砥石は砥粒、結合剤、気孔、の三要素で組成されています。砥粒は削る役割、結合剤は砥粒をくっつける役割、気孔は切りくずを逃がす役割があります。気孔が無い砥石もあります。
砥粒の材質は代表的なもので次のようなものがあります。
アルミナ系
炭化ケイ素
ダイヤモンド
砥粒の硬度(硬さ)は下に向かって高くなります。刃物を研ぐ砥石にはアルミナ系が一番よく使われているかと思います。炭化ケイ素でよく目にするのは緑色の荒砥石でしょうか。
結合剤は砥粒同士をくっつける役割を持っています。結合力が弱すぎると、研いでいるうちにどんどん砥粒が脱落していく「目こぼれ」が起きます。結合力が強すぎると、砥粒がすり減っても脱落せず研磨力がなくなってしまう「目つぶれ」が起きます。結合力がほど良い塩梅だと、ある程度砥粒がすり減ると脱落して新しく角の立った砥粒が顔を出して研磨力が維持されます。これを自生作用といいます。脱落した砥粒がいわゆる砥糞(とくそ)です。代表的な結合剤は次のようなものがあります。
メタルボンド
レジンボンド
ビトリファイドボンド
電着
レジンボンドはつまり樹脂です。砥粒を樹脂で固めるというイメージですね。仕上げ砥石に使われることが多く、大体は気孔がありません。ビトリファイドボンドはガラス質の結合剤で、焼き固めて成型されます。電着は金属の台金に砥粒を電気的に接着する方式で、ダイヤモンド砥石でよく使われています。
砥石の荒さ、細かさを粒度(りゅうど)で表します。#1000 のように「#」を付けたり、1000番と言ったりします。数字が小さい方が荒く、大きい方が細かくなります。
刃物研ぎで荒砥石と言えば大体200~400番くらいでしょうか。欠けのある刃を直したりするのに使います。
大体1000番前後でしょうか。日頃の研ぎはこれから始めます。最初のうちはこれだけで仕上げとしてもOK。
大体6000番くらいでしょうか。より滑らかな切れ味になり、刃持ちも良くなります。こだわる人はもっと番手の高いもので仕上げます。
研ぎにこだわる方は天然砥石を使われますが、私はそこまでのレベルじゃないので人造の一般普及品を使っています。
荒砥石として欠け取りや形の修正、研ぎおろしに使っています。砥粒の材質は淡紅色アルミナ。一般的な荒砥石と比べて減りが少なく研磨力が高いので使いやすいです。
クセがなく品質が良く刃物との相性に悩むことがありません。ホームセンターでも購入できます。
#1000と同じく使いやすいです。
電着ダイヤモンド砥石。主に砥石の修正に使っています。ホームセンターで購入できる電着ダイヤと比べてだいぶタフで長持ちします。