第8回 講義動画
1.一酸化窒素イントロダクション (05:22) 6/5 リンク修正
講義内容: 窒素の化学について学ぶ 🧪
場所: テキスト118ページ、セクションC
主題: 窒素の酸化物、特に一酸化窒素の分子軌道エネルギー準位図の解析 🔬
一酸化窒素 (NO): 化学的性質の説明 🧑🔬
電子配置と性質: 一酸化窒素は奇数個の電子を持つため、不対電子が存在する ⚡
名称・構造・性質: 窒素酸化物の分類 🌍
窒素の化合物: 参加数 -3から+5まで幅広い化合物を生成 ⚙️
重要化合物: N₂、NO、N₂O₃、NO₂、N₂O₅ 💡
反応式: NOは化学反応を通じて生成される 🔄
例: 銅と希硝酸との反応からNO生成
一酸化窒素の性質: 無色,沸点-151.7℃ 🌡️
液体・固体状態: 不対電子を相殺し2量化する
NOの生理的役割: 循環器系で信号伝達物質として重要 🩺
生体内機能: 循環器系での信号伝達 🔔
一酸化窒素(NO)の生成 🧪
生体内で生成され、血管内皮細胞で作られる
L-アルギニンからNO合成酵素(NOS)によって生成される
NOの生成には酸素とNADPHが必要
NOの血管拡張作用 💉
NOは血管内皮細胞から血管平滑筋に移行
血管平滑筋でNOはグアニル酸シクラーゼを活性化
活性化された酵素がGTPをサイクリックGMP(cGMP)に変換
cGMPがプロテインキナーゼGを活性化し、血管拡張を引き起こす
NOと強心症の治療 ❤️🩹
NOによる血管拡張作用は強心症の治療に有効
強心症は血流が制限される病状であり、NOは血流を改善する
PDE5阻害薬の役割 💊
PDE5(ホスホジエステラーゼ5)がcGMPを分解
シルデナフィル(バイアグラ)などの薬がPDE5を阻害
これによりcGMPの蓄積が増え、血管拡張作用が持続
NOの特徴 🌬️
NOは脂溶性を持ち、細胞膜を通過しやすい
一酸化窒素は血管拡張を引き起こし、強心症の治療に使用される
一酸化窒素分子の分子機動エネルギー準位 🧑🔬
酸素やフッ素と同様に分子軌道エネルギー準位図が書ける
シグマ軌道とパイi軌道のエネルギー準位を考慮しないで書ける
窒素分子のような逆転を考慮しない
分子軌道エネルギー準位図の構成 🖊️
2s軌道同士の相互作用でシグマとシグマスターが形成
2p軌道同士でシグマ軌道、パイ軌道が形成される
結合度の計算 🔢
NOの結合度: 2.5
NO+: 3.0(結合強度が強くなる)
NO+とNOの結合の比較 ⚙️
NO+: 結合が強固、実測値に一致
NO+: 結合長が短く、安定性が高い
NOのさらなる変化 🔋
NOにさらに電子を追加してNO-に変化
NO-は酸素と同じ電子配置になり、反応性が高くなる
一酸化窒素の錯体形成 ⚛️
金属との錯体形成には特殊な電子供与様式(1電子または3電子)
通常の2電子の供与とは異なる特殊な結合様式
一酸化窒素の生理作用 💉
セカンドメッセンジャーとして血管拡張作用を示す
サイクリックGMPを介して作用
💊 一酸化窒素の医薬品利用: 一酸化窒素は血管拡張作用があり、強心症治療に期待されている。
🔬 メカニズム: 体内で一酸化窒素を生成し、セカンドメッセンジャーが血管拡張を促進。
💡 代表的薬物: 亜硝酸アミルとニトログリセリンは血管拡張薬。
🧨 ニトログリセリン: ダイナマイトの原料、グリセリンエステル。
🧪 亜硝酸アミルとニトログリセリンの違い: 亜硝酸アミルは亜硝酸エステル、ニトログリセリンは硝酸エステル結合。
💨 服用方法: 亜硝酸アミルはガラス管を割り、気化したものを吸入する。
🏥 ニトログリセリン投与法: 舌下、スプレー、パッチなどで投与。
🌿 利点: 舌下投与は早く吸収され、肝臓を通過せず直接血管拡張作用を発揮。
NO₂(二酸化窒素) 🟤
高校で習う酸化窒素
sp²混成
結合が弱く、NO₂は常磁性、N₂O4は反磁性
NO₂は褐色、二量化で無色
分子形と反発 ⚡
NO₂とNO₂⁻の形状、反発の大きさ
NO₂⁻は孤立電子対の反発で結合角が狭い
NO₂は電子対反発が少なく、結合角が広い
N₂O(亜酸化窒素) 💨
麻酔薬として使用、無色・不活性
笑気ガスとして知られ、共鳴安定化している
N₂O₃ 💧
水と反応して亜硝酸を生成
ニトロソ化反応の中間体として重要
N₂O₅(五酸化二窒素) 🔥
常温で固体、沸点47度
水と反応して硝酸生成
オストワルト法 ⚙️
NO₂から硝酸を作るサイクル
反応中で酸化還元反応(不均化反応)が起きる
不均化反応 🔄
酸化数の増加と減少が同時に起こる反応
硝酸生成過程での例が示された