第10回は上食にインタビュー!

「大学で働く人に聞いてみた!」企画 第10回は、上食へのインタビュー!

今回は上食を運営する阿井さんにインタビューをさせていただきました。

コロナ禍で思うような営業ができない中、どのようなことを心がけて営業していらっしゃるのでしょうか…ぜひご覧ください!

1.上食が開業したのはいつですか?

 静岡県立大学が開学した当時からやっているので、40年近く前になります。はじめは、同族会社のウオクニ株式会社が経営を行っており、途中でウオクニから分かれた現在の株式会社レパストが引き継いで経営しています。草薙にある県立大学の上食のほかに、小鹿にある県立短大の食堂も経営しています。

2.コロナ禍における上食の経営はどういった状況でしたか?

 上食は学生食堂であるため、コロナ禍で学生が来学できないと仕事になりません。そのため、コロナ禍に入ってからの1~2年間は綱渡り状態で経営していました。そんな中で、年間行事に合わせたり、端境期の長期休みが明ける少し前の、学生が少しずつ増えてくる頃に合わせて営業するようにしていました。

 コロナ禍以前は、さまざまなことに取り組んでいました。その一つに上食への券売機の導入も検討されていました。上食には麵コーナーにしか券売機がなく、定食・丼のコーナーにはレジがありそこで手打ちで会計していました。レジに人員を割かれることになってしまっていたため、その状況を改善すべく券売機の導入が検討されていました。しかし、コロナ禍となり、学生に向けてお金を使用する方針になり、大学の設備に費用を割くということができなくなったことからその計画は頓挫してしまいました。

 県の意向に従い、コロナ禍での営業はパーテーションを設置するなど対策をしました。本来であれば600席以上確保できる食堂ですが、パーテーションをすることで、その3分の1から4分の1の席数にせざるを得なくなってしまいました。

 コロナがなければ様々なことをやっていましたが、学生が来ないその時期に営業して良いのか、それともやるべきでないのか、経営するうえで非常に判断が難しい状況でした。

3.上食以外の食堂の営業についてはいかがですか?

 2021年8月まで営業していた下食は職員食堂と言われており、昼間のほか、夜間も研究室で活動する薬学部生や職員にむけて営業していました。上食は下食と全くかかわりがなかったため、お互いの状況が知りえず、学生室を通して下食の情報を得ていました。下食が撤退となり、学生室やほかの団体から会社あてに、下食も営業してほしいという打診はありました。

 しかし、ただでさえ上食の経営で手一杯だったため、難しいという判断に至りました。 小鹿の食堂は、看護学部の学生が中心であり、実習が大学内で行われることなどもあって、人の入りは比較的多かったです。そのため、上食が営業していない間は、小鹿の方に手伝いに行くこともありました。  

4.阿井さんは、いつから上食で働かれていますか?

 20年以上働いています。

5. なぜこの上食で働こうと思ったのですか?

 静岡の丸子から草薙の方に越し、少し余裕も生まれてきて、働こうと思った際、ちょうど募集があったため応募したことがきっかけです。会社の上司が、たまたま家の近くの人だったことも働くきっかけになりました。

 また、当時は子どもの長期休みの期間と、上食で働く期間の兼ね合いが良かったこともあり続けやすかったです。他の従業員の方々も同じような理由が多い印象です。

6. コロナ禍以前と比べ、上食の販売数は変化していますか?


 去年は食事を提供していないため、上食の販売数は今よりもっと少なかったです。それに比べると、今年は多くなっていると思います。麵コーナーもご飯コーナーも開いていますし、今まで10食しかやっていなかったのを30~40食にしています。


7.コロナ禍以前と比べ、学生数の変化はありますか?


 以前と比べて学生数は増えていません。学生さんが自分でお弁当を持ってくる人も昔からいます。逆に下食に行っていた職員さんが増えています。学生が時間で一気に来てしまってはいますが、全体数からすると増えていません。テーブルの状況かもしれませんが、昔と比べると全然です。はっきり言って人は増えていなくて、困っています。


8.学生や職員など利用者の印象はどうですか?


 以前に比べ学生はおとなしい印象です。券売機の前の行列で並んでいても不満を言わないので我慢強いと感じています。以前の学生は、声をかけてきてくれたりアンケートボックスに様々なリクエストが来ていました。


9.どのようなことを意識して商品展開をしていますか?


 一番重要視していることは、提供スピードです。昼休みの時間が限られているため、提供してすぐ食べてもらえる商品を提供するよう意識しています。冬は温かいもの、夏は冷たいものやさっぱりしたものなど、季節にあったものを提供してあげたいです。


10.  メニュー展開する予定はありますか?


