学会発表に関する様々なニーズアセスメントを受けて、このプロジェクトでは、STEM系学生向けの、国際学会発表直前準備ワークショップを開発し実施した。
目的
ワークショップでは、国際学会発表が既に決定している大学生・大学院生が英語で発表を行う際の支援を行うことを目的とした。ニーズ調査から、次の4点に焦点をあわせて支援することとした。
スライド作成:見やすいデザイン、流れがわかる構成、明確でメリハリのあるフォントなど。
発表原稿作成:学会での定型表現 、読み上げやすく、聴いてわかりやすい英文の作り方など。
発表練習:発表態度、話すスピード、顔の向きなど。
Q and A 対策:事前想定質問作成、聞き返し方、答えられない時の対応→「STEM学生向け英語発表準備と練習ヒント集」を参照
ワークショップ I (口頭発表用)とワークショップ II (ポスター発表用)の2パターンを計画し実践した。
スケジュール(人数・発表内容・準備度合いにより100分~半日)
受講生による発表デモンストレーション
PPT資料を作成し、それに基づいて実際の発表時間で練習を行ってくる。
教員からのスライド改善アドバイス
スライドについて教員から改善アドバイスを行う。主に以下の観点からフィードバックを行う。
語彙選択 word choice
あいまいな表現の明確化 usage
図表の意味の明確化 tables, charts, graphics
フォントの大きさ、種類 font size and type
発表の仕方へのアドバイス
発表の態度や英語の発声・話し方などのスキルを教える。
日本語での発表との違いを意識しながら以下の点をカバーする。
説明する/読みあげる英文の1文の長さと文構造 sentence length and structure
発音、抑揚、リズム、スピード pronunciation, intonation, rhythm, and speed
姿勢、アイコンタクト posture, eye contact
Q & A シミュレーション
発表後の質疑応答のシミュレーションを行う。想定質問を作成してそれに答えたり、以下の場合に、どう切り抜けるかノウハウを扱います。学習者サイトの「質疑応答を乗り切るコツ」を参照。
質問が聞こえない、あるいはわからない場合
質問に答える場合の典型的パターンと決まり文句
質問に答えるため、資料やスライドを確認したい場合
質問に答えられない場合
評価
参加者には、国際大会発表後、ワークショップの効果について、半構造化インタビューを行った。ズームで録画したインタビューは書き起しを行って、テキストマイニング、およびオープンコーディングにて分析を行った。その結果と詳細は論文にて公表している。