2024年度、一橋大学こども発達ラボでは、須藤が「子どもの文化的共感性」に関する調査を実施しました。本調査では、自分の文化の常識が異文化の相手にとって当たり前でないことを子どもがどの程度理解できるか、また相手の文化的背景を学ぶことによってその理解が深まるかを検証しました。調査には、130名以上の4~9歳のお子さんとその保護者の方々にご協力いただきました。調査の結果、年齢が上がるにつれて、子どもは異文化の相手が日本文化について知らない可能性を考慮できるようになり、さらに、相手の文化的背景に関する情報をもとに、その相手の知識に関する予測を柔軟に変えることもできるようになることが示されました。本研究の結果を踏まえ、多様な社会における友好関係の構築や、幼少期からの円滑なコミュニケーション促進の方法について、今後さらに検討を進めてまいります。ご協力賜りました皆様に、心より感謝申し上げます。
2023年から日本科学未来館(東京都江東区)では、「こどもからみる不思議世界探求」プロジェクト(中央大学・山口真美教授主催)が実施されており、赤ちゃんや子どもがどのように世界を見ているのかを明らかにする画期的な取り組みが進められています。2024年3月、9月、12月に一橋大学こども発達ラボの石川と須藤が「こどもからみる不思議世界探求」の参加型実験イベントを担当し、200名弱のお子さん(4~12歳)とその保護者の皆さまに「他者が見ているものは気になる?」「友人関係の形成においてどのような共通点が重要?」「異文化の視点をどう捉える?」「時間の長さ、どう感じる?」というテーマの心理学実験を体験していただきました。これらの参加型実験を通じて、子どもたちが他者を理解し、関係を築くプロセスについて貴重な知見が得られました。詳細はこちらをご覧ください。