特定技能
在留資格「特定技能」の特徴
特定技能の特徴は、大きく3つあります。
①外国人にとって転職が可能
②日本での生活に慣れている
③最大で5年、分野によっては企業の定年まで雇用を見込むことができる
①外国人にとって転職が可能
特定技能は、単純労働が認められている在留資格です。つまり、「労働者」として日本に入国し、就業します。そのため、例えば同じような職業でも、条件の良い企業へ転職していく可能性があります。
同一業務を行う日本人と同等以上の給与水準が求められているため、即戦力としての雇用ができる一方、より多くの給与がもらえる都市部に転職を希望するケースがあります。
これを防ぐため、日ごろから業務中のサポートはもちろん、業務を離れた日常生活のサポートを行い、会社への愛着や帰属意識を高めていく必要があります。
②日本での生活に慣れている
在留資格の取得基準に、「技能実習を良好に修了していること」もしくは「特定技能の技能および日本語試験に合格していること」とあります。
特定技能を希望する外国人のほとんどが、技能実習修了者のため、少なくとも3年間は日本での生活、就業(実習)経験があります。しかも同業種での経験があるので、専門用語への理解が深いケースもあり、より一層即戦力として期待できます。
また、日常生活についても、ごみ捨てのルールをはじめ、日本特有の明文化されていないルール(気遣い)を理解している方も多くいらっしゃいます。
仕事のみならず、生活についても1から教えていくコストを考えると、雇用しやすいといえるでしょう。
③最大で5年、分野によっては企業の定年まで雇用を見込むことができる
特定技能での在留期間は最大で5年です。
業種は「建設」「造船舶用」に限られますが、この2分野については5年後も「特定技能2号」としての雇用が認められています。この場合、雇用される外国人が了承すれば、5年以上、ひいては定年までの雇用を見込むことができます。
雇用までの流れ
特定技能は、外国人を直接雇用します。技能実習と大きく異なる点は、「労働者」であることです。在留資格の取得も、入国できるかどうか(日本に引き続き在留できるかどうか)の判断のみのため、関わる省庁は出入国在留管理局のみとなります。
求人票確定から雇用までの期間は、約5~9か月です。
①求人票確定~面接:約1ヵ月※1
②面接・内定~在留資格申請:約1ヵ月※2
③在留資格申請~在留資格許可:1~5か月※3
④在留資格許可~引っ越し・入国:約1ヵ月
⑤引っ越し・入国~就業開始:即時
※1:求人票の条件や依頼先のエージェントにもよるが、おおよそ1ヵ月程度
※2:雇用する外国人の国籍によっては、入管の手続きより先に海外での手続きが必要な場合があるため変わってくる可能性あり
※3:各地域の入管の混雑具合によったり、資料の再提出を何度も求められる可能性があるため、最短でも約1ヵ月程度かかる
登録支援機関とは、業務以外の日常生活をはじめとする、特定技能外国人の支援を行う機関です。受け入れ企業から業務委託を受けて活動する企業や非営利団体、行政書士法人などが一般的です。
必ず支援業務を委託する必要はないため、受け入れ企業内で内製化できるのであればそれにこしたことはありません。
支援業務は、義務として下記の9項目があります。
①事前ガイダンスの実施
②出入国の際の送迎
③住居の確保やライフライン等生活に必要な契約に係る支援
④生活オリエンテーションの実施(参照:外国人生活支援ポータルサイト)
⑤日本語学習の機会の提供
⑥相談又は苦情への対応
⑦日本人との交流促進に係る支援
⑧会社都合退職の際の転職支援
⑨定期的な面談の実施と行政機関への通報
登録支援機関によって、上記の義務的支援に加え、特色ある支援を行ったり、支援委託費(月額の委託料)が異なったりしています。
支援業務を委託する際は、自社の業種に理解が深いか、外国人支援などの経験があるか、事前に聞き取りを行うことが必要です。