第6回 思ったようにうまくいかないことも。でもそれが留学!

今回はカナダ・バンクーバーに1年間留学をしていたK-commu海外班メンバーでもあるSさんにインタビュー!

小さい頃から外国語に関心のあったSさんでしたが、バンクーバーでの海外経験が卒業後の進路選択に関わる大きな原点にもなったそう。今回は彼女の過去から現在ーそして大学卒業後の進路選択など、様々なお話を伺うことができました! 

【概要】

SさんはCo-op留学で、2021年9月から1年間ほどバンクーバーに渡航。最初の半年間はカレッジでインターナショナル・ビジネスを学び、その後半年間は学んだ知識を生かして、現地のスタートアップ企業にインターン生として参加しました。私費留学だったため、3年の後期から休学をして現地に渡航しました。


国際関係学部→留学決意の経緯とは?

母が英語の先生だったことから、小さいころから語学に関心があり、中学生の時には「大学時代に留学したい」と漠然と考えていました。語学だけではなく、政治や文化を幅広く学べるという点で、この大学に入学しましたが、実際自身が思っていたより、英語で行われる講義は少なく、大学で受けられる授業に少し物足りなさを感じていました。さらに2年生前期からパンデミックの影響を受けて、全ての授業がオンラインへと移行したことから「人と会えない辛さ」や「自ら行動を起こしていくことの必要性」を痛感し、英語学習含め留学の計画を本格的に立てるようになりました。私がK-commuに加入したのも、「同じ大学に通う学生の孤独をどうにかして解消したい」と感じ始めた、まさにこの時期でした。


なぜ、この時期に留学したのか?

K-commuでの広報班としての活動を通じ、留学された先輩方の経験談を記事として取材させて頂く中で、「人間として成長できる」留学をしたいと考えるようになりました。当時2年生後期くらいに、就活・卒業を控える中で漠然と「何かしなきゃ」という焦りや、やりたいことが見つかっていなかったこと・「働く」ことに関してもっと自分自身で考えを深め、進路についてじっくり考えたいと感じたことから、就職前のモラトリアムの大学生活の中で、海外滞在を通じて就労経験をもって経験を詰んでくることで、その後の人生設計のためになればよいと思っていました。「語学力向上」だけではなく、「就労経験」もまた留学をする一つの目的でした。


留学中は何をしていたの?

ーカレッジで勉強後、現地で「働く」...?!

Tamwood Careersというバンクーバーの私立カレッジで、ビジネスに関することを学んでいました。マーケティングのみならず、人事や組織体制についてなど、働くうえで必要な基礎知識を学ぶような授業でしたが、学期はじめの財務表を学ぶ経理の授業はかなり難しく、もちろん講義は全て英語なので、最初はかなり苦労したのを覚えています。講義はカナダの起業家としてゴリゴリにビジネスをやっている方々が、非常勤講師という形で講義をしてくれたので、授業は夕方から始まり、夜にかけて授業を受けていました。時に地域のローカルビジネスを営む方々にインタビューをしにいったりと、時に実践的な授業もあり個人的には楽しかったなぁと思います。

カレッジで6か月学んだあとは、それぞれ現地で学んだことを活かせる仕事に就きます。いわゆる現地での「就職活動」に関しても、基本自分で履歴書を書いたり面接の練習をしたりと、対策に追われる毎日でした。クラスメイトの中には飲食店の管理員を任されている人や、有名ファッションブランドのスタッフとして働く人もおり、就く仕事はみな様々でした。私はK-commuでの広報の経験も含め、SNSやマーケティングの業務に興味があったため、現地のスタートアップ企業でインターン生として採用して頂き、半年ほど広報のお仕事をしていました。Instagramだけではなく、Facebook広告や他のウェブサイト運営・サービス広報のための出張営業など、様々な業務を経験させていただきました。

あと、複雑なのであまり長くは話しませんが、私自身海外ではあまり仕事運に恵まれなかったという裏話もありますね。インターンを含み5職種ほど経験したのですが、オーナーが夜逃げしちゃって給料がしっかり払われなかったとか、求人サイトに書いてた業務内容と全く違うことをやらされたこととかもありました。20万円くらい未払い状態で帰国したことは、ここだけの話です笑

そんなひどい仕事運の中8か月お世話になった日本食レストランの中国系ファミリーの方々との出会いは忘れません。最初こそコミュニケーションは大変でしたが、家族のように大事にしてくださいました。辛かった仕事の苦い思い出も全て吹き飛びました。

インターンの他にも、飲食店でもアルバイトとして働いていたり、セールスとして働いたり、就労経験の面では、様々な職種を経験することができたため、「自分にどのような仕事が向いていて、何が合っていないか」を十分に体感することができたと感じています。


就労経験以外での印象的だったエピソードは?

就労経験以外で海外に行って良かったなと感じていることは、現地の風景や人との交流を通じて、多くの街の姿を見ることができたことです。帰国寸前、友人と北米旅行をしたときに、東海岸のトロント(カナダ)、ニューヨーク(アメリカ)、また西海岸のロサンゼルス、ポートランド、シアトルを訪れる機会がありました。

北海道の地方都市で生まれ育ち、大学進学を機に静岡に移住をしてきたあたりから、「どのようにして街が栄えていくか」に興味があり、ハード・ソフト面的な街のつくりや、人の流動に元々関心がありました。アメリカ旅行を通じて、日本と外国の街づくりの違いについて、実際に目で見たり現地の人との交流をもって肌で感じてくることができたのは、本当に大きな経験だったなと思っています。周りの友人から聞き学んだことも多いですが、特に地域開発の成功例ともいわれるポートランドは圧巻でした。(話すと長くなるので割愛)短い滞在期間ではありましたが、コミュニティ形成や現地の手作り文化を体験することができ、一番素敵な街だったなと印象深く覚えています。


カナダから帰ってきた今、なにしてる?

私が帰国をしたのは、2022年9月下旬頃でした。3年の後期から復学予定だったので、就活に本腰を入れて頑張らなきゃと思い、色々な業界を見るところから始まりました。現在(2023年前期)では就活も無事終了し、残りの学生生活を楽しむために、友達と夏休みに遊びに行く計画を立てたり、コーヒーや楽器など、好きなことを思いっきり楽んでいます。もちろん、卒論もぼちぼち進めていますが。(笑)

カナダで出会った友達とやり取りをしてる子も数名いて、少し上の年代の友達だと、出張で来日したときに会えた友達もいました。浅草で一緒に着物を着て歩いたり...渋谷の飲み街に連れて行ったりもしました。そのほかずっと連絡を取り続けているヨルダン人もずっと仲の良い友達です。


おすすめの英語勉強法を教えて!

「これをやれば絶対喋れるようになる!」という必勝法はないので、難しいですよね。

私もいくつかやりましたが、色々試す中で感じたのは「インプットとアウトプットのバランスをとる」ことかなと思います。単語やフレーズを覚えなきゃ、と思いよくテキストで英語ばっか見て聞いて練習したりしますが、語学は実践してこそ定着力が上がると思うので、「実際に喋ってみる」。これが一番手っ取り早かったなと思います。有料なものだとオンライン英会話(私はBestTeacherというサービスを使っていました)や、HelloTalkなどの無料で外国の人と繋がれるアプリなどを通じて、他者に自分の英語を聞き評価してもらうことは定期的にやっていました。ただ、そうはいっても時間がなかったり、人と話すのに抵抗も感じていたので、あまりノリ気でないときは、日英バイリンガルの方のPodcastを聞いたり、英語字幕がみれるYouTubeなどを見てそれらに被せるように話す練習(オーバーラッピング)をし、日常的に使えそうなフレーズはメモして使う・忘れたらまた調べるを繰り返し行っていました。この勉強法のおかげで、カレッジの授業も、渡航直後は多少は苦労しましたが、分からないときに「質問する力・どこかが分からないかをしっかり意思表示できる力」もついたので、その後も積極的に授業を受けることができました。日常的なコミュニケーションでは、「みんなネイティブじゃないんだし、言語のミスはして当然」というヨルダン人のクラスメイトから学んだマインドセットを意識して、話すことを楽しんでいたので、日常英会話について特に困ることはありませんでした。台湾人のクラスメイトとLINE電話していた時に、英語で思いっきり喧嘩したこともありましたね(笑)


留学後の進路は?

K-commuでは情報発信など、広報班のメンバーとして数年携わってきました。海外でインターンをしていた時も、マーケティング・SNS発信の業務を行っていたので、もちろんメディア系に興味がなかったわけではありませんが、一年の海外生活とアメリカ旅行を通じて、「街」をつくる仕事がしたいと思うようになりました。自分が「北海道ー静岡ーカナダ」と住処を転々として過ごしてきたバックグラウンドや、地域開発に関心を持ち続けていたことから、まちづくりに携われる仕事を進路先として選びました。コミュニティ形成の一助となれるような空間づくりに携わる仕事をすることで、経験や学んだことをいつか自分の地元に持ち帰り、また違った形で還元することができればいいなと思っています。


留学を検討している方、県大生に向けて一言お願いします!

現地でのアルバイトやインターン経験を通じ、キャリア選択に対して視野を広げるだけではなく、海外に身を置き現地の人たちとの交流をもって、自分にはまだ感じることがなかった価値観や世界を広く見てこれたことが、一年間の留学の中での最大の収穫だったなと痛感しています。コロナの影響がひどく、オンライン留学でもいいかなと多少悩んだ時期もありましたが、向こうの地で暮らしたり、友達と遊びに行ったり、現地の人と触れ合ったりすることにこそ、留学の魅力は詰まっていると思います。留学のための大きなお金の援助をしてくれた両親にも感謝の気持ちでいっぱいですし、一年間とは思えないほど、良い経験をたくさんさせてもらえました。


「目的を持ってこそ、留学は意味がある」かもしれませんが、実際に現地に足を運んでみて、気持ちや考えが変わるということも大いにあるはずです。自分にはハードルが高いな、とか大丈夫かなと不安に思う気持ちもあるかと思いますが、行ってみて学ぶことも多いのであまり気負いしなくて良いと思いますよ。私もK-commuメンバーとして、卒業までもう少し活動を続けているので何かあればいつでも相談してくださいね😊



Sさん(国際関係学部)2019年入学

カレッジでの授業

ホストファミリーと窯焼きピザを作った日!

インターン時のweb会議。

コロナ禍なのもありミーティングは

全てオンラインでした。

カレッジでの期末レポート作成

街中でたまたまクラスメイトとばったり!

夜のニューヨーク・タイムズスクエア

クラスのみんなで飲みに行ったとき



語学改善だけではなく、

海外で「生活すること」自体が自らを成長させることにも繋がったんですね。

Sさんの英語勉強法はK-commu海外班公式インスタグラムにも掲載していますので

ぜひチェックしてみてくださいね!(右写真をクリックするとページに飛べます)

インタビュー、ありがとうございました!