曳山と池田町
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江戸の昔より続く水口曳山祭り。 その中で、私たち池田町のシンボルとして、また人々の魂の拠り所として、この曳山は町の中心にあり続けてきました。
池田町の曳山は江戸時代後期に作られました。木肌をいかした白木山で、全中 3.00m、全長 3.90m 、全高 5.05m、車経 1.33m全長です。幾度もの修繕を重ね、先人たちの手によって大切に守り継がれてきた町の宝です。大きく張り出した屋根、ギシ、ギシと音を立てて回る車輪。その一つひとつに、長い歴史と町衆の想いが刻み込まれています。
屋根の下や欄間(らんま)に施された、躍動感あふれる彫刻。これは、当時の職人たちが腕を競い合った魂の結晶です。一体一体の表情や、その繊細な毛並みまで、ぜひ間近でご覧ください。
曳山の背面を飾る、色鮮やかな刺繍が施された見送り幕。歴史物語の一場面や、縁起の良い図柄が描かれ、祭りの華やかさを一層引き立てます。池田町の見送り幕は近年京都で新調した「緋羅紗地下り藤紋(ひらしゃじさがりふじもん)に池田町文字刺繍」で、緋羅紗地を置き、周りを刺繍した切付繍(きるつけぬい)の技法で、下り藤と池田町の文字であしらわれています。 風に揺れるその姿は、見る人の心を魅了します。
私たちの町、池田町もまた、多くの地方と同じように少子高齢化という大きな課題を抱えています。 祭りの担い手は年々減り、準備や運営は決して楽なことばかりではありません。 「もう、昔みたいにはいかない」 そんな声が聞こえてくることもあります。
それでも、私たちは曳山を曳き続けます。 なぜなら、この曳山は、ただの飾り物ではないからです。 それは、私たちの過去であり、現在であり、そして未来そのものだからです。
一人ひとりの想いが、この重い車輪を少しずつ、少しずつ前に動かしています。
決して平坦な道のりではありません。 ですが、私たちは信じています。
この曳山がある限り、池田町は終わらない、と。
私たちの活動を、どうか温かく見守り、応援していただけますと幸いです。