卒塔婆(そとば)について

卒塔婆について

卒塔婆(そとば)は、元々は、お釈迦様の遺骨(仏舎利)を納めた塔(ストゥーパ、stūpa)を指す言葉です。

その後、インドや中国で仏舎利を納める塔を各地に建立することが信仰心の現れの1つと位置付けられるようになりました。(例:アショーカ王の仏塔、呉越忠懿王の宝篋印塔など)

それが、日本にも伝わり、鎌倉時代より現在に至るまで、亡くなられた方のあの世での助けにするために、それを模した板塔婆を墓地に建てる追善供養(塔婆供養)が行われています。

卒塔婆に書かれる内容

卒塔婆には、表面には仏様のお名前、亡くなられた方の戒名、回忌の種類が、裏面には、梵字、供養をした日付、施主のお名前が書かれています。

特に、亡くなられてから49日までは、中有(ちゅうう)と呼ばれる、現世でも来世でもないあやふやな時期で、7日ごとに十王による現世での行いについての裁判が行われています。その7回の裁判ごとに、卒塔婆をお墓に建てて追善供養を行うことで、支援者がいることになるので、裁判中の方の助けとなるのです。

49日以降の百か日、一周忌から37回忌、50回忌までの各追善供養の際にも、卒塔婆を建てることが重要なのは、それまでと同様です。

参考文献:多田孝正著『お位牌はどこから来たのか』(興山舎刊、2015年3刷)・『岩波仏教辞典 第二版』(岩波書店刊、2014年2版7刷)