学術講演会プログラム概要
(スケジュールは変更される場合があります)
学術講演会プログラム概要
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特別講演 (講演は日本語で行われます)
NIPSにおける多角的Cryo-EM研究
―クライオ電子顕微鏡が切り拓く新たな科学領域―
Chihong Song (Pusan National University School of Medicine, Korea)
生理学研究所(NIPS)は長い伝統を持つ世界的なCryo-EMの研究グループであり、釜山大学に移る前にここで多くの関連研究を行ってきた。本発表では、その成果を基盤に、単粒子解析、クライオ電子トモグラフィー、Micro-EDなど多角的な手法の進展を紹介し、Cryo-EMが切り拓く新しい科学領域について議論する。
教育講演
感染症の基礎と新規感染症対策コーティング
山田 陽一 (就実大学 薬学部)
感染症は世界中で問題となっており、感染症を予防する感染症対策に注目が集まっている。そこで、「消毒液」をコーティングし、「消毒バリア」として用いることを考え、薬剤含浸型と薬剤固定型の2種類の新規コーティング技術を開発した。両者は短時間で強力な抗菌・抗ウイルス効果を示し、その効果も2カ月以上にわたって持続した。それぞれの特性を生かして、医療から生活環境までの幅広い応用が期待される。
シンポジウム
クライオ技術が切り開く未来―医学・生物学の革命的進化
1.Cryo-EM structures of human Cx36/GJD2 neuronal gap junction channel
Seu-Na Lee (Institute for Basic Science, Korea)
Connexin 36 (Cx36) forms neuronal gap junction channels critical for electrical synapses. We determined cryo-EM structures of Cx36 at 2.2–3.6 Å, revealing closed and open states. Lipids obstruct pores in the closed state, while pore-lining N-terminal helices create a cation-selective open state. Structural insights highlight lipid involvement and conformational flexibility in Cx36 channel gating.
2.固定法の違いが細胞内微細構造観察におよぼす影響:原生生物オキシリスの場合
福田康弘(東北大学農学研究科)
細胞内微細構造を正しく捉えることは、生命現象を機構と構造の双方から理解する重要な基盤となる。電子顕微鏡試料作製において、化学固定法は簡便だが、アーチファクトを生じやすいというリスクは十分に認識されていないように思われる。本発表では、原生生物オキシリスを対象に、化学固定法と凍結置換固定法から得られた電子顕微鏡観察像を生細胞像と比較し、固定法の選択が微細構造の解釈に影響をおよぼす例を示す。
3.生きているときの構造をそのままに:過冷却と昇華を利用したSEM試料作製法の確立
石田秀樹(島根大学生物資源科学部)
生物試料を「生きているときの姿のまま」でSEM観察することは生命科学の重要課題である。従来の試料作成法は化学固定や脱水による構造変化が避けられず、忠実な再現が困難な場合がある。我々は、水中に懸濁した試料を常圧下で凍結し、氷を直接昇華させる「水凍結乾燥法」を試み、有望な結果を得ている。一方で凍結時の過冷却維持や昇華制御に不安定要因が残る。その要因を解明し条件を最適化し、SEM試料作製の新標準法確立を目指す。
一般演題 口演発表、ポスター発表
社員総会(評議員会)11月1日 12:20-13:20(どなたでもご参加いただけます)
商業展示および企業セミナー
懇親会 11月1日 17:00-19:00 就実大学V館地下 生協食堂
津山を巡るバスツアー(希望者のみ) 11月3日 8:30-16:00(予定)