 来月のクリスマスイベントで、4種類ほどの新メニューを発売する予定です。コロナ前は月ごとにイベントを行っていましたが、利用者数が少ないため今は頻繁にできていません。しかし、できる限り季節のイベントなどは行っていくつもりです。


11. お弁当は販売できますか?


 朝パンを売っているところでもお弁当も売ってあげたいのですが、お弁当を売ると言うのは売店さんの領域です。朝定(朝定食)はかなり前までやっていました。300円で売っていましたが、需要がなくなってしまったため、今は販売を停止しています。


12. 席が足りず食堂を利用出来ないため、上食を利用することができないことがあります。温かい学食を食べたいのですが、テイクアウトはできますか?


 テイクアウトもやってあげたいのですが、スタッフの人数が足りていないので、テイクアウトの準備をするのが難しい状況です。特に混んでいる時間帯は手一杯になってしまいます。お弁当形式のものだったら11:30まで売るという形でできるかもしれませんが、お弁当を売るというのも、売店さんの領域に入ってしまうので難しいかもしれません。


13. 2限直後にすぐ食堂に行っても、メニューがなくなってしまうことがよくあります。品数を増やすことなどは考えていますか?


 安いメニューから売り切れてしまうので、最近は一部を80食まで増やしています。12:10までは40食のみ出すというように、数が少なくすぐ売り切れてしまう商品は時間で区切って作るといった工夫をしています。


一言メモ

阿井さんより「やっぱり現実的に、学生さんたちのお昼代って決まっているのですか?」との質問。

→やはり節約を考えてしまうので、400円とか500円とか、ワンコインに抑えたいです。

     

 今はいろんなことがあって、メニューの値上げをしてしまっています。施設は使わせてもらっていますが光熱費、残飯代は会社が出しています。光熱費、残飯代も大学で出してくれたら皆さんの方にもっと安く提供できるのになとも思います。プリペイドでの話も考えたことがあったらしいのですが、一年の最初に一気にお金を払う余裕が学生にはないという理由で、なくなりました。

 

 私立大学だと後援会費からお金を出してくれていますが、他の大学にはある色々な仕組みがあるが県大にはないので、こちらに来るお金がありません。私たち的には、税金を払っていることも考えて欲しいかなと思います。


14. 学生の利用方法で困っていることや学生に協力して欲しいことはありますか?


 2限がない職員さんや学生は時間を調整して、早めに来て欲しいですね。営業時間を繰り下げてあげたいけれど、経営面などを考えるとなかなか難しい。今は一気にたべて一気に授業に行く人が多いです。みんなが入って来れるような状況になったら、お客さんの時間帯に合わせて、分散できるように営業していきたいです。しかし、お客さんの状況がまだ掴めていないのが現状です。せめて職員さんだけでもお昼休みを30分単位でずらしていただければ、同じ時間帯に来るのとは混み方が違うと思います。例えば、J -oilさんなど社食の人たちは30分、15分刻みで混まないようにずらしてくれています。一つの会社であればそういうことができますが、大学は色々な人の集合しているところなのでどうにも言えません。


 また返却の時に、お盆の向きを一定にして欲しいです。お箸はバケツに入れ、残飯は処分してから食器を出してくれると助かります。また、券売機の利用は速やかにお願いしたいです。グループで買ってから移動するのではなく、メニューを決めておいてすぐに個々で動いていただきたいです。他には、換気のために窓を開け閉めしたり、扇風機をつけたりしているのですが、勝手に閉めたり、止めたりしないでいただくと助かります。机の消毒も除菌シートを利用して、自分の身を自分で守ってください。


15. 現在、現金のみの支払いとなっていますが、PayPayなどの電子マネーを導入する計画はありますか?


 使用できるようにしようとはしました。導入を考えたこともありますが、現金と電子決済の両方を取り扱うとなると大変になるかなあと思って、まだ実現していません。でも要望としては今後も出しておきます。


16. 私たち、K-commuについてどのように思っていますか?


 こういった学生と大学をつなげる活動、とても良いと思います。学生が何を食べたいだとか、どう思っているのかを知りたいです。アンケートとか学生が主体となって動いてもらえれば、その中から抜粋して、作れるものがあったら作りたいし、叶えられるものがあったら叶えていきたいと考えています。


 貴重なお話ありがとうございました。我々としてもできることをして、より快適な食堂にしていければと思います。


お忙しい中、お時間を割いていただき、ありがとうございました!


インタビューの様子

※感染症対策を徹底して行いました。