地球システム・倫理学会の「研究例会」
地球システム・倫理学会の「研究例会」
■日 時:2024年06月15日(土)16時00分〜18時00分(開場:15時45分)
■会 場:麗澤大学新宿キャンパス(東京・西新宿「新宿アイランドタワー」4階)およびZoom
■テーマ:世界哲学と人間の再定義
■講 師:中島 隆博(東京大学東洋文化研究所 所長・教授)
■要 旨:二〇一八年に日本発の試みとして、世界哲学を開始した。その暫定的な成果は、二〇二〇年の『世界哲学史』(ちくま新書、全九巻)に収められている。わたしたちが目指しているのは、西洋近代に独占されていた哲学を解き放ち、地域の哲学が有している在来の概念を普遍化することで、新しい啓蒙を始めることである。古い啓蒙が人間中心主義的な人間観を作り上げ、それによってノン・ヒューマンなものが周縁化され、さらには収奪の対象とされた。それが人間に折り返された時、民族やジェンダーをめぐる差別が肯定された。それを根底から考え直し、人間の再定義を行うことで、現在の地球的課題に応答していきたい。その際に手がかりにしたいのは、西洋の存在神学の枠組みに組み込まれた人間存在Human Beingではなく、より謙虚で傷つきやすい、他者とともに人間的になりゆくプロセスとしてのHuman Co-becomingである。これは古い概念である仁の現代的翻訳でもあると同時に、これまた日本発の概念である共生の翻訳でもある。これを通じて、ディペシュ・チャクラバルティが提言する、「ヨーロッパを周縁化する」、そして「人間を周縁化する」意義を深めてゆきたい。
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■「研究例会」には、当学会の会員ではない方も、来場ないしはオンラインで参加頂けます。来場して参加される場合は、当日、資料代として1,000円を会場受付にてお支払いください。
■「研究例会」への出欠をこちらのサイトから2024年06月12日(火)までにご回答下さい。【懇親会に参加ご希望の方は、準備の都合上、06月06日(木)までに必ずご回答ください。】
■オンライン(Zoom)で参加希望の方には、開催前日までにZoomのURLとパスコードをお届けします。前日までにURLとパスコードが届かない場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡下さい。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■来場に際しては感染症防止に十分ご留意下さいますようお願い申し上げます。
■「研究例会」に先立ち、14時30分から15時30分まで「理事・評議員会」を開催します。「理事・評議員会」は、当学会の役員(理事・評議員)のみの参加となります。
更新日:2024年06月04日