOCセンターがあります。

2.COCセンターの業務内容を教えてください。

具体的な業務内容はなかなかお伝えできないのですが、地域に関わる / 地域と関わることならなんでも行っています。コーディネーターとしては、地域と学生などの仲介役を担うことが多いです。

3.新型コロナウイルス感染症の影響はありましたか?

かなり影響を受けました。

基本的に大学での活動は大学の指針に沿って行うため、昨年度はイベントを開催することができませんでした。大学内だけでなく、静岡市地域福祉共生センター「みなくる」でも様々なイベントを開催しているのですが、「みなくる」での活動は静岡市の指針に沿っていたため、少しではありますが新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上でイベントを行っていました。しかし、イベントの告知をするにあたり、大学生は各大学の活動指針に従わなければならず、学生への周知ができなかったことが残念でした。

以前はサークルに所属する学生とイベントを通じて繋がることができていましたが、コロナ禍で活動ができなかったために、学生と繋がったり交流したりすることがあまりできませんでした。また、地域住民のイベント参加者の多くは、時間に余裕のある方や高齢の方だったため、ネット環境が自宅に整っておらず、オンラインイベントを開催することも難しかったです。そもそも、オンラインイベントを開催する前にウェブのことを学んでもらう必要がありました。地域で活動している人はネットが得意でない人もいれば、対面でのイベントや交流を好む人が多い印象でした。人に直接会い、話すことを楽しみにしている人が多いので、コロナ禍ですが、感染対策をしっかり行った上で参加者の人数を制限してでもイベントを行いたいなと思っています。

 【インタビュアーの一言メモ】

地域で何かをするときに重要なことは、様子を見たり経験を積んだりすることです。コロナ禍などあらゆる状況(環境)を把握するまでは、焦らず様子を見ることが大切だそうです。昨年度(2020年度)はあえて、積極的にコロナ禍で動くことは避けましたが、その経験を活かし2021年度は少しずつではありますが動いているそうです。

4. どのような問い合わせが多いですか。

問い合わせというよりは、学生や教職員と地域の仲介役になることが多いです。個人だけでなくサークルから「~な企画をやりたいのですが...」という相談に乗ったり、相談内容によってはCOCと共催で何かを行ったりもしています。COC事業を行っていた5年間の中で、地域だけでなく、国際関係学部や経営情報学部など、さまざまな学部の先生方とも繋がることができたので、学生が地域に関する悩みや相談がある場合、先生方がその学生を紹介してくれることもたくさんありました。

【インタビュアーの一言メモ】

県大生が地域に関する活動をした場合、「静岡県立大学コミュニティフェロー」を申請することができます。

「静岡県立大学コミュニティフェロー」は、「しずおか学」等を通じて地域に関する知識を習得した上で、地域における活動への積極的な参加を通じて地域活動の技能を身に付けた方に、「静岡県立大学コミュニティフェロー」の称号を認定する制度です。この認定証は一生ものですので、地域に関する活動をした人は是非、申請してみてください。

5.過去に地域課題解決のためにどのようなことをしてきましたか。

COCセンターには、健康づくり地域づくり、地域創生の3つのワーキンググループがあります。たとえば、健康づくりワーキンググループでは、地域における包括的なヘルスケアの基盤を支える人材の共育をめざし、医療・福祉従事者等の多職種連携を推進しています。健康長寿文化の創成の一環として、実際に、静岡市の「みなくる」で、200人近くの地域の人が健康測定をする、年に1度の健康フェスタを開催してきました。

その他にも、防災ボランティアクラブ『防'z』から相談があり、COCセンターと連携して、防災講座や防災に関するワークショップを静岡県立大学で実施したことがありました。

【インタビュアーの一言メモ】

学生や教職員、地域の方と連携し、様々なイベントが開催されていることが分かります。地域で活動するためには、「誰かとつながる」「何かでつながる」「出会う」ことがキーポイントになりそうですね。

6.K-commuのウェブサイトを通して広報したいことはございますか。

静岡県立大学コミュニティフェローの申請を是非してみてください。しずおか学を履修していることや地域で活躍(活動)していること等の条件はありますが、この認定証は一生ものです。もし分からないことがあればいつでもCOCセンターに来てください!


7.最後に、学生へメッセージをお願いいたします。

年齢関係なく、好奇心をもって一歩前に出てみてほしいです。その場にとどまらず、色々な人を巻き込み様々なことに挑戦してみてください。楽しかったこと、悲しかったこと、悔しかったこと、これらは挑戦してみないことには得ることができませんし、挑戦してみた経験がある人はどこかで必ずその経験を活かせると思います。

そして、沢山の人に出会ってください、知り合ってください。たとえ、その時すれ違うだけの関係性であったとしても、縁があれば必ず再会し繋がることができます!

 すでに外に踏み出している人はいつでもどこでも踏み出していける人だと思います。外に出たくない人は、今がその時(踏み出す時)ではないのかもしれません。声をかけなきゃ・誘わなきゃいけない人というのは、いつも一歩踏み出すか迷っている人だと思います。迷っている人には、是非「一歩踏み出すだけで力は得られるし色んな視点を得られるということ、仲間も得られるということ」を伝えたいですね。

そして最後に。イベント企画は大変だと思います。大変ですが、最後に笑って終われたらいいのではないでしょうか。イベントって評価方法が難しいじゃないですか。人数も期待予想より大幅に増減することもありますし...。イベントの成果を数字で測ることは難しいですが、笑顔や「たのしい」の声で測ることは可能だと思います(⌒∇⌒)



澤井さん、小山さん、お忙しい中ありがとうございました!



小山さんへのインタビューの様子

※感染症対策を徹底して行いました