Dグループ活動報告
(総合問題)
(総合問題)
Dグループは、『総合問題』をテーマとしています。学生支援業務においては、奨学金業務・課外活動業務・イベント業務、その他にも非常に多岐にわたる業務対応や、時に細やかな学生対応、社会情勢や学生のニーズの変化によって、日々対応や判断を柔軟に行うことを求められる場面もあります。
「どのように対応することが適切か」「他大学はどのように対応しているのか」、そんな日々の小さな、けれども重要な課題を共有し協議できることが、『総合問題』をテーマとしている本グループの強みです。
今年度も前年度に引き続き、グループ会員から事前に日々の業務のなかで感じている課題を募集したうえで、それらを大分類に分け、情報共有・協議を行いました。
2024年度はAグループとの合同研究会や冬期合宿を含む計6回の研究会を開催しました。実際に各大学のキャンパスや学生支援部署を見学することで、学生支援窓口だけでなく、フリースペースやキッチンカー・冷水器や喫煙所といったキャンパス整備に関する協議や、「Z世代」の学生や社会のDX化による学生対応の変化に関する事例共有、その他諸課題への対応について、各大学の方針や業務課題と解決策の共有を中心に意見交換を重ね、学びを深めていきました。
開催日時:2024年6月14日(金)14:00~17:00
開催場所:立教大学 池袋キャンパス
参加人数:5人
主な議題:
自己紹介、今年度のスケジュール決定、キャンパス整備についての情報交換
活動報告:
総会終了後に、自己紹介(業務歴、現在の業務内容)を行いました。その後、年間活動のスケジュールおよび実施場所を決定しました。各回のテーマについては、事前に会員から募集した議案を大きなテーマに区分し、各回に設定しました。
年間スケジュール等を決定後、早速「キャンパス整備」について情報共有・協議を行いました。協議した議題は以下3つのテーマです。
①冷水器・ウォーターサーバーの設置状況について
大学により、冷水器もしくはウォーターサーバーの設置状況や設置の経緯は様々でした。特に興味深かった事例として、プラスチック削減等の SDGsチャレンジプロジェクトとして実施している事例もあり、ただ導入するだけでなく学生と環境問題について考えるきっかけとしている大学もありました。
②キッチンカーについて
どの大学でも、昼食の混雑問題は喫緊の課題であるかと思います。各大学学生数に合わせてキッチンカーを導入していました。相違が見られた点は、価格帯と担当部署です。場所代や電気代を請求しない代わりに低価格での出店を依頼する大学もあれば、父母会等からの補助で価格を抑える等、様々な工夫を共有することができました。担当部署については、委託業者に委託し管理している大学もあれば、取りまとめは学生課が行い、学友会等の学生に出店スケジュール決定を依頼している事例も見られました。
③喫煙所について
喫煙所については、全面禁煙とする大学も多かった一方で、学内の喫煙所を廃止したことにより、学外での喫煙を行う学生が増加し、クレームに発展するといった事例も共有されました。
開催日時:2024年10月4日(金)14:00~17:00
開催場所:東海大学 湘南キャンパス
参加人数:6人
主な議題:
自己紹介、キャンパス見学、議題の協議
(留学生対応、配慮支援、卒業アルバム、各種イベント)
活動報告:
①留学生の受け入れについて
留学生・交換留学生の受け入れ規模は、10人~1000人以上と、大学ごとに異なりました。担当部署については、業務により担当部署を分けている大学が多く、在籍管理は国際交流部署が行っている大学が大半でしたが、一部学生支援部署で行っている部署もありました。特に留学生を多く受け入れている大学では、在籍管理業務が業務負担になる事例も報告されました。今後留学生の受け入れの増加を目指す大学もあり、書類のフォーマットや対応方法等の詳細が共有・協議されました。
②合理的配慮等の学生への対応
令和6年4月からの合理的配慮の提供の義務化に伴い、様々な学生対応が変化していくことが予想されます。オールジェンダートイレや更衣室等、キャンパス整備や学籍情報登録の在り方について、協議を行いました。
③卒業アルバムについて
近年個人情報の流出を嫌う学生もおり、少しずつ卒業アルバムへのニーズが変化している傾向もあるなかで、撮影や配布に関しては各大学課題を持っていました。デジタルアルバム等の検討も必要になるとの意見もあり、Z世代の学生支援の在り方を改めて考える機会となりました。
④各種イベントについて
入学式や卒業式、学園祭等、大学の全体で行うイベントについての実施状況等を共有しました。コロナ禍前の形式に戻し開催する大学もあれば、式典ではなく入学イベントとして行事化して行う大学もあり、今後のイベントの在り方を再考することができました。
開催日時:令和6年11月29日(金)13:30~17:00
開催場所:金沢星稜大学
参加人数:4人
主な議題:
キャンパス見学、議題の協議
(学食に関する各種サービス、奨学金制度、学費関連・督促業務について)
活動報告:
①学食に関する各種サービスについて
各大学お昼の混雑状況には課題があり、キッチンカー以外にも、金沢星稜大学のクイックスペース等、ニーズを明確化させることで、混雑を解消している事例も見られました。
②奨学金制度について
