8回 留学とは、自分探しの旅!?

第8回は、アイルランドイギリスへ留学していたK-commu海外班メンバーDさんにインタビュー!
今回は1年で2か国の滞在を経験した、特殊な留学のお話を伺いました!Dさんは、自身の留学を「人生観などに変化があった1年、そしてこれからの目標などを見つけることができた1年だった」と振り返っています。

【概要】

Dさんは、アイルランドの首都タブリンで8か月過ごし、その後イギリスへ渡り2か月間をロンドンで過ごしました。アイルランドでは数か月間、語学学校に通い、その後アミューズメント施設(VRでアクティビティができる施設)のマーケティング部でインターンシップをしていました。アイルランド滞在中は、カフェのバリスタとしてアルバイトもしていました。そして、イギリスではチャリティショップ(※)でボランティアをしていました。

※チャリティショップとは                

セカンドハンドショップ。町の至る所にあるので、誰でも気軽に携わることができる慈悲活動の場です地域の人が使わなくなった洋服や雑貨などをチャリティショップに寄付し、寄付された品物はチャリティショップで販売されます。そこで得た利益は社会貢献に利用され、「途上国の貧困解決・ホームレスの援助・動物愛護・がんを持病に持つ人のための援助」...などショップごとに目的は異なります。


留学を決意したのはいつ頃?

小学生くらいの頃から長期留学に行きたいと思っていたのを覚えています。私は幼い頃から海外の文化を知ったり、海外の方と関わることが好きでした。アメリカに住んでいる叔母に憧れ、「将来は英語を使って海外の人と関われる仕事がしたい」という夢をずっと抱いていました。小学生の頃は夏休みに叔母のところへ訪れ、サマースクール(※)に通わせてもらったり、中学生時代には、初めて1か月間アメリカへホームステイに行ったり、また自分がホストファミリーとして海外からの留学生を受け入れたりもしていました。高校受験の際には、「英語に力を入れている学校に通いたい」と思い、普通科ではなく国際コースに進学しました。大学に入り、2年時にパンデミックが訪れ留学が難しい状況になりましたが、就職活動が本格的に始まる3年時に「もっと多様な人と関わり、あらゆる生き方について知りたい」「自分自身を見つめ直したい」という気持ちが大きくなり、4年生になるタイミングで休学しアイルランド留学を決断しました。

※サマースクール(またはサマーキャンプ)

夏休みのみに開かれる、小学生など低学年向けのアクティビティのこと。サマースクールにも種類が豊富で、工作などを学ぶスクール、農場で自然や動物と触れあうキャンプなど...、欧米では、子どもたちが長い夏休みによく通っています。


留学先ではどのような生活をしていたの?

私は留学中、「多様な背景を持つ人との関わりを大切にし、自分の視野を広げたい」という目的をもって生活していました。なので現地の生活でも、様々な文化背景などを持つ人と関わることができるような機会を積極的に探すようにしていました。週1で行われる、日本文化好きや日本語を勉強したい人が集まるミートアップや英語学習兼国際交流のようなミートアップにほぼ毎週参加したり、カフェでのアルバイトに挑戦したり、ボランティアなどに参加するなど、自分からアクティブに行動することを意識していました。これらの経験を通して、英語力の向上だけでなく何よりも国籍や年齢、文化など多様な背景を持つ人々と出会ったことはとても自分の中で大きなものでした。滞在中には彼らと価値観や人生観などを話す機会が多く、そこで強く感じたのは「自分らしく生きること」の大切さでした。私が出会った人には共通点があるように感じました。それは彼らが年齢や過去などどんなバックグラウンドにも囚われず「好きなことや目標に向かって人生をありのままに楽しんでいる」ことです。そんな生き方が素敵だな、かっこいいなと思い、彼らのように「自分らしく、好きなことや目標に向かって貪欲に生きたい!」という人生のモットーのようなものを見つけることができた貴重な経験でした。


なぜ、アイルランドとイギリスの2か国へ行ったの?

