2024.11.14
2024.10.23~24
10月23日・24日、IYCJが第13回アジア・スマートシティ会議にてセッションステージ及びブース出展をしました!
アジア・スマートシティ会議とは、アジア諸都市、政府機関、国際機関、学術機関及び民間企業等の代表者が一堂に会する国際会議で、アジアにおけるスマートな都市開発に向けた情報のハブ構築を目指すためのものです。各都市の代表者から提示される都市課題や成長へのビジョン、民間企業や学術機関による革新的ソリューションの提案、及び公民連携を資金面で支援する国際機関の施策など、世界の様々な知見が共有されます。
第13回の今年は「脱炭素」をテーマに多様なステークホルダーが発表、交流を行いました!
セッションステージ
「ヨコハマ未来創造会議」とは
横浜市が、GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)の開催を契機に立ち上げた、20年・30年先の社会を担う現在の大学生や企業の若手社員の若者が参加して、議論し、アクションを起こすきっかけとなるプラットフォーム。
今回は「ヨコハマ未来創造会議」の分科会リーダーの、西尾さん、若狭さんのお二人とセッションさせていただきました。
セッションテーマは ‟Our Future is Here ~気候危機に共に立ち向かう~” です。
両団体の感性を生かした活動やローカル・グローバルの未来に向けたアイデアを発信し、知見を共有するとともに、ユースが牽引し、マルチステークホルダーとの連携によって実現する持続可能な未来について議論しました。
この連携セッションをするにあたって、
● ビジネスも意識し、現在の仕組みの中でどう理念を伝えていくか
● 大多数をいかに動かすか、この場にいない人にどう関心を持ってもらえるか
● 食と農の問題に対しては一人一人の行動が大事であること
の3つの点を意識して、今ググって出てくる課題やよく聞く課題ではなく、その先に出てくる課題を取り上げ、ユース視点で未来まで見据えた提案をしようという目標を立ててセッション準備を進めてきました。
セッションステージ登壇者集合写真
☆これまでの取材先
・金沢区氷取沢町の小規模農家さん
・収穫量の2割が規格外になってしまう。
・規格外品は他の農家さんや近所の方に
配ってロスを出さない取り組み。
小規模での生産のため安定した供給が
難しく販売先が限られている。
・移動式の八百屋として全国を巡っていたため、様々な農家さんとつながりがある。
・常設店舗を持つにあたり、アイスクリーム屋さんを併設。
・全国の農家さんから規格外品を買い取り、アイスクリームとして販売。
・ネガティブなイメージをポジティブに!
農家さんとの密接な関係があったからこそ
規格外品を買い取ることができ、
アイスクリームに活用できている。
・地域の方々に寄り添った取り組み
・やるJAんマルシェや浜なしなど特産品を活かした商品販売
・農家さんとから野菜を買い取ることができるシステム
地域に密着しているからこそ、
規格外品の販売やイベントの開催が
可能である。
☆課題解決の提案
これらの取材活動から感じた課題はアクター間の連携の重要性です。
課題解決の案として「アイデアプラットフォーム」と名付けた場の創設を提案しました。プラットフォームでは様々な人・アクターが技術や知見の共有を行うことができるため、少数のステークホルダー間だけでなく、より幅広い人々が参加する中での意見交換が可能になり、より多くの、また多様なアイデアやマッチングが生まれると考えました。
上図のキービジュアルでは事業間でも前後の関係のない斜めのアクター間も結ばれ、多様な方向の繋がりが生まれています。そうすることで、例えば生産・輸送・小売・外食などの各段階で発生した規格外品やロスを、通常の流れでは前後の繋がりのない別段階の加工や製造で扱って廃棄を防ぐことなども可能になると考えました。
また、事業系だけでなく消費者もプラットフォームに入り、その間に相互交流を生むことで、下図の黄色の部分のような買う側と売る側、両方の意見を取り入れることができるのではないかと提案しました。特に事業者系から消費者系の矢印については、消費者グループが市区町村単位であることから、店舗側は近隣地域のグループに投げることができ、消費者は自分の近くの情報しか流れてこないため情報をチェックするモチベーションになると考えました。
さらに、運営主体を国や地方自治体(市区町村)にした理由として、折角多くのアクターが参加しているため、「意識」の部分にも目を向けたいと考えたためです。農業や食に関する問題に限らずですが、意識変革が大きな障壁となっている部分は多くあります。本プラットフォームでは運営主体を国や地方自治体にすることで、意識の部分に3つの観点からアプローチできると考えています。
まず一つ目に、社会課題解決(への第一歩)にビジネスを持ち込まないこと。皆で協力して解決していく、社会課題解決への動きの上に社会経済を作る、という意識の醸成が可能になると考えました。ただし、ここでのマッチングなどからビジネスが生まれていくのは良いと考えており、企業やNGOなどといった各アクターの性質を活かしながらマッチングを通してプロジェクトが動いていくことが期待できると考えました。二つ目に、このプラットフォームへの参加は無料で、平等に皆に開かれた場にすることです。そして三つ目に、お金(資本)以外の価値も見出しそこに重点を置くことです。今回でいえば更に新しいアイデアを創造したり潜在的な可能性に気付くといったことが挙げられ、更に話を広げれば生産者支援なども挙げられます。
勿論、実際にこのアイデアを実現するためには課題も多くありますが、このアイデアから何かヒントが生まれれば、良いと考えています。
セッションの最後では、両団体から、アクター間を超えた連携、協力の重要性や、そうした取り組みにユースも巻き込んでほしいといったメッセージを伝えました。
アクター間の連携における課題について
食品ロスチームの活動紹介
ブース出展
アジア・スマートシティ会議では国際農業開発基金(IFAD)がブース出展を行っており、IYCJの活動についても展示させていただきました!海外からの参加者も多いため、英語の資料も作成し、様々な方に読んでもらえるように工夫しました。イベントには政府機関、国際機関、多くの民間企業、そして世界各地から様々な方が参加されており、多くの方との貴重な交流の機会となりました。
ブース展示の様子
ブースにて配布した資料(左側はIFADの資料)