葬儀・法事に読むお経

葬儀・法事に読むお経

このページでは葬儀・法事で読むお経を紹介します。(※宗派、地域、寺院によって異なります)

※経題の50音順です

『参同契』(さんどうかい)

朝のお勤めや通夜式、法事の際などに読む漢詩(頌)です。中国・唐の石頭希遷(せきとうきせん)禅師の作です。当時、中国で流行していた道教に対抗して、仏教の奥義を示すために作られたとされます。五言×44句の220文字で構成されています。

詳しく知りたい方は『やさしく読む参同契・宝鏡三昧』(椎名宏雄著、大法輪閣、2018年)をお読みください。

『舎利礼文』(しゃりらいもん)

お位牌やお墓の開眼、法事の際などに読むお経です。お釈迦様のご遺骨(舎利)を礼拝供養するところから悟りの世界に入っていく内容が説かれています。72字で構成されています。

『修証義』(しゅしょうぎ)

通夜式やご葬儀、法事などの際に読むお経です。鎌倉時代初期に道元禅師が書かれた『正法眼蔵』(しょうぼうげんぞう)から、明治時代末期に大内青巒居士が要点を抜き書きしたものを、時の禅師様方によって校訂再編集されたものです。一、總序、二、懺悔滅罪、三、受戒入位、四、発願利生、五、行持報恩の全5章からなります。

詳しく知りたい方は『修証義十二か月』(正・続、水野弥穂子著、曹洞宗宗務庁、PHP研究所、2016年)をお読みください。

『消災妙吉祥陀羅尼』(しょうさいみょうきちじょうだらに)

お位牌・ご仏壇・お墓の開眼式やその他の法要の際などにお唱えする陀羅尼です。正式には『仏説熾盛光大威徳消災吉祥陀羅尼』(ぶっせつしじょうこうだいいとくしょうさいきちじょうだらに)と言います。お釈迦様が天界で菩薩や星神たちに、この陀羅尼をお唱えすることで、一切の災難を消し、一切の吉祥を成就させられる功徳が説かれています。

詳しく知りたい方は『禅宗の陀羅尼』(木村俊彦、竹中智泰共著、大東出版社、1998年)をお読みください。

『大悲心陀羅尼』(だいひしんだらに)

「納棺経」(のうかんぎょう)や様々な法要の際にお唱えする陀羅尼です。正式には『千手千眼観自在菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼』(せんじゅせんげんかんじざいぼさつこうだいえんまんむげだいひしんだらに)と言います。観音様の様々な功徳が説かれています。

詳しく知りたい方は『禅宗の陀羅尼』(木村俊彦、竹中智泰共著、大東出版社、1998年)をお読みください。

『般若心経』(はんにゃしんぎょう)

朝のお勤めや法事、様々な法要の際に読むお経です。正式には『般若波羅蜜多心経』(はんにゃはらみつたしんぎょう)と言います。大乗仏教の空思想が説かれた『般若経』の核心部分を凝縮したお経です。276字で書かれています。

詳しく知りたい方は『般若心経入門』(松原泰道著、祥伝社文庫、2003年)をお読みください。

『宝鏡三昧』(ほうきょうざんまい)

朝のお勤めや通夜式、法事の際などに読む漢詩(頌)です。中国・唐の洞山良价(とうざんりょうかい)禅師の作とされています。お釈迦様の悟りの境地を讃美した歌です。四言×94句の376文字で構成されています。

詳しく知りたい方は『やさしく読む参同契・宝鏡三昧』(椎名宏雄著、大法輪閣、2018年)をお読みください。

『法華経』(ほけきょう)

朝のお勤めや通夜式、ご葬儀、法事の際などに読むお経です。正式には『妙法蓮華経』(みょうほうれんげきょう)と言います。鳩摩羅什によって中国語訳されました。お釈迦様が様々な例えを用いて、人々を悟りの世界に誘う内容が説かれています。8巻28章で構成されています。禅宗では特に『如来寿量品』『如来神力品』『観世音菩薩普門品』を読みます。

詳しく知りたい方は『法華経』(上・中・下、坂本幸男・岩本裕共訳注、ワイド版岩波文庫)をお読みください。

『遺教経』(ゆいきょうぎょう)

ご葬儀の一連の流れでの最初となる「枕経」(まくらぎょう)の際に読むお経です。正式には『仏垂般涅槃略説教誡経』(ぶっしはつねはんりゃくせつきょうかいぎょう)と言います。今から約2500年前に、お釈迦様がクシナガラで涅槃(ねはん)に入られた際、集まったお弟子さんたちに対して説かれた最後の説法とされているお経です。

そこには、仏教が勧める安寧の状態である涅槃に至る8つの修養法(八大人覚)、一、少欲、二、知足、三、寂静に住む、四、精進に勤む、五、正念を守る、六、禅定を修む、七、智慧を修む、八、戯論せず、が説かれています。

詳しく知りたい方は『改訂版 遺教経に学ぶ』(安藤嘉則著、曹洞宗宗務庁、PHP研究所、2018年)をお読みください。