Enjoy Lunch Time Project!

1.学生室からK-commuへの相談

 県大生の多くが利用する学生ホール。多くの授業が遠隔授業が対面授業に切り替わった2021年の4月時点で、学生ホールでは学食を食べたりオンライン授業を受けたりする生徒などが多く、不特定多数の人で「密状態」がつくられていました。

 こうした学生ホールの現状を受け、学生室からK-commuに改善策についての相談がありました。また、K-commuには学生生活をよりよくする、学生同士や学生と教職員をつなぐ架け橋となるというビジョンがあり、そのビジョンのもと、「学内での食の選択肢や飲食可能スペースを増やすこと」がかつてより話題に挙げられていました。そこで今回、「コロナ対策を徹底したうえで、学内の食の在り方を多様化して、大学と食をより楽しむこと」という目標に向けてプロジェクトを開始することが決定しました。

雨の日の学生ホールは特に混雑しがち☔

2.課題解決のためのアイデア出し、話し合い

 その後、何度か学生室との話し合いを重ね、4月30日に学長、副学長、学生部長、学生室長と意見交換をする機会がありました。

その場でK-commuからは、学生の視点として

・学生ホールで食事を食べるということが定着してしまっているため、学生ホールの密回避ができていない

・授業間で食事をとることが流れ作業になってしまっているため、「食」を大学に

行く楽しみの一つとしてもいいのではないか

ということを問題提起しました。

また解決案として、

・大学敷地内に飲食可能なスペースやリラックスできるスペースを増やすこと

・学食や売店も楽しみつつ、月に数回程度、外部の飲食店(キッチンカーや地域の

お店など)に密回避も兼ねて屋外に出店してもらうこと

を提案しました。

話し合いの結果、副学長からの提案で、5月10日、17日、24日に副学長の知り合いの坂本サジットさんに試験的に出店していただくことが決定しました。

試験出店が決定したのち、K-commuでは、キッチンカー共同組合との打ち合わせや、購入者向けのアンケート作成、また現時点での敷地内の飲食可能なテーブルや椅子の数の把握、飲食可能スペースの生徒の希望調査アンケートの実施を行いました。

3.お試し期間

以上のような経緯で、 大学での「食の多様性」を広げるためのアイデアと

して、キッチンカー導入をK-commuから提案し、5月10日、17日、24日の

3日間、お試し期間としてキッチンカーを導入することになりました。

静岡市にある古民家カフェ「さじっとの家」のオーナーである

坂本サジットさんに協力していただき、コロナ禍で落ち込んでいる

市内の飲食店のお弁当や、サジットさんのカレーを週に一度

キッチンカーで販売しました。


「さじっとの家」のオーナー、坂本サジットさん

 サジットさんのカレーホテルクエストさんのお弁当、アルモカフェさ

んのお弁当の3種類のお弁当が販売されました。利用していただいた方からは、

良い企画だと思う、定期開催してほしい、他の国の料理が食べられていいと思うなど、

うれしい声が寄せられました。

一方で、もっと大々的に宣伝してほしい、イベント実施の情報が伝わって

いなくてもったいないなど、宣伝方法を改善すべきだという意見もいただ

きました。

 


4.アンケート実施

 プロジェクトの満足度や改善点などを知るために、アンケートを実施しました。各回で、実際にお弁当を購入してもらった方々に回答していただきました。 

 また、3回のプロジェクトで、利用していただいた方へのアンケートとは別に、県大生全員を対象にアンケートを実施しました。このアンケートは、大学内での食に関することや、大学構内にキッチンカー、地域のお店を出店することについての意見を集めることを目的として行いました。 

アンケートでは、

研究室に入る前はお昼にご飯を買いに行く、食べに行く時間がなかったので、後輩達に食の選択肢を増やしてあげてほしいです。 

食事で出費がかさみたくはないけど、珍しいお店とか遠くて行けないお店、期間限定のものなどがあったら、たまにの楽しみにぜひキッチンカーを利用してみたいです! 

実現したら1日でも良いので小鹿キャンパスでも出店してくれたら嬉しいです。草薙だとなかなかいけないので、よろしくお願いします。

などの意見が寄せられました。

アンケートの詳しい結果はこちらからご覧ください。

5.アンケート結果の共有と話し合い


 お試し期間を終え、実施状況やアンケート結果を大学側と共有し、話し合いを重ねてキッチンカーが本格的に導入されることが決定しました。


    キッチンカーの導入、試験的なお弁当販売を行った結果、当初の目的の一部を達成しシステムの基盤ができたためK-commuとしての企画は終了となりました。今後は学生室を中心に進んでいく予定です。K-commuとしても気づいた点やアイデアがあれば積極的に提案するなどして学生生活がより良くなるよう、活動を続けていきたいと考えています。

6 . 活動を終えての感想

4月9日、学生室からの「食堂が3密状態になってしまった...。」この一言からこの企画が始まりました。

「やっと対面授業が復活したと思ったのに3密状態が続けば、また遠隔授業に切り替わってしまうかもしれない...

この状況をなんとかしたい!」と思い、K-commuのメンバーに相談をしました。対面授業復活は、仲間と再会する

機会を与えてくれ、大学生活の楽しさを教えてくれるものです。また、大学の友達と大学で食事をとることも

大学生活の楽しさの一つであり、3密を回避しながら食事を楽しめる仕組みを考えることが、大学生活をより充実

して過ごすための1つの策であり大切なことなのではないかと考えました。教職員の方々の協力もあり、お試し期間全3回

ができたこと、そして全4回にわたるアンケート結果を踏まえて、キッチンカープロジェクトが7月に本格始動できた

ことを本当に嬉しく思っています。学食は学食の、キッチンカーはキッチンカーの楽しみ方があるのではないでしょうか。

何が良くて何が悪いというのではなく、共存することで現状のマイナスの状況をプラスに変えていくこと

ができればいいなと思っています。


最後になりますがこの度は、協力してくださった教職員・地域の皆様、本当にありがとうございます。

そして、短期間でこのプロジェクトを形にできたのは企画者として携わってくれたのお陰だと思ってます。

本当にありがとう!

K-commuのVisionでもある「学生同士、学生と教職員を繋ぐ架け橋になること。」少しずつではありますが、

架け橋になる機会が増え、この短期的な架け橋が今後長期的な架け橋になることを目指したいす。

(全体コーディネーター)


👇企画者からの声

実際にキッチンカーを出店するまでの過程がとても大変でしたが、計3回の出店で多くの人と出会い、

コミュニケーションを取ることができました。県大生だけでなく、教職員の方々にも来店していただき、

いつもとちょっと違った贅沢ランチを楽しんでもらえたので良かったです。中村先生を始め、茶学総合研究センター

の方には無料でお茶を提供してくださり、お昼の時間がとても盛り上がりました。ありがとうございました。

プロジェクトに参加してくださった皆様ありがとうございました!(3年  三浦)


「食を楽しむ」というテーマを実際に形にしていくことができて、とても楽しかったです。利用者としても、

キッチンカーが来る学校ってすごくワクワクして素敵だなと思っています。(2年  渡邉)


私たちが考えたプロジェクトを学内の人たちが楽しんでくれているのを見て、とてもやりがいを感じました。

また、忙しい時もありましたが、責任をもって自分の仕事を全うできたので、よかったと思います。(1年  金子)


まず、今回のプロジェクトのテーマとして「食の多様性」があり、上食・下食・売店に加えてキッチンカーを配置することで食の選択肢を増やすことができたのはいい点だったと思います。しかし、もう一つのテーマとして挙げられていた「学生ホールの密回避」については、もう少し何かできたのではないかという気持ちです。今回、このような学生室と連携をとって行った大きな企画に参加できたことは自分にとってとてもいい経験になったし、この経験を今後の活動にも活かしていきたいです。(1年  間蔵)


👇担当職員(学生室長)からの声

 今までコロナ禍でネガティブな思考や規制がありながら大学が動いていたと思うのですが、キッチンカーにおいてはポジティブな思考で物事を進めることができて楽しく、勉強にもなり、意味があったなと思っています。

  試行期間を終えて、アンケート結果を振り返ってみると、前向きな意見を持つ人が8割から9割と多く、キッチンカーが来るということに興味をもってくれる人がいっぱいいるんだということが嬉しかったし、次に進むステップを踏めたのではないかと思いました 。

 一方で既存の食堂や売店に対する心配の意見もありました。キッチンカーを導入する上で上食、下食の方と話をして了解を得て話を進めてきていたのですが、心配をしている人もいることを改めて感じました。学生室としては上食も下食も売店も大事だし、キッチンカーは「週に一度変わったものを食べてみようという面白さが学内にあってもいいのかな」というスタンスで導入しています。キッチンカー協会さんは、もともとほかの場所も含めたトータルの売上で運営をしているので、県大であまり売上がなかったとしても、そこまで影響はないと思います。さらに、キッチンカーは人が来たら料理をつくる仕組みで、お客さんの様子を見て販売するという形態なので、SDGs的な観点からすると、キッチンカーによる食事の提供は望ましいと言えます。また、毎日違った食べ物が食べれるのは大学としてはありなのではないかというのも今回初めて気づきました。

 今回の企画のように、今後こうしたいというアイデアや希望は学生から発信していくことで、大学側も協力してくれるのではないかです。コロナでいろいろな面において、ネガティブ思考になっていると思います。だからこそポジティブな思考を持ち、今回のキッチンカーの企画のような、ポジティブな企画が今後もあるといいんじゃないかなと思っています。 ぜひ学生のみなさんから今後もそういった企画が提案されることを期待しています。