課題研究発表

 国語教育学研究を見通す①

国語教育学研究、これから10年間のビジョン


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【テーマ】

 これまで全国大学国語教育学会の課題研究では、「国語教育における調査研究」「国語科教育を問いなおす」「国語教育学を見つめ直し展望する」をはじめとして、これからの国語教育学研究のあり方を問い深めてきました。また、2022年秋には『国語科教育学研究の成果と展望Ⅲ』(以下、『成果と展望Ⅲ』)の刊行が予定されています。このように、国語教育学研究はいま、これまでの10年間を振り返り、これからの10年間の研究について具体的な見通しをもつことが求められている段階にあります。刊行予定の『成果と展望Ⅲ』は、その拠点となるべき重要な資料の一つです。

 しかし、『成果と展望』を評価・活用し、今後の見通しを明らかにする試みは、これまで会員個々の研究活動としては行われてきたものの、学会として組織的に取り組まれてきたとはいえません。また、『成果と展望』の各編は、紙幅の制約上、「展望(これからの10年間のヴィジョン)」よりも「成果(これまでの10年間のレビュー)」が強調されやすい傾向がみられます。こうした経緯を踏まえると、『成果と展望Ⅲ』の刊行を契機として本学会がみずからこれを活用し、とくに「展望」の部分に厚みを加えるための議論のフィールドを設けることは、学会事業として大きな意義があると考えます。

 以上より、本課題研究では「国語教育学研究を見通す」をテーマとし、国語教育学はこれからどのような研究をしていけばよいのか、またどのように研究していけばよいのかについて、3回にわたって議論を深めることを目的とします。第1回(2022年秋)は、「国語教育学研究、これから10年間のビジョン」と題し、国語教育の基礎論や学力・リテラシー論を専門とする研究者による議論を行います。国語教育学研究の将来に向けて何をどのように展望すべきなのか、必要となる論点を明らかにすることによって、第2回・第3回の議論に結びつけたいと思います。

【登壇者】

 甲斐雄一郎(文教大学)

 中村敦雄(明治学院大学)

 山元隆春(広島大学)


【コーディネーター】

 竜田徹(佐賀大学)