教育講演
外傷に起因する外部吸収に対する保存的対応
三橋 晃 先生 神奈川歯科大学臨床教授
【抄録】
今回の教育講演では、外傷に起因すると思われる外部吸収や内部吸収歯への対応について、歯内療法の立場から臨床例を動画も交えて供覧したいと思います。講演では、これらの吸収性病変の病態、診断方法、および治療戦略に焦点を当てていきます。外傷による吸収は歯質の消失を引き起こし、適切な対応が不可欠です。小児および成人患者の臨床例を通じて、外部吸収および内部吸収のメカニズムと特徴を解説し、診断にはX線写真やCT画像を活用することの重要性をお話しします。
講演中には、治療プロセスを視覚的に理解できるようにするため歯科用マイクロスコープを用いた動画を提示します。治療法としては、根管治療、吸収部位の除去および修復、再生材料の応用、最終補綴装置はどうしていくか、なども紹介し、それらの適用条件についても説明します。また、外傷による吸収の予防策や早期発見の重要性についても言及し、患者およびその家族への適切な情報提供の必要性を強調したいと思います。
本講演を通じて、外傷に起因する外部吸収および内部吸収歯に対する歯内療法の有効性を実証し、臨床現場での応用可能性を高めることを目指す。先生方が吸収性病変の診断と治療に関する知識の確認、そして臨床スキルの向上に寄与できればと思います。
【略歴】
1991年;神奈川歯科大学歯学部卒業
1991年;神奈川歯科大学保存修復学教室助手
2001年;神奈川歯科大学附属病院かみ合わせ外来~咬み合わせリエゾン診療科併任
2004年:歯学博士
2008年;神奈川歯科大学口腔医歯学系口腔治療学講座歯内療法学分野講師
2013年;神奈川歯科大学大学院歯学研究科歯髄生物学講座講師(名称改名)
2014年;神奈川県鎌倉市で「鎌倉デンタルクリニック」開業
2014年;神奈川歯科大学口腔医歯学系口腔治療学講座歯内療法学分野特任講師
2016年;神奈川歯科大学臨床教授/神奈川歯科大学附属横浜クリニック非常勤~現在
2023年;一般社団法人日本顕微鏡歯科学会代表理事(会長)~現在
【役職・専門医等】
2013年~ 日本顕微鏡歯科学会理事
2016年~ 関東歯内療法学会副会長
2019年~ 鎌倉市歯科医師会学術担当理事・神奈川歯科大学同窓会神奈川県支部学術理事
2021年~ 日本顕微鏡歯科学会副会長
2023年~ 日本顕微鏡歯科学会会長
1999年 咬み合わせ(顎咬合学会)認定医
2002年 日本歯科保存学会専門医
2010年 日本顕微鏡歯科学会認定医
2011年 日本口腔顔面痛学会指導医
2013年 日本顕微鏡歯科学会指導医