地球システム・倫理学会の「研究例会」
地球システム・倫理学会の「研究例会」
■日 時:2026年05月23日(土)16時00分〜18時00分(開場:15時40分)
■会 場:麗澤大学新宿キャンパス(東京・西新宿「新宿アイランドタワー」4階)およびGoogle Meet
■講 師:木村護郎クリストフ 上智大学外国語学部教授・学部長、同大学大学院国際関係論専攻教授
■テーマ:ウクライナ、パレスチナ問題の歴史的根源
■要 旨:ウクライナやパレスチナでの紛争が近隣諸国をはじめ世界中に影響を及ぼしています。これらの紛争は、全く別々の問題ではなく、19世紀後半から20世紀前半にかけての中東欧における民族問題の延長線上にあります。その問題が未解決のまま他地域にも輸出され、また現代まで持ち越されたことに、現代世界の大きな課題があるといえるでしょう。
近代以降、集団形成の基本要素となってきた言語をめぐる思想や動向に注目することで、現代世界をゆるがす問題について、報道などでとりあげられる直接的・短期的な要因よりも長い射程で、しかし世界史の中で過度にさかのぼったり一般化したりすることも戒めつつ、その特徴をとらえることをめざします。
その際、1つの焦点となるのが、「国際語」として提唱された計画言語エスペラントの背景です。中東欧における多民族共存の問題は、19世紀末のロシア帝国にユダヤ人として生まれた国際語エスペラントの提唱者ザメンホフが直面した問題そのものでした。よって、エスペラントという特異な発想がなぜ19世紀末の中東欧のユダヤ人によって生み出されたのかを考えることは、現代の世界をゆるがす出来事の根源を問うことに直結します。
ザメンホフの思想や行動の起源およびその後の展開を、同時代のユダヤ人の居住地への同化主義やシオニズムとの比較を含めて考察したいと思います。「人類人主義」を掲げたザメンホフの究極の理想主義は、私たちが現在も目の当たりにしている、人間集団の分断と争いがもたらす帰結を、他の多くの同時代人よりも深く予見した帰結でもあり、表層的な現実主義とは異なる究極の現実主義に基づいていたことが浮かびあがります。その視座から現代世界の課題を捉え直したいと思います。
■略 歴:木村護郎クリストフ(きむら・ごろうくりすとふ)1974年、名古屋生まれ。現在、上智大学外国語学部教授・学部長、同大学大学院国際関係論専攻教授。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は言語社会学(媒介言語論、少数言語の復興と再活性化)、中欧地域研究(言語と宗教)。日本語による著書に『異言語間コミュニケーションの方法―媒介言語をめぐる議論と実際』(大修館書店)、『節英のすすめ―脱英語依存こそ国際化・グローバル化対応のカギ!』(萬書房)、共編著書に『世俗の新展開と「人間」の変貌』(勁草書房)、『多言語主義社会に向けて』(くろしお出版)、『今こそ原発の廃止を―日本のカトリック教会の問いかけ』(カトリック中央協議会)、『媒介言語論を学ぶ人のために』(世界思想社)、共著に『ことばをどう捉えるか―言語の自明性を問い直す』(ひつじ書房)、『越境者との共存にむけて』(ひつじ書房)、『言語政策研究への案内』(くろしお出版)、」『ヨーロッパの世俗と宗教』(勁草書房)、『脱原発の必然性とエネルギー転換の可能性―地震国日本の現実とドイツの先例から考える』(新教出版社)、『「やさしい日本語」とその周辺』(ココ出版)、『<やさしい日本語>と多文化共生』(ココ出版)、『新しいヨーロッパ学』(上智大学出版)、『行動する社会言語学』(三元社)、『ことばを教える・ことばを学ぶ』(行路社)などがある。
■「研究例会」には、当学会に未加入の方も、来場ないしはオンラインで参加頂けます。当学会に未加入の方が来場して参加される場合は、当日、会場受付にて資料代として1,000円お支払いください。(ただし学生・院生は無料です)
■「研究例会」に先立ち、14時30分から15時30分まで「理事・評議員会」を開催します。「理事・評議員会」は、当学会の理事・評議員のみの参加となります。
■「研究例会」および「理事・評議員会」への出欠を、こちらのフォームで、2026年05月19日(火)までにご回答下さい。05月20日(木)以降に参加を申し込まれる場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡ください。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■オンライン(Google Meet)で参加希望の方には、開催前日までにGoogle MeetのURをお届けします。前日までにURLが届かない場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡下さい。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■来場に際しては感染症防止に十分ご留意下さいますようお願い申し上げます。
更新日:2026年04月18日