第5回 講義動画
8.
第2族元素について 🧪
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム
ベリリウムは共有結合性化合物を作りやすい ⚡
電気陰性度の特徴 ⚡
ベリリウム以外は比較的低い電気陰性度
炎色反応 🔥
ベリリウム、マグネシウムは示さず
カルシウム、ストロンチウム、バリウムは炎色反応あり
マグネシウム化合物の利用 💊
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムが古くから使用
制酸剤としての使用 💊
胃薬や中和剤として用いられる
酸化マグネシウムの性質 🌡️
水に溶けにくく、中和反応が遅い
遅効性だが持続性あり
マグネシウム含有製剤 ⚖️
制酸剤として用いられるとともに,緩下剤としても用いられる
緩下剤としてMg含有製剤がどのように薬効を発揮するのかを理解する必要がある
医薬品の規格 🏥
日本薬局法での基準に従い、品質規定がある
確認試験 🧪
日本薬局法に基づく酸化マグネシウムの確認試験
マグネシウムイオンの存在を確認するための試験方法が規定されている
炭酸アンモニウム反応 💧
炭酸アンモニウムで白色の沈殿(炭酸マグネシウム)を確認
炭酸アンモニウムはアルカリ性で水酸化物イオンを生成
沈殿の化学反応 🧪
水酸化物イオンとマグネシウムイオンが反応して水酸化マグネシウムが沈殿
沈殿物は白色で、特定の条件下で結晶化
塩化アンモニウムの影響 🧴
塩化アンモニウム添加で炭酸マグネシウムが解ける理由はアンモニウムイオンによる炭酸イオンの消費
リン酸水素ナトリウムの反応 🔬
リン酸水素ナトリウムを加えるとリン酸アンモニウムマグネシウムが生成
この結晶は尿路感染に関係しており、結晶化に寄与する
水酸化ナトリウム反応 🧪
水酸化ナトリウムを加えると白色の水酸化マグネシウム沈殿
一部の水酸化マグネシウムがヨウ素と結合し、暗色の沈殿を生成
酸化マグネシウムの用途 🎵
便秘薬(緩下剤)としても使用される
副作用 ⚠️
便秘していない人が摂取すると、下痢の副作用が起こる可能性あり
作用メカニズム 💡
腸内の水分を集めて便を柔らかくし、スムーズな排便を促進
飲むとマグネシウムイオン(Mg2+)が腸に移動し、浸透圧の差で水分が腸内に移動
これにより便が柔らかくなり、腸の運動が促進される
胃腸内のpH変化 🔬
胃は酸性、腸はアルカリ性に変化
腸のアルカリ性は炭酸水素イオンの生成が関与
酸化マグネシウムの反応 🔄
酸化マグネシウムは中和反応でマグネシウムイオンを生成し、腸内で炭酸水素マグネシウムなどの形に変化
効果と副作用の違い ⚖️
便秘の人には効果的だが、胃調子が悪い人には副作用(下痢)が出る可能性あり
反応概要 🎶
アルカリ金属とハロゲン反応 → ハロゲン化物(MX₂)生成
マグネシウムやカルシウムの塩化物は吸湿性
水和物の加熱 🔥
マグネシウム塩化物(MgCl₂)加熱 → ヒドロキシ塩化物に変化
さらに加熱 → 酸化マグネシウム(MgO)生成
反応式:MgCl₂·6H₂O → Mg(OH)Cl·HCl + 5H₂O
加水分解(ハイドロリシス) 💧
水分子が化学変化に関与 → 反応が進行し元に戻らない
例:エステルの加水分解と類似
無水塩化マグネシウムの作成方法 ⚗️
塩化チオニルと反応させる → 6水和物から無水化
生成物:SO₂, HCl
SOCl₂の役割 🔬
ルイスの酸・塩基として反応
アルコールとの反応 → OHがClに置換(SN1反応)
アルミニウムの制酸剤利用 🎵
アルミニウムは両性元素(アンホテリック)で、酸やアルカリを中和可能。
歴史的に制酸剤として利用されてきた。
制酸剤の種類 🧪
水酸化アルミニウムゲル、合成ヒドロタルサイト、スクラルファートなどが使用されている。
新しい薬剤としてもアルミニウム化合物が含まれている。
水酸化アルミニウムゲルの作用 💊
中和反応(3段階)で胃の酸を中和し、胃粘膜を保護。
中和速度は遅く、CO2を発生させない。
スクラルファートの役割 🛡️
消化性潰瘍の治療薬で、胃壁を保護する膜を形成。
化学反応と構造 ⚗️
水酸化アルミニウムやアルミニウムを含む薬剤は中和反応を通じて胃のpHを調整。
アルミニウムイオンは胃壁から吸収されない
金属イオンの性質 🧲
周囲の分子やイオンを規則的に配列する性質あり。
錯体を形成。
錯体の定義 ⚗️
中心金属の周りに規則的に配列された分子やイオン。
「配位化合物」または「錯体」と呼ばれる。
リガンドと配位数の関係 🔗
中心金属に電子を共有する分子やイオンを「リガンド」。
リガンドの数は「配位数」と呼ばれ、6つのリガンドで「6配位」となる。
水酸化アルミニウムの例 💧
アルミニウムカチオン(Al³⁺)が中心に存在。
周りに水酸化物(OH⁻)と水分子(アクア)が規則的に配列。
ルイス酸として電子対を受け入れる。
アルミニウムの電子配置と混成軌道 🔬
アルミニウムは3s²3p¹の状態から3+イオンに。
6つの空の軌道(3s, 3p, 3d)を使ってsp³d²混成を形成。
正八面体構造を取る。
正八面体と平面四角形 🔲
sp³d²混成は正八面体、dsp²混成は平面四角形。