地球システム・倫理学会の「研究例会」
地球システム・倫理学会の「研究例会」
■日 時:2026年07月25日(土)16時00分〜18時00分(開場:15時40分)
■会 場:麗澤大学新宿キャンパス(東京・西新宿「新宿アイランドタワー」4階)およびGoogle Meet
■講 師:吉川 成美 総合地球環境学研究所上廣環境⽇本学センター特任教授・センター⻑
■テーマ:自然のトポス、あいだのエートス―環境日本学からのアプローチ
■要 旨:総合地球環境学研究所(地球研)は、「地球環境問題はことばの最も広い意味における人間の『文化』の問題である」という初代所長・日髙敏隆の洞察を礎に、人と自然の相互作用環を包括的に理解し、「持続可能性」を超えた「未来可能性(futurability)」を掲げてきた。本講演は、その理念のもと地球研に置かれた上廣環境日本学センターがめざす「環境日本学(Japan Environmental Studies)」――人間と自然を分断せず、もろとものエコシステムを共創し、人間中心主義を超えて人と自然の未来可能性を探求する営み――の視座から、地球環境問題を文化の問いとして問い直す試みである。
その核心にあるのが「あわい」という概念である。「自然のトポス」(場所に積み重なった時間と記憶の履歴=場所性)と、「あいだのエートス」(人と自然、渡来と在来、もの言わぬいのちとのあいだを生きる作法=倫理性)――この二つが交わる生成の場こそが「あわい」である。渡来が在来へと転じ、異質なものが溶け合い新たな文化が生まれるのも、この「あわい」においてである。シルクロードを越えた野菜が在来の暮らしに根づく原産地調査の経験、里山・里海のエコシステムの再生、草木塔や供養に込められた心、「もののあはれ」や「空」の思想に通う、見えないものの声を聴く感性を通して、希望としてのアニミズムと贈与経済の可能性を描く。
そこから立ち上がるのは、贈与と共鳴に基づく新たな生態倫理(エコロジカル・エシックス)への問いである。市場経済が切り離してきた自然との関係を、ふたたび身体と場所の「あわい」へ埋めもどすとき、「人間にとって環境とは何か」という問いがあらためて開かれる。
■略 歴:吉川 成美(よしかわ・なるみ):農業経済学博士。総合地球環境学研究所 上廣環境日本学センター 特任教授・センター長。県立広島大学大学院経営管理研究科 教授、早稲田大学 兼任講師。「参加し合える農と食」「地域資源マネジメント」を軸に、日本からアジア各国でのアクションリサーチや探求型環境教育に取り組む。近年は原剛・早稲田大学名誉教授より「環境日本学(Japan Environmental Studies)」を継承し、「自然のトポス」「あいだのエートス」の概念整理をつうじて生態倫理(エコロジカル・エシックス)を研究。主な著書に『クライメート・チェンジ―新たな環境倫理の探求と対話』(2018年)、『共生主義宣言』(2017年)、『中国の再森林化』(2016年)ほか。
■「研究例会」には、当学会に未加入の方も、来場ないしはオンラインで参加頂けます。当学会に未加入の方が来場して参加される場合は、当日、会場受付にて資料代として1,000円お支払いください。(ただし学生・院生は無料です)
■「研究例会」に先立ち、14時30分から15時30分まで「理事・評議員会」を開催します。「理事・評議員会」は、当学会の理事・評議員のみの参加となります。
■「研究例会」および「理事・評議員会」への出欠を、こちらのフォームで、2026年07月21日(火)までにご回答下さい。07月22日(水)以降に参加を申し込まれる場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡ください。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■オンライン(Google Meet)で参加希望の方には、開催前日までにGoogle MeetのURLをお届けします。前日までにURLが届かない場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡下さい。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■来場に際しては感染症防止に十分ご留意下さいますようお願い申し上げます。
更新日:2026年07月05日