学内奨学金の設置数が大学によって相違が見られました。また、日本学生支援機構奨学金業務はどの大学でも負担の大きい業務であることが共有されました。奨学金の申請書の形式についても保証人署名の有無や、印鑑の有無等、相違が多くあり、特に留学生を多く受け入れている大学は、印鑑を不要としている大学も多く、今後多様な学生の受け入れを想定した申請書等の形式も検討する必要性が話し合われました。
③学費関連・督促業務等について
各大学での学費督促に関する取り組みにおいては、担当部署や未納者の取り扱いについて、相違が見られました。
また、休学に伴う休学在籍料への切り替えや、奨学金の返金対応については苦慮する点も多く、奨学金申請・採用時に誓約書の提出を求めている大学もありました。
学費や奨学金に関しては、トラブルになりやすい案件であることから、今後も各大学での取組事例を共有していきたい旨が話し合われました。
開催日時:2024年12月19日(木)11:20~15:30 ※昼食休憩を含む
開催場所:龍谷大学 深草キャンパス
参加人数:4人(非会員を含む)
主な議題:
キャンパス見学、議題の協議
(卒業アルバムについて、学内研修について)
活動報告:
①卒業アルバムについて
アルバムの購入が必須であるか希望制であるか、アルバム代の請求については、各大学の対応に相違がみられました。学費納入の際に卒業アルバム代を請求するシステムであるが、購入を希望しないため返金を希望される場合もあり、全学生から一律で徴収しているために返金対応ができず、対応に苦慮している事例もありました。また、近年アルバムに映りたくないという学生や、冊子での保管を希望しない学生も多く、今の時代の学生のニーズに合ったアルバムの在り方について考えるきっかけとなりました。
②学内研修について
各大学の学内研修の実施状況を共有しました。以下は一部抜粋です。
他大学の研修実施状況を知ることで、自大学に取り入れたい研修や学習方法等を模索することができました。
・DX研修
・外部のオンライン研修
・ChatGPT使い方研修
・合理的配慮に関する研修
・教職員向けハラスメント研修
・情報リテラシーに関する研修
・公開講座の受講
・サービス介助基礎研修
開催日時:2024年12月20日(金)10:00~15:00
開催場所:龍谷大学 深草キャンパス
参加人数:4人
主な議題:議題の協議(学生への連絡方法、学生寮、掲示物、学生証)
活動報告:
①学生への連絡方法について
学生への各種連絡業務については、どの大学も「ポータルサイト>電話>メール>はがき」といったツールを使用していました。一方で、Teamsのチャット機能や、課で所有しているスマートフォンを用いたLINEを活用している大学も見られ、Z世代の学生にあった連絡ツールの模索についても、課題として共有・協議されました。
②学生寮について
大学によって多少の相違はありましたが、運動部寮の設置や、管理業務の運営会社への委託は、どの大学にも共通して見られた点でした。
③掲示物について
現状は紙での掲示板を運用している大学が多く、部署ごとの掲示板とフリーで学生が部会の掲示等も貼り出して良い掲示板で区分けをしていました。今後デジタルサイネージの導入を検討している大学もありました。
④学生証について
年度末の学生証の発行は、教務課で行っている大学が多いものの、一部学生課で対応している事例もありました。また、再発行については学内発行をする大学と、業者委託している大学とがあり、申請件数によっても対応が分かれていることが共有されました。また、デジタル学生証について検討する大学もありましたが、様々な懸念事項もあることから、今後密な情報共有を継続したい旨が話し合われました。
開催日時:2025年1月24日(金)14:00~17:00
開催場所:國學院大學 渋谷キャンパス
参加人数:6人
主な議題:キャンパス見学、年間の活動内容のまとめ
活動報告:
キャンパス見学後、年間の活動内容の振り返りを行いました。各回の協議内容を共有することで、学生生活支援業務が抱える諸課題の再確認を行い、次年度へ向けた課題を発見するとともに、今年度参加したメンバーが今後も密に情報交換ができるネットワークが構築されました。
今年度のDグループの活動においては、以下を目的として掲げていました。
目的①
幅広い業務に対して、様々な大学の事例を共有・協議することで、自大学の業務の在り方を考えるきっかけとなる。
目的②
Dグループ内、またグループを超えた研究会を実施することで、気軽に情報交換ができるネットワークの構築が実現できている。
実際に、冬期合宿を含む計6 回の研究会を開催し、各大学のキャンパスや学生支援部署の見学・グループ研究会での協議を通じて、キャンパス整備に関する協議や、「Z世代」の学生や社会のDX化による学生対応の変化等、喫緊の課題に関する事例共有、その他諸課題への対応等、各大学の方針や業務課題と解決策の共有を中心に意見交換を重ね、学びを深めることができました。また、Aグループとの2回の合同研究会や冬期合宿等を通じて、非会員の方やグループの垣根を越えて他大学の担当者とも気軽に情報交換ができるネットワークの構築が実現できたのではないかと考えています。
非常に多岐にわたる業務や、細やかな学生対応、社会情勢や学生のニーズの変化によって、日々対応や判断を柔軟に行うことを求められる学生生活支援業務において、今回構築したネットワークを生かし、学生支援のさらなる充実に努めていきたいです。