隠匿情報検査(CIT)

隠匿情報検査(Concealed Information Test: CIT)は,日本の犯罪捜査で実際に用いられている捜査手法です。下図のように,犯人であったら知っているはずの事件に関する項目と,それと似ているけれど事件とは関係しない項目を被検査者に示し,そのときの反応を測ります。項目間で反応に違いがみられるか否かかから,事件に関する項目を知っているかどうかを調べます。

反応としては,一般に,心拍数,皮膚電気活動,呼吸,末梢血管抵抗などの自律神経系活動を測ります。複数の測度を同時に測るので,「ポリグラフ検査」ともよばれます。研究場面では,脳活動や行動反応を測ることもあります。

日本の警察では,隠匿情報検査が年間約5,000件行われています(Osugi, 2011)。心理学的に妥当な検査法を捜査に活用しているとして,海外の心理学者や捜査機関からも注目されています。詳しくは以下の総説をご参照ください。

松田いづみ(2016)隠すことの心理生理学:隠匿情報検査からわかったこと 心理学評論, 59, 162-181.