コラム

【#2】あっくんが、あっくんでよかったなぁ

#惇希、本当に大きくなったなぁ


惇希(あつき)は2004年12月2日、3,175g / 48.3cmというごく普通の大きさで生まれてきました


生まれてすぐ家族と対面


2つ年上のお姉ちゃんが、


「あっくん、あげる!」


飲みかけのパックのジュースを、小さなあっくんにあげようとしてくれて


「ありがとう!でも、まだあっくんジュース飲まれへんねん」


そんなほのぼのとした、極上の幸せに満ち溢れたスタートでした



2ヶ月頃から、気になることが増えていき、脳原性疾患だとわかるまでに1年と少しかかりました


原因がハッキリしない脳原性発達障害や脳性麻痺と、とりあえずの病名のまま過ごし

小5になって初めてFOXG1症候群という診断をうけました


惇希が小さい頃は、


「私が悪いのかな?」

「なんでできひんの!?」


「何が原因なん?」

「なんでうちの子が!?」


そんな風に自責の念にかられ、夜隠れて泣いた日々もありました



そんな私を救ってくれたのは長女の言葉です



『あっくんが、あっくんでよかったなぁ❤️』



と笑顔で言ってくれたこと


長女にとって惇希は、かけがえのない可愛い弟でしかないという事実


小さな娘に支えられ、


『つらいときこそ、笑顔でいよう!』


そう思うようになりました



1歳から4歳を肢体不自由児施設の通園部で過ごし、5歳から地域の保育園、そして地域の小・中学校へ


車イスに乗った、一人では何もできない小さな同級生を、子どもたちも、そのご家族も、みんなが受け入れてくださいました


中学を卒業する頃には、子どもたちが自主的に惇希の介助をし、私は少し離れたところから見守りながら一緒に楽しむ。そんな幸せな学校生活を送ることができました



高校からは支援学校になりましたが、


コロナ禍の中会いに来てくれたり、

LINEをくれたり、

みんなで遊びに行こう計画を立ててくれたり、


本当に良い仲間に巡り会えました

そして子どもたちを見守り、支え、ともに楽しんでくださった先生方にも感謝しかありません


支援学校では、専門的なサービスや卒業後のことを詳しく知ることができました

地域とは違った視点で、私自身も学ぶことができました


また、親切で細やかなケアをしてくださる先生方にも巡り会えました


デイサービスでも、めいっぱい遊んでくださるスタッフさんに囲まれ、毎日笑顔いっぱいです!


ただ、まだまだわからないことだらけです

これからもたくさん悩み壁にぶつかることもあると思います


そんなときは、いろいろな地域の同じFOXG1症候群の仲間からの情報をもとに、私たちの住んでいる地域の情報を集めることができる

そしてなにより、同じ境遇だからこそ救われる気持ちもある


FOXG1症候群だとわかってすぐに、検索しても全く情報が出てこなかったあの頃



この先の不安でいっぱいだったときに、巡り会えたこの家族会



私は、この家族会の仲間たちにも出逢えて、本当に良かったと思っています



「惇希 本当に大きくなったなぁ」



気がつけば、今年18歳



初めはつらい気持ちが多かったけど、気がつけば振り返る思い出たちは幸せで溢れかえっていました

これから先も、もっともっと幸せ溢れる思い出ができるよう、笑顔を忘れず惇希と歩み続けたいと思います


2022.04.09 惇希の母

#今年18歳振り返ると、たくさんの仲間に囲まれて幸せいっぱい

©️ FOXG1症候群患者家族会 2022