実は当初の予定では、10か月間のアイルランド留学でイギリスへ渡ることは考えていませんでした。しかし、アイルランドで生活する中で、「同じように英語圏で、アイルランドと歴史的に深い関係がある隣国イギリスとの社会や国民性はどのような違いがあるのだろう」と興味を持ったことから、当初の予定を変更し、残り2か月のみロンドンで滞在することを決断しました。さらに、私は地域の人と深く関わりながら社会や文化などを知りたいと考えたので、現地ではチャリティ活動をすることにしました。しかし、ロンドン滞在計画は思ったよりも過酷でした。(笑)もちろんロンドンは自分にとって全く馴染みのない土地なので頼れる人もおらず、自分一人で住む場所を探しましたが、ぎりぎりまで見つからず、また途中で詐欺に遭いそうになるなどハラハラドキドキの冒険でした。また、観光ビザで滞在ということもあり様々な制限があったことからボランティアを受け入れてもらえる場所があるかも分からず、最終的には町中のチャリティショップに直接足を運び、「ここでボランティアさせてほしい」と尋ねに行きました。(笑)とても長くなってしまうのでロンドン生活の話はまたの機会に残しておきますが、ロンドンでも新たな出会いや経験がたくさんあり、とても充実した2か月間でした。勇気を振り絞ってロンドンへ渡ることを決断してよかったなと思っています!


約1年の留学をどう振り返っている?

実は、思い描いていた留学生活と異なり、上手くいかないことも多かったですし、ハプニングだらけな1年でした。しかし、そんな1年だったおかげで自分は以前よりも強くなったなと思っています(笑)度々、日本との文化や社会の違いで予想外の出来事に直面しますが、直面した困難をどう気持ちを切り替えて乗り越えるか、また柔軟に行動していくことの大切さを学びました。

しかし、もちろんネガティブな側面だけではありません。振り返り、とても幸せな1年だったなと思います。たくさんの素敵な出会いに恵まれ、また良い経験も嫌な経験も含めて自分自身を成長させてくれた留学でした。このような経験ができたのは家族など私の周りの人がサポートしてくれたからこそですし、感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、もう一つ幸せだったと感じるのは、私が滞在したダブリン・ロンドンは「自分らしくいられる心地よい場所」と思えたことでした。多様な生き方や意見がリスペクトされる社会が私にとって心地よいものでした。また、私はヨーロッパの歴史的な建築やアンティークの家具や雑貨などがとても好きで、毎日好きなものに囲まれ、時の流れがゆったりとした生活が大好きでした。

1年を振り返り、思い通りにいかず心が折れそうなときもあったけれど、それよりも人々の考え方や文化がとても好きで、今では「もう一度、ヨーロッパで生活したい」という気持ちが強いです。


留学中の印象的な出来事は?

たくさんありすぎて、1つ選ぶのが非常に難しいですが、アルバイト探しは中でも思い出深いですね。

アルバイトを始めるだけでも日本と文化や手順が全く異なり、何度も心が折れそうになりました。(笑)現地での履歴書は、日本のようにフォーマットがありお店に売られているというものはなく、自分で一からアピールポイントなどを考え、Wordなどで作成しなければいけません。どうすれば魅力的な履歴書になるか工夫する必要がありました。また応募方法も異なり、自分で履歴書を応募する店に直接配りに行かなければいけません。「何十件も履歴書を配ってようやく見つかるほど」と言われていました。私はどうしてもバリスタとして働きたかったので、ハードルは高く、約30件もの店に歩き配りに行きました。(笑)1か月以上も探しましたがなかなか見つからず、「このカフェが雇ってくれなかったらもう諦めよう」と思っていたところ、最後に配った店舗から幸運にも連絡が来て、念願のバリスタとしてアルバイトができました!!


日本に帰ってきた今、なにしてる?就職活動とどう向き合った?

2023年1月に帰国し就職活動を始め、現在は無事終えることができました。実は留学に行く前は「日本で就職活動なんて絶対したくない!」と思っていました。(笑)型に縛られた就職活動という日本独特な文化が自分には合わないと思っていました。ところが、留学後半「日本で就職活動を頑張ってみよう」という気持ちが芽生えます。それは留学中、自分はやはり「日本にはない文化や人々と関わることが好き」と再確認し、「再びヨーロッパに戻り、仕事と生活をしたい!!」という人生の目標を見つけたからです。そのためにはキャリアの経験やスキルを蓄えなければならないと考え、「自分の目標を叶えるためだったら苦手な日本の日本の就職活動やるしかない!」というマインドに切り替えました。社会人になっても海外の人と多く関わることができる仕事、語学を活かすことができる仕事、を軸に就職活動をしました。


おすすめの英語勉強法を教えて!

私の英語勉強におけるモットーは「楽しく学ぶ!」。机に向かって単語帳を広げるといった勉強は大の苦手。なので自分が楽しいと思えるような勉強しかしません。(笑)実は、留学前より帰国後の方が英語の勉強が増えました。もっと英語力を伸ばし、将来海外で働きたいという強い気持ちがあるからです。やはり日本にいると英語を目にする機会はどうしても少なくなってしまうので、自分から意識的に英語に触れることができるような環境を作ることを心掛けています。

今回は日常で行っているDさんの英語勉強法をおすすめランキングにして紹介します!

1位 Netflix

1日に好きなドラマを1話ずつ見ることがDさんの習慣。英語の勉強というよりは毎日の楽しみのような感覚!おすすめは字幕を付けずに見ること。留学中に先生が「字幕はなるべく付けない方が効果的だよ」と言っていました。なぜなら何が理解できて何が理解できないか自分で把握できるから。初めは全く理解できなくても、徐々にリスニング力が字幕ありで見ていた時よりも早くなった気がします。

Netflixの良いところは日本語と英語の字幕両方があるところ。字幕なしで理解できなかったシーンがあればまず英語字幕で見て、それでも理解できない時は日本語字幕に切り替えます。英語で映画やドラマをみることがおすすめの理由は、フレーズや単語をどのようなシチュエーションで使うのか、またニュアンスなどが分かりやすいからです。

2位 オンライン英会話

この夏休みから始めたばかりですが、とても楽しく気に入っています!1位と迷いましたが、金額がかかるので今回は2位に。金額は大きいですが、私は自分への投資だと思っています。(笑)日本にいて、どうしても機会が少なく練習することが難しいのがスピーキングですよね。週に3回、1回30分と短いですがネイティブの先生に自分の英語を見てもらえる貴重な機会なので充実しています。

私はレッスン後の復習を大切にしています。レッスンが録画されるので終了後に見返し自分の英語を確認したり、その日に習った表現をメモします。また言えなかった表現などはお風呂の時間などで独り言で話したりしています。(笑)

3位 BBC ラジオ (Podcast)を朝の準備の時間に聞く

BBCラジオを朝起きてすぐつけるのが私の日課です。注意深く聞くというよりは、バックミュージックのように流します!留学中も登校中は歩きながらニュースを聞くことを習慣にしていました。私はイギリス英語に憧れがあるのでBBCラジオをかけますが、アメリカ英語が聞きたいのであればCNNなども良いです。勉強しているという感覚ではなく、あくまでも英語に触れているという感覚なので分からない単語があっても聞き流しています。

4位 小説を読む

私は小さい頃からハリーポッターが好きで「いつかハリーポッターを英語で読みたい」という夢があったので、留学中に挑戦することにしました。しかし、10代向きの小説といってもファンタジーならではの難しい単語が多く、挫折。(笑)しかし、その頃、” It ends with us ”という小説が現地でとても話題になっており、多くの若者が読んでいたことから「自分も読んでみたい」と思い読み始めると、ハマりました!それからは帰国後も小説を読むようにしています。現在は、次に何を読もうかなと探し中なので、おすすめの本があったら是非教えてください!

5位 英語で日記をつける

留学中、1年間を記録したいと思い書き始めたことがきっかけ。私の日記は5年日記で1日たったの5行なのでライティングの練習ほどではないかもしれませんが、私は「去年の今頃なにしていたのかな」と振り返るのが好きなので趣味のような感覚で日記をつけています。


留学を検討している方、県大生に向けて一言お願いします!

留学は、自分探しの旅のようだなと思っています。もちろん、本来の目的であった英語力を伸ばすこと、そしてインターンの経験もできましたが、それと同時に、様々な価値観を持つ人との関わりや経験を通し、人生観のようなものが変わり、自身を高めることのできた一年だったと思います。語学力を上げる・インターンをする・大学へ通う...といった本来の目的だけでなく、現地でしか会えない人との出会いや日本ではできないような貴重な経験を大切にし、勇気を振り絞って行動してみてください!



(Dさん 国際関係学部 2019年入学)

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アイルランド西海岸にある小さな町Doolinのかわいい田舎風景。

本場のギネスビールは最高!

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(アイルランド)

私もハリーポッターの世界へ!(笑)

ロンドン滞在中、近所にあるアンティークマーケット行くのが日々の楽しみだったそう。

チャリティショップで働く様子

ロンドンで出会った仲間たちとパブへ




Instagramの投稿でも、Dさんが留学中に感じた事・考えた事をテーマごとに紹介しています。

ぜひご覧ください!

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インタビューありがとうございました!