道の駅Q&A

ー道の駅の何が問題なのでしょうか。その疑問にお答えしますー

【NEW!!】既に施設建設のための工事契約を結んでいるので、これから事業を中止すると多額の違約金が発生するはず。中止を求めるのは無謀ではないですか?

確かに、工事契約は締結されており、施設の内容を大幅に変更したり道の駅事業を中止したりすると契約を解除することになります。市は解除によって生じた工事業者の損害を賠償しなければなりません。しかし、賠償額はあくまでも解除した時点で発生してしまった損害額(工事が終わってしまった部分の代金、準備済の資材で他の工事に転用できないものなど)であって、支払い済みの前払金ではありません。もちろん、工事費全額(11億9300万円)ではありません。

従って、工事着工前や着工後の早い段階であれば、損害賠償額はそれほど大きくはならないはずです。12億円近く使って無駄な施設ができてしまう方が、はるかに大きな「損害」が発生します。

【NEW!!】道の駅事業が県の事業認定を受けた結果、土地売買に税の減免措置が適用されています。事業を止めると、土地提供者に多額の不利益が発生するのではありませんか?

国税庁によれば、都道府県の事業認定による税の減免措置は、土地を売却した時点でその事業計画の実施が確実と見込まれる場合に適用されるもので、その後、事業を行う地方公共団体の事情による計画変更があっても、遡って取り消されることはありません。従って、道の駅事業を中止しても土地提供者に不利益が発生することはありません。

国税庁:「後発的な事情により事業計画の変更があった場合」https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/joto/14/46.htm

▶造成工事が始まり指定管理者も決まりました。今さら止められるのでしょうか?

造成工事は農地を建物建設ができる敷地に整備するもので、他の施設建設にも必要な共通工事です。また、指定管理者への委託期間は2025年(令和7年)4月からなので、まだ1年以上も先のことです。今事業を止めても大きな混乱はありません。建物建設工事はこれからなので、今なら事業の見直しや中止は十分可能です。

工事費が当初の計画から増加したそうですが、具体的に教えて下さい。

建物の建設費が9.5億円から15億円に増加しています。このほか、土地代5億円(日進市負担分)、敷地造成費6億円、周辺道路整備費 数億円を加えると総額30億円を上回る規模で、日進市の年間予算(約300億円)の1割以上の大型プロジェクトになっています。

国の補助や県の負担工事もあると聞いていますが、日進市民の負担額はいくらですか?

市は具体的な工事費内訳を公表しないので正確には分かりませんが、市議会での答弁では20億円程度とのことです。子どもからお年寄りまで含めて市民1人あたり2万円を超える負担になります。

中止すると既に支出した多額の費用が無駄になるのではないですか?

確かに、建物の設計などの準備に使った数千万円の費用は無駄になるかもしれませんが、土地代、敷地造成費及び周辺道路整備費は、他の施設建設にも必要なものなので無駄にはなりません。

工事費が増加したという理由で、住民投票までして計画の是非を問うのですか?

工事費の増加は大きな理由のひとつですが、それだけではありません。行政が社会情勢の変化に的確に対応していないことが問題なのです。例えば、このまま施設建設を強行すれば保育園増設や老朽化した教育施設・福祉施設の建て替えなど他の大事な公共施設の工事が後回しになってしまいます。なぜなら、今の市の財政には両方同時に実施するだけの余裕がないからです。どちらを優先するのかは市民全体にとって大きな問題なので、市民の投票で決める必要があります。

国の重点道の駅指定や県の事業認定を一方的に撤回して大丈夫でしょうか?

これらは主に施設建設に対する財政支援を受けるためのものです。施設自体の必要性等について市民の熟慮の末の判断で撤回するのであれば、おかしなことではありません。撤回した結果、罰則が生じるわけでもありません。

5年前の市長選で推進派が当選したので、決着がついているのではありませんか?

市長選挙は多くの政策を総括的に提示して争ったもので、道の駅だけを争点としたものではありません。道の駅には疑問だが政策全体を考慮して現市長に投票した人もある程度いる状況で、わずか100票余りの僅差での当選でした。決着はしていません。

中止してほかに使い道はあるのですか?

茨城県龍ケ崎市の道の駅のように、物販・飲食施設を見直したケースもあります。子育てや市民活動の総合拠点、屋外イベント会場など活用のアイデアはあります。みんなで考えれば良いアイデアが出るはずです。

日進を車で通過する人に立ち寄ってもらえれば、市のPRになるのでは?

単に休憩するだけではPR効果は殆どありません。今の計画では地元特産品の販売や日進の観光PRが主体ですが、知名度の高い特産品もなく観光資源に乏しい状況を考えると、他市町の人がわざわざ立ち寄りたいと思う施設ではありません。

市の中心部には「にぎわい」が欲しいです。だから道の駅が必要です。

子育てや市民活動の総合拠点、屋外イベント会場などにぎわい創出のアイデアはあります。「道の駅」にこだわる必要はないはずです。

日進にとっては、農業振興は重要な政策ではないかと思います。

農業振興は、「箱モノを作って農産物を販売すれば良い」という安直な方法では長続きしません。行政が農協、愛知牧場、商工会など関連組織と幅広く連携して、オール日進で地道に6次産業化など農業の付加価値向上を進めていくべきです。

子どもの遊び場が増えるのは良いことではないでしょうか?

計画されている施設は絵本や玩具を置いた部屋と屋外の小さな広場程度のもので、広くて大型遊具を備えた公園とは違います。自動車で出かけられる子どもの遊び場を増やすなら、市内の既存の大規模公園に一定の駐車場を作って遠方の市民が利用できるようにするやり方もあります。

能登地震のこともあり、災害時の拠点作りは急務だと思います。

能登地震の状況からわかるように、防災拠点は道路の寸断にも対処できるよう市内各地域に分散して置く方が効果的です。また、道の駅周辺は水災時の浸水想定区域に指定されていて、災害時の拠点として適地とは言えません。