水木 さとみ先生 多摩大学大学院 客員教授
【抄録】
日常生活の中で突然降りかかる事故、口腔領域にも外傷を追う患者は少なくない。患者が幼児期や学童期であれば、保護者や周囲の大人たちは、気が動転し、動揺するあまりに混乱状態に陥る。こうした大人たちの心理状態は子供に伝わり、子供はさらなる不安と恐怖の渦に巻き込まれていく。一方、成人した患者であっても心理的なダメージは避けられない。治療そのものへの不安、症状の痛みや違和感からくる苛立ちや不安、機能回復に向けた期待の中にも予後が悪くなりはしないか、仕事への影響はないかなど、心理社会的な観点からも様々な予期不安が過る。こうした患者のストレスや感情(不安や恐怖、苛立ちや不満など)が、時に医療者に向けられてくることがある。本講演では、患者心理を理解した上で、患者のメンタルマネジメントの一環として適切な対応をご紹介すると共に、医療者側のストレス軽減に向けたストレスマネジメントにも触れていきたい。明日からの実践に役立てられれば幸いである。
【略歴】
医学博士・心理カウンセラー・歯科衛生士
(株)エム・エイチ・アイ 所長
医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス理事
多摩大学大学院(MBA課程) 客員教授
横浜歯科医療専門学校 非常勤講師(心理学講座 / コミユニケーション論講座)
1982年 法政大学社会学部卒業
1985年 日本歯科大学付属歯科専門学校歯科衛生士科卒業(歯科衛生士)
1991年 アメリカ合衆国に1年半在住、帰国後、各種心理療法修得
1996年 横浜市立大学医学部研究生(口腔外科学専攻)
横浜市立大学医学部精神医学講座にて学ぶ
1999年(株)メディカルヒーリング研究所(MHI)設立(所長)
企業・一般・医療・歯科分野におけるストレスマネジメント、心理学・行動科学に基づく
コミュニケーション、ヒューマンリソースマネジメントに関する執筆・講演・セミナー多数
2000年 横浜商科大学人権問題・学生相談カウンセラー(2000年~2004年)
2003年 東京医科歯科大学頭頸部心身医学分野 客員臨床講師(2003年~2008年)
2005年 横浜市立大学より医学博士の学位を授与
2013年 医療法人社団信和会 ミズキデンタルオフィス理事
2014年 多摩大学大学院(MBA課程) 客員教授
2014年 学校法人みなとみらい学園 横浜歯科医療専門学校 非常勤講師(心理学講座)
2024年 同専門学校 非常勤講師(コミュニケーション論講座)