Keyword:放牧 スマート農業 グラスフェッドビーフ 赤身肉
日本の食料自給率は約40%と、世界的に見ても非常に低い水準です。今後、異常気象や感染症の拡大などにより、食料の輸入が難しくなる可能性もあります。まずは、自分たちの食料を自分たちで生産できる体制を維持することが重要です。
現在、日本の農業は高齢化や後継者不足、安価な輸入農産物の影響により、多くの農地が放棄され、荒廃が進んでいます。しかし、日本は降水量の多い温帯〜亜熱帯の気候にあり、植物がよく育つ環境に恵まれています。我々は、このような有利な自然条件を畜産にも活かすことができれば、持続可能な畜産物の生産システムを構築することができるのではないかと考えています。
2.放牧牛とは?
放牧牛とは、牧草地や山間地に牛を放ち、草を主体とした飼料で育てる牛のことです。
放牧は、未利用の山林や休耕地を活用でき、地域の景観維持や環境保全にもつながります。また、輸入飼料に頼らず国内の草資源を活かせるため、持続可能な牛肉生産の方法として注目されています。
また、牛のふん尿は牧草の肥料となり循環型の農業が可能です。自由に動ける環境は牛のストレスを減らし、健康な育成にもつながります。
このように、放牧は「環境にやさしく、地域と共生する」新しい畜産のかたちといえます。
3.IoTを活用した放牧牛管理
私たちは、ICT・IoT技術を活用した放牧牛の生産性向上と飼養管理の効率化を目指しています。放牧は広大な牧野に放たれるため、行動の把握や個体管理が難しいという課題があります。そこで、センサーデバイスや通信技術を用いたリアルタイムの個体モニタリングに取り組んでいます。
活用しているIoT技術の例
①GPS付き首輪型センサー
個体ごとの移動距離や放牧地内の滞在場所を記録し、行動パターンの変化から健康状態などを推定します。
②加速度センサー
採食・反芻・休息などの行動分類を行い、異常行動の早期発見に活用します。
4.牛の体重を推定
現在、iPhoneで撮影した牛の画像から体重を自動推定できるアプリケーションを開発中です。
牛の体重測定は大変ですが、個体の体重を知ることは非常に重要です。放牧中でも牛に触れずに体重管理ができるようになれば、個体の成長記録や健康管理の効率化が期待されます。
AI画像解析と畜産現場の知見を組み合わせた、現場目線のスマート畜産技術です。