IFADと日本のパートナーシップ
日本政府はIFADが創設された1977年以来、IFADの最大の貢献国のひとつであり(総拠出額6億6,200万米ドル)、重要なパートナーです。日本とIFADは、特にアフリカとアジアにおける食料安全保障や栄養改善といったビジョンを共有しています。
IFADと日本のパートナーシップの詳細:https://www.ifad.org/documents/38714170/41984124/ifad-japan-japanese.pdf/b16c3d6a-9d98-d4e9-b4cc-db3d5f101791?t=1687437556237
日本とのパートナーシップに関するIFADのホームページ(英語):
① 農林水産省とのパートナーシップ
●日・IFAD共同声明 ~強靭で持続可能な農業・食料システムのための戦略的パートナーシップについて~
2023年4月、農林水産省とIFADは日・IFAD共同声明「強靭で持続可能な農業・食料システムのための戦略的パートナーシップについて」に署名をしました。本共同声明では、後述するELPS(エルプス)イニシアティブの立上げについても触れられています。
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●民間セクター・小規模生産者連携強化(ELPS)イニシアティブについて
2023年4月、G7宮崎農業大臣会合の議長国イニシアティブとして、日本の農林水産省は民間企業の参画により途上国を含む世界中の小規模生産者と食料システムを持続可能なものとするための「民間セクター・小規模生産者連携強化(ELPS:エルプス)」イニシアティブを立ち上げ、IFADはその実施機関になりました。
ELPSは、民間セクターによる開発途上国の農業・食料システムへの参画・投資の促進により、小規模生産者による農業をより生産性の高い、持続可能なものへと転換していくことに加え、生産物を売れる市場への参入を推進することを目指します。特に、IFADが設立以来、 開発途上国の農村地域で築き上げてきたネットワークを活用して、民間セクターと小規模生産者の橋渡しをすることに重点を置いています。
ELPSの目的は、小規模生産者がグローバルなサプライチェーンに参加できるよう支援し、原材料などを海外(特にIFADが活動する開発途上国)で調達する農業・食品企業のサプライチェーンの発展を促進することです。この発展とは、供給量や品質の向上だけでなく、環境への影響や人権への配慮を重視し、サプライチェーン全体の持続可能性を高めることを意味します。ELPSは、民間セクターと小規模農家の双方に利益をもたらすWin-Win の関係構築を目指しています。
なお、このELPSは、2023年に国連事務総長が発行した食料システム改革に向けた取組に関するレポートの中で、G7の主な成果として取り上げられています。
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・ELPSイニシアティブ第一号案件について
IFADは、農林水産省、UCC上島珈琲株式会社(UCC)、丸紅株式会社(丸紅)と連携し、ELPSイニシアティブ第一号案件として、タンザニアにおける「持続可能なコーヒー生産プロジェクト」を2024年9月に立ち上げました。
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本プロジェクトは、タンザニア南西部9つの農業者組織を対象に、環境持続可能性への配慮とコーヒーの生産性や品質改善等に係る支援を通じて、小規模なコーヒー生産者の生計向上を目指しています。また、本プロジェクトにより、民間企業によるタンザニアからのコーヒー原料の安定供給にも資するため、民間セクターと小規模生産者の双方への裨益が見込まれます。このプロジェクトの中で、UCC は、育苗、環境負荷の少ない農法、堆肥生産、収穫後 の処理に関する技術指導の提供を行い、丸紅は、堆肥生産に活用できる地域資源の調査並びに 現地での進捗管理及び報告を行う一方で、IFADは、育苗施設等のインフラ構築のほかプロジェクトの全体管理を担うこととなっています。日本はタンザニア産アラビカコーヒーの最大の買い手であり、本プロジェクトは長期的な視点でコーヒー豆の本邦安定調達に貢献すると期待されています。
タンザニアにおけるELPSプロジェクトのビデオ:https://youtu.be/QXR1DMH8Yn4
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タンザニアにおけるELPSイニシアティブ第一号案件の発足を記念して、2024年9月20日、IFADと農林水産省の共催で「持続可能なコーヒー生産プロジェクト発表会~2050年もおいしいコーヒーが飲める世界を目指して~」を開催しました。
② 国際協力機構(JICA)とのパートナーシップ
日本と IFAD は共にアフリカのサハラ以南をはじめとする世界最貧地域に特に重点を置いています。日本はアフリカ開発会議(TICAD)を開催し、アフリカのリーダー 達と開発パートナー間のハイレベルでの政策対話を促進しています。IFAD は国際協力機構(JICA)と協力しながら、「市場指向型農業振興(SHEP)」、「食と栄養のアフリカ・イニシアチブ(IFNA)」や「アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)」イニシアティブなど、TICADの枠組みの中でも推進されている取り組みに貢献しています。
2022年の第8回アフリカ開発会議(TICAD8)では、IFADとJICAはアフリカ諸国でSHEPアプローチをどのように展開していくかに焦点を当てたサイドイベントを共催しました。両機関は、アフリカにおいて市場型農業を推進していくために相互パートナーシップを強化するというコミットメントを再確認しています。
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●IFADとJICAの協力覚書
2024年3月、IFADとJICAは協力覚書(Memorandum of Cooperation)を更新・締結しました。両機関間の最初の協力覚書は2010年に署名されました。前回の協力覚書(2018年-2023年)に基づき、IFADとJICAは、特にアフリカでの農業・農村開発、食料、栄養の状況を改善させるための取り組みとプロジェクトに焦点を当て、継続的な協力の拡大に合意しました。
詳細はこちら: https://www.ifad.org/documents/d/latest/pr-2024-17_jap
③ 横浜市とのパートナーシップ
IFAD日本連絡事務所は2021年に横浜国際協力センター内に開設されて以降、横浜市との連携を強化し、市民向けの啓発活動などを行っています。
IFADのアルバロ・ラリオ総裁と横浜市の山中竹春市長は、2024年5月にIFAD本部(ローマ)で会談しました。両者は今後横浜で開催されるふたつの国際イベントである2025年の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)及び 2027年の国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)に向けて連携協力関係を強化することを約束しました。
©IFADFrancesco Manetti
④ ユース・大学とのパートナーシップ
©IFADAlberto Trillo Barca
IFAD日本連絡事務所は2024年以降のプライオリティのひとつにユースとの連携を掲げています。具体的にはインターン生の受け入れや、IFAD Youth Club Japanの立ち上げが挙げられます。
さらに、ユースがIFADの活動に興味や関心を持ち、IFADをはじめとする国際機関でのキャリアについて知れるよう、外務省やいくつかの大学と協力してキャリア・セミナーや特別講義を開催しています。
●IFADユースクラブ・ジャパンの設立
IFAD日本連絡事務所は、IFADのミッションへのユース参画を促進するため2024年2月にIFADユースクラブ・ジャパン(IFAD Youth Club Japan:IYCJ)を立ち上げました。2024年12月時点で2名が幹部を務め、大学生を中心に60名以上のメンバーが活動しています。これまでに5つの活動班を立ち上げ、5回の座談会を内部向けに開催し、IFAD職員に職務経験やキャリアについてインタビューを行いました。また、横浜市主催のイベントでのブース出展やプレゼンテーションなどを通して対外的に発信する取組も開始しています。
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●IFAD/UNキャリア・セミナー @上智大学
2024年10月31日(木)に上智大学にて、IFADは上智大学国際協力人材育成センター(SHRIC)・国際関係研究所(SIIR)と協力してキャリア・セミナー「IFAD・国連でのキャリア形成:世界の食料問題解決に向けて」を開催しました。
本キャリア・セミナーでは、IFAD対外連携・資金動員部ドナー国連携ユニット長のフェデリカ・チェルリ・イレリ氏とIFAD日本連絡事務所代表の加藤真理子氏が世界の食料問題や食料安全保障の課題、これらに対して国際機関が果たす役割、そして国連やIFADでのキャリア形成に関する内容を話しました。
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●IFAD/UNキャリア・セミナー @関西学院大学
2024年12月11日(水)に関西学院大学で、IFADは関西学院大学国連・外交統括センターとの協力のもと、「国連でのキャリア形成と食料問題に関するセミナー」を開催しました。
本キャリア・セミナーでは、IFAD日本連絡事務所の代表である加藤真理子氏が世界の食料問題や食料安全保障の課題、これらに対してIFADをはじめ国際機関が果たすべき役割、また国連でのキャリア形成および多様な働き方に関して、IFADと国連児童基金(UNICEF)での自身の経験をもとに話ししました。さらに、今年立ち上がったIYCJやIFADのインターンシッププログラムなどについても紹介しました。そして講演終了後は多くの会場参加者が加藤氏との個別相談会に参加し、国連キャリアに関する個別アドバイスを受けました。
(写真提供:関西学院大学)
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