前作ではスパークスキルという戦闘システムを作った。しかし実際にプレイしてみると回復スキルを習得するために敵前で防御連打をしなくてはいけなかったり、通常攻撃連打で攻撃力が妙に増えていったりと、なんだかんだ歪で窮屈なシステムになってしまった。そのため、当時遊んでいた格闘ゲームを模倣しながらRPG風に落とし込めないか、というのがウォルターの大剣の戦闘システムの構想だった。格闘ゲームには”置き技→差し込み技→差し返し技→置き技”のような一部循環する読みあいの要素があり、RPGのようにダメージのやり取りをするのではなく一方的にダメージを与えることがあるため、そういう要素を取り入れるのが目標のひとつだった。結果は、1ターンの思考時間を増やすことには成功したが、それを爽快感やヒリつき感と繋げることは出来なかった。性格特性との長い格闘の果てに、運要素が全くない事は単なる作業だったかと思う。RPGツクールの既存のフロントビュー戦闘がよくできているということを思い知らされた。次はもっとRPGに寄った作品になるはずなので、この経験が生きれば幸い。
世界設定には2019年頃からあたためていたものが役に立った。2019年は、私が初めてたっぷりと時間をかけて絵を描くようになった時期で、ほとんどのキャラクター設定と世界設定はこの時に生まれている。イエローブリックでは魔法(時空間からエネルギーを引き出す技術)にばかり頼ってきたため、科学(主に数学や物理)が発展する余地がなかった。その中で数学や物理を追求していたアレハンドロは異端として追放されてしまっているし、科学を蔑ろにした結果、魔法が発展的に活用できず、リソースはあっても大したことはできない文明になってしまった。軍事的な面でも、金属製の乗り物を数人の術師で浮かせるのがやっとのありさまである。魔法技術が生活に応用される例として、常に強力な風が吹いている用水路のようなものが町中に張り巡らされていて、デスストームの後は積もった泥や砂をそこに放り込んで掃除をする、というようなものを考えたが、本編で出番はなかった。
イエローブリックを襲うデスストームは、気候変動だけが原因ではなく、魔剣ヒューマンチェアーの作用で地球に月が墜落してきた海面上昇や、ヒューマンチェアーそのものの重力操作作用のせいで起こったもので、月が衛星軌道上に戻ったエンディング後には規模は弱まり、地上でも生活ができる程度になっている。
イエローブリックには大別して人間族と魔物族という種族が住んでいるが、魔物族は時空間の亀裂に接触した人間であり、人間による差別的な呼称として魔物と名づけられた。人間族と魔物族の間には長らく戦争が絶えなかったが、勝利した人間族は魔物族を厳しく管理しようとしている。そのため魔物族には人間族に対する憎しみがあり、ユーリはそれを焚きつけて自身の目的を果たそうとした。ユーリ自身は魔物に対する情があったわけではなく、月を浮上させた後に、魔物たちの生命力を魔剣で吸い上げるために大勢を集めたに過ぎない。つまりユーリにとって月に集めた魔物族は単なる食料も同然なのであった。
魔剣戦争は魔物族と人間族の争いよりもずっと前に起こった、アメリア国とソビア連邦という二大国家間の戦争で、魔剣も聖剣もそのときに製造されたもの。ウォルターの大剣の時代に存在する魔剣は4つで、ウォルターの所持する魔剣スリープ、ユーリがクレイグから奪う魔剣ナイトフォール、月とその周辺の重力操作を行った魔剣ヒューマンチェアー、城塞都市シャオチェンバオに収蔵されている魔剣アシッドキングのみである。聖剣ペンタグラムは魔剣の駆動回路のみに働きかけるフィールドを展開する兵器。魔剣戦争時には湯水のように戦場に放たれ活躍したが、月の墜落による影響で大都市や人口の殆どが消滅し、その製造法も現存しないため希少なものとなっている。
超上的な能力
イーヴィルシード(ガジェット)
★公開日2026/1/12