1.日 時: 2018 年(平成 30 年) 1 月20 日(土) 13:30~16:50
2.テーマ: “2020 東京オリンピック・パラリンピックをどう迎えるか”
― 国際イベントの意義を考える ―
3.場 所 : JR 静岡駅ビル パルシェ7F 第2・第3会議室
4.主 催 : 静岡県 JICA シニア海外ボランティア協会(SOVA)
協 力 : 静岡県地域外交局、JICA 中部国際センター、
静岡県ボランティア協会、静岡県青年海外協力隊 OB 会
5.参加者 : 50 名
6.内 容
13:30~13:50 司会 : 松村皐月(SOVA 会員)
開会挨拶 : SOVA 会長 原 義廣
来賓挨拶 : 静岡県地域外交局 課長 土村暁文 氏
紹 介 : JICA 静岡デスク 国際協力推進員 山口実香 氏
13:50~14:40 基調講演
“ラグビーワールドカップ・東京オリパラなど国際イベントとツーリズム”
講演者 静岡ツーリズムビューロー ディレクター 府川尚弘 氏
府川氏は昨年1月に発足した DMO「静岡ツーリストビューロー(TSJ)」の総括責任者である。TSJ は県全域のインバウンド(訪日外国人)観光戦略を担うところである。府川氏は 1994 年から日本政府観光局で訪日外国人旅行者の誘致事業を担当し、2004 年から民間のツーリズムマーケティング会社で国際観光マーケティングなどを担当してきた経験豊富な方である。
「静岡県は海外での知名度は低い。外国人宿泊者数は年間 170 万人~180 万人しか来ていない。外国からの旅行者を迎えるには、受け入れ側の不安がある。地域としての自信が必要である。昨年オーストラリアの人気料理番組で静岡の体験などを売り出す企画を展開した。外国人は日本人のありのままの生活の姿を求めてやって来る。自然で静岡県の売りの1番は“富士山”である。しかし“マッターホルン”の観光誘致に比べ劣る、学ぶところがある。大型国際イベントのラグビーワールドカップ 2019 は来年9月会場の一つであるエコパスタジアムで4試合が決定している。来日外国人に静岡の魅力を PR してイベント終了後もインバウンドの増加に取り組む必要がある。2020 東京オリンピックも然りである。地域の魅力と誇りを静岡全体で世界に伝える“心の開国”を県域に広げて、もてなしができる旅行地にしたい。」と話した。
14:40 ~ 14:50 質疑応答
14:50 ~ 15:05 休 憩
15:05 ~ 16:00 パネルディスカッション “国際イベントをどう迎えるか”
ファシリテーター:鈴木 和美 (SOVA 会員)
パネラー: 望月哲也、中嶋くみ子、李錫泳、佐藤健太 各氏
望月哲也 氏 静岡市スポーツ交流課 課長
望月氏は静岡市観光交流文化局スポーツ交流課の課長である。
東京オリンピック・パラリンピックに向けた静岡市の取り組みについて話がなされた。「2020 年のオリンピックを契機として、静岡市はスペインと台湾とホストタウン登録をした。1番の目的は交流人口の増加である。
スペインや台湾との交流を深める施策を推進している。 静岡スポーツ交流課“つなぐプロジェクト”というFacebook を作った。“東京 2020 大会開催まであと〇〇日!本日の夢宣言!”というテーマでいろいろな人が登場する。是非見てほしい。」と述べた。スペイン語、中国語(繁体字)で翻訳付きである。
中嶋くみ子 氏 元 JICA シニアボランティア(ニカラグア ホテルサービス指導)
中嶋さんは湖西市新居町に在住。以前、浜名湖ユースホステルをご夫婦で約20年間、管理、運営してきた経験がある。“地域の「当たり前」を資源”にというテーマで話しがなされた。「地元新居町の手筒花火は外国人に人気がある。地域の偉人・豊田佐吉や本多総一郎の伝承館など価値のある物作りの心に触れる産業ツーリズム、新居町も通過した朝鮮通信使など歴史は重要な観光資源である。田舎の縁側カフェなど海外からのお客様に誇りを持って日本の田舎の魅力を発信することが大切である。みんなが外国人訪問客に“Welcome”とふつうに挨拶できるようになるといい」と話した。
李 錫泳 氏 静岡ツーリズムビューロー(TSJ) 静岡県国際交流員
イ ソンギョン氏は JET プログラムの国際交流員として 2016 年4月に韓国から来日し TSJ に席を置いている。韓国の大学で日本語・日本文学を4年間専攻し、日本語が大変流暢である。仕事は韓国からの誘客事業を担当しており、来訪客のアテンド・通訳、書類の翻訳等をしている。また、県内の魅力ある旬のイベントや観光・宿泊施設を取材し、県のソウル事務所が運営しているブログを通じて観光情報を韓国人に向けて発信している。「静岡は韓国に飛行機ですぐの近いところであるが、韓国人は静岡県の良いところをあまり知らない。外国人だからと言って特別なものを見せる必要はない。ありのままを見せれば喜ばれる」と話した。
佐藤健太 氏 青年海外協力隊静岡 OB 会 会長(元青年海外協力隊隊員)
青年海外協力隊員としてアフリカ マラウイ共和国へ「青少年活動」の職種で 10 年ほど前に2年間参加した。伊豆の国市の職員として現職参加のため帰国後の現在も市職員である。「JICA ボランティアの経験から、自分はマラウイが好きになった。訪れた国で人々に優しくしてもらったことでいいイメージを持つことになる。オリンピックなど国際イベントで来日した外国人にはいい印象を持ってもらうことが大切である。またオリ・パラなどの国際イベントは日本の子供たちが外国(異文化・多文化)に目を向けるいい機会になると思う。 子供たちに焦点を当てることも大切なことであると思う。」と話した。
16:00 質問・意見 および ディスカッション 司会:松村皐月(SOVA 会員)
パネラー間の質疑応答、会場からの質問などなされた。
16:30 総括コメント 府川 尚弘 ディレクター
「色々な意見が述べられたが、国際イベントを語る場合3つの視点がある、1国際交流2多文化共生3国際観光である。それぞれ異なった対応があるが、TSJ は国際観光の視点である。お仕着せの“おもてなし”ではなく、今ある自然など静岡の魅力を売りに“心の開国”を理念にして進めたい。子供たちが外国人に“こんにちは”と日常で対等に向き合える環境が大切である。」と結んだ。
16:40 閉会挨拶 SOVA 会長 原 義廣
シンポジウム終了後 反省会(静岡南口 つぼ八)参加者13 名
以上
(文責:事務局 島田 